自分らしく生きて行けたら

自分らしく生きて行けたら

入院


 はじめは一人部屋に入れてもらえた。一人というのは寂しい反面楽だった。ただ、ここまで悪化してしまったことや、精神的にもまいってしまったこと、自分のことしか考えられないこと・・・いろんなことが悲しかった。
 入院してもすぐに改善ということはなかった。特別な薬を使うわけでなく、今までと同じ様にシャワー後のイソジン消毒がメインだった。眠り薬を強い物に変えてもらったが、それでも5時頃まで眠れなかったので、飲むことはやめた。抗アレルギー剤も症状がひどすぎて効果がないらしいので止めた。体の表面はとても熱いのに、体の芯が寒いという日が何日か続いたが、氷枕を使った程度。
 入院して楽だったのは、ご飯が運ばれてきたこと。浸出液が出るので肌に当てていたガーゼを使い捨てに出来たこと。家族と離れたので、自分のことだけすれば良くなったこと。掃除は布団の周りだけ。院内の耳鼻科へ歩いて通えたこと。こんなことだろうか。精神的に楽になったことは言うまでもない。

 数日後、4人部屋に変わった。そして、同じ脱ステの患者さんが同じ部屋に入院された。同じ症状で苦しむ人同士が話をするとことで、気持ちが楽になった。主治医は私に、似た境遇の方と会わせてくれて、話をさせてもらった。苦しみながらも良くなっている人を見ると、ちゃんと治るんだという自信につながった。うらやましかったし、早くそうなりたいと思った。

 耳の方は入院後、両耳がおかしくなり、外耳炎・中耳炎・真菌症を併発し、聞こえ辛くなった。検査結果によっては鼓膜切開と言われたが、何とか難を逃れた。

 約一ヶ月後、退院する頃には肌はかなり良くなっていた。一山越えたんだ。このまま良くなっていくかも!と希望を持って退院した。


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