スキなきもち。


それは本当に微々たるもの。

まだ恋と呼ぶには形も成さないかんじだった。

4月に彼女が体調不良で日本に帰った。
それでも別にだからどうこうする気はさらさらなかった。

もちろん、少し意識はし始めていたけれど。

それは小さくて、とても小さくて、私も気付かない恋の芽。

転機はこの5月に訪れた。
住む場所がいちごのミスでなくなってしまったため早急に決めなくてはいけなくて・・・。
おにいちゃんのところでもよかったんだ。

けど日本人と住むのは嫌だったからずっと拒んでた。

けどもうそこしか選択がなくなって、短期間ってことで引越しすることになった。

それからの生活は普通だった。

けど話をする度に楽しいと思える自分がいて。
けど恋を知らない私にはそれと気付く術もなく。

彼女がいる人、しかも彼女も私の友達でいろいろ聞いてるから、

自然と恋愛対象からは外してた。


「いつから私はスキだと思い始めたのかな。

 すこしずつそれは蝕まれていって

 すこしずつ戻れない道を歩いてた。

 無意識なんだ。

 ただ前へ。前へ。

 なにが見えていたのかな、あのころの私には。

 世界はいつでも私の中心にあって

 自分だけは傷つく恋愛はしないと思ってた」






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