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正しい「がんばり」の導き方
■■ 正しい「がんばり」の導き方 ■■
~ここでは、ママが実際に参考にしている本をチョット抜粋して、みなさんに紹介します。~
困難にめげずに頑張る子、自分の力を発揮できる意志の強い子になってほしいとわが子に願うのはどの親も同じでしょう。
そこで、「がんばりなさい」「ばんばらなきゃだめよ」「どうしてがんばれないの」という言葉を口うるさく叫んでしまいますが、子供はちっとも頑張ってくれないと嘆いてしまうことが多いのではないでしょうか。
子供は、親からただ「がんばれ」と言われただけでがんばることができるわけではありません。子供が頑張るには子供の心の中に、頑張ろうという気持ちやがんばりを引き出す条件がなければならないのです。
その条件の第一は、その課題を達成しようとする気持ち、すなわち課題達成の欲求、あるいは課題に対する興味や関心がなければならないことです。子ども自身にそのような欲求や興味・関心がなければ、外からいくら「がんばれ」と言われても、頑張る気持ちにはなれません。
第二には、頑張ればできるという気持ち、すなわち自分の力に対する自信(有能間)やできる見込みがなければならないことです。やってもどうせできないと思っていれば頑張る気にはなれません。
第三には、頑張ることの大切さを知っていることです。頑張ることの大切さは、頑張ってできたという経験やその時の喜びから、あるいは結果よりも頑張ることのほうが大事だという価値観からしらされるものです。
最後に、頑張る、難しい課題に挑戦する、強い意志をもちつづける、というような強さを生み出す基本的条件として、子供の精神的安定感が重要であることを述べておかなければなりません。精神的に不安定な状態からはそのような強さは決して出てこないのです。
精神的安定感は、子供にとって重要な欲求が充たされているということから生じます。幼児や小学生の段階では、親や友達から認められたいという承認欲求が充たされているということが特に大切です。
★【こらえ性】がないとき★
~こらえ性のない原因は?~
少しでも辛いことがあるとすぐに投げ出してしまう、我慢できない、一つのことに集中できないなど、こらえ性がないのには、その時の条件による場合と子供の性格による場合があります。そのときの条件としては、前に述べられたように、やらなければならないことに全く興味・関心がない、そのことが難しすぎるとか目標が高すぎてできるという見通しがもてない、やり方がわからないなどの場合が考えられます。そのような時には、ただ叱るのではなく、そのような原因についてよく考え、原因に応じた対応をしなければなりません。
~こらえ性のなさは直る~
こらえ性がないという性格は、決して生まれつきのものではありません。子供のこれまでの生活経験から作られたものです。ですからそれはまた、直すこともできるものなのです。こらえ性がないということは、結局わがままな性格ということですから、わがままな子供に育ててしまったということなのです。
子供はもともとわがままな、言葉を置き換えて言えば、自己中心的なものといえますが、親とか友達等との社会的関係の中で、次第にわがままを抑える力を学んでいくのです。ですから、そのような学習の機会が乏しいと、いつまでもわがままを抑える力が育たず、自己中心的傾向が続いてしまうのです。
子供がかわいいからとつい甘やかしてしまいがちですが、子供の健全な発達を考えれば、わがままを抑える力を育てるしつけが大切です。
~ほうびでつらない、叱ってすまさない~
そのためには、まず子供の発達にあわせて、子供のできることは子供にさせるということ、できるように励ましてあげること、できたときには褒めてあげるということ、できなかったときでもあまり叱らないことなど、子供ができるだけ自分の力でするという経験と自分の力でできたという喜びが与えられるようにすることが大切です。
子供に何かをしてもらうために、おどしたり、ご褒美をあげたりすることは、あまりよくはありません。おどされてやっても喜びは出てきません。ご褒美でつるということは、自分の力でするという本来の目的を、ご褒美を手に入れるという目的に変えてしまう恐れがあります。そのようなことが続くと、ご褒美を約束しないと、何もしないという悪い癖がついてしまうこともあります。
こらえ性がないからと、すぐに叱って、それですましてしまうこともよくありません。例外を許すとそれだけ習慣が身につくのがおくれるものです。なんとか我慢させて、我慢したことによって得られる喜びを子供があじわえるようにすることが必要です。
★【約束】を守れないとき★
~無理な約束をしていないか~
子供が約束を守れないとき、ただそれを叱る前に、どうして守れないかを考えてみることが必要です。
その約束が子供にとってもっとも無理な約束であったか、子供自身の考えを無視して親が一方的に決めた約束であったか、子供が約束を守れないと親が早合点していたり誤解しているのか、あるいは子供のわがままで守ろうとしていないかなどと、さまざまな原因が考えられます。
その約束がもともと無理な約束であったとか、親が一方的に強制したものであったという場合は、約束の仕方に問題があったことになります。約束というものは、実行のできるものでなければなりませんし、また、約束をする当事者双方が納得したものでなければならないはずのものです。子供と約束する時には、このことを十分にわきまえておかなければなりません。
子供が約束を守れなかった時には、まずこの点について反省してみることが必要です。
~約束を守らない習慣を作らない~
そのようなものでなかったとしても、子供が約束を実行しないからといって、すぐに怒ったり叱りつけたりしないで、少し様子をみてみることも必要です。
時には、少し待てば実行するかもしれないのです。子供が約束を実行しようかなと思っているときに、注意されたり叱られたりすると、子供は反発を感じてかえってやる気をなくしてしまうものなのです。
ときには、子供が約束を忘れていることもあるでしょうから、子供に約束を思い出させるような注意は必要かもしれませんが、怒ったり叱ったりして、子供のやる気をつぶしてしまうことのないようにしなければなりません。
もしも、約束を守らなかったことが、怒られたり叱られたりしたことで終わってしまうということが続くと、約束を守らないという習慣が作られてしまう恐れもあるのです。大切なことは、子供が約束を実行するという経験とそのときの満足感を味わう経験を与えることなのです。そのような経験が約束を守るという責任感を育てるのです。
~しつけの仕方を見直してみる~
約束を守れないことが、子供のわがままや責任感のなさによるのであれば、これは子供の生活態度の問題です。子供のわがままを許したり、約束を守らなくてもすませたり、我慢するという経験を与えなかったりするしつけに問題があるのです。
また、子供は親を見て育つものですから、親も約束を守れないという無責任な生活態度を見せていれば問題です。日ごろからのきちんとしたしつけや親自身のきちんとした生活態度が、子供の望ましい性格形成になくてはならないものなのです。
★【登校・登園】を嫌がるとき★
~親は感情的にならないこと~
子供が登校・登園を嫌がるのにはいろいろな原因があるでしょうが、その多くは子供にとって学校や園で何か嫌なことがあったということでしょう。
しかし、少なくとも、小学校の低学年児や園児の段階では、あまり重大の原因と思われるようなことは多くはないでしょう。友達に何かチョットされたとか、先生にチョット注意されたとか、たいしたことでないことが多いようと思われます。
そのようなときに、親が過度に心配したり問題にしたりすると、かえって問題が大きくなってしまいます。子供の受け止め方も、主観的でオーバーなものであることがありますから、親はできるだけ冷静にそして客観的に考えてあげなければなりません。親も一緒になって、感情的に受け止めると、子供の学校や園に行きたくないという気持ちはますます強まってしまいます。
親が冷静に受け止めてやれば、子供の気持ちも落ち着いて、学校や園に行けるようになるでしょう。
~本人の行く気持ちが大切~
子供が泣き叫んで嫌がるのを無理やりつれて行くということは、原因が何かということにもよりますが、あまりよいこととは思われません。学校や園を嫌う気持ちをかえって強めてしまう恐れがあります。本人も行かなければいけないという気持ちを持っているはずですから、子供自身の気持ちから行くようにしむけることが大切なのです。
登校・登園を嫌がるのには、学校や園での人間関係に問題があるということと同時に、子供自身にも問題があるということも言えます。ちょっとしたことにも耐えられない、嫌なことをがまんできない、自己を主張できないなど、弱い性格が原因しているということもあるのです。
これまでいろいろ述べてきたように、「がんばる」子供を育てるしつけに何か欠けているものがあるのではないかと思われます。
~精神的な安定を~
繰り返しになりますが、最初に述べたように、自分はできるという有能感、努力することの大切さの認識、そしてなによりも大切なこととして、親や友達に認められているという認識から生まれてくる精神的安定感をもっているならば、このような問題は生じてこないでしょう。
しかし、現実には、強度の登校拒否を示す子供たちがいるということが事実です。
このような場合には、その原因について冷静に考え、それに応じて慎重に対処することも必要ですが、問題の重要さによっては、教育相談所などの専門家に相談することも必要です。
いわゆる素人療法で問題を悪化させることのないように気をつけなければなりません。
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