狂った歯車



私とお兄ちゃんは二人で住むことになっていた。
けど始めに念を押されていたんだ。

前のような関係はもうやめようって。私もそれは反対しなかった。

けどそんなにうまくいくわけない。
狂い始めた歯車はそう簡単に止まらない。

結局私達は同じ事を繰り返していた。

カレはいつも後悔してた。
知っていても、私はこの関係をいまさら手放せなかった。

何度も私は泣いた。
話し合っては泣いた。

転機は突然訪れた。
この家に新しい人が入ってきたから・・・。

この子のおかげで私は気付くことができた。

私はカレが好きなんだってことに。
ずっとそうとは知らずに生きていた。

カレにさえ「好きなのか?」
って聞かれてもこれは恋愛感情ではなく家族愛だって言ってきた。

実際この時まで私は家族愛だと思ってた。
お兄ちゃんって呼んでるのはその証。
ただ振り返れば・・・・。
みちゅこに言われなかったら・・・。
私はずっと恋には気付いていなかった。

気付いてもなにも変わらない。
ただ、
恋は苦しさを増した。

彼女のいる人。
私は彼女と仲良しで。

自分のポジションが微妙で、いつまでも考えはまとまらなかった。
罪悪感と好きな気持ち。
板ばさみで苦しさは日に日に増していった。


「ねぇ、やっと気付いたんだ、自分の気持ちに。

 これは私にとってはいいことだったのかな。

 今でもわからないんだ。

 後悔はしていないよ。

 だって幸せだったことは嘘ではないから。

 前はまだまだ闇が広がっていて、

 私はそこに取り残されたまま動けなかった

 狂い始めた歯車の音を聞きながら、

 私は流れに逆らうことをやめたんだ」




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