すーさんのアトピー&アレルギー日記 ~漢方薬で治るまで~

医者その2:地元の「名医」

医者その2:地元の「名医」



亜鉛化軟膏を塗っても湿疹が治らず。
肌は鮫肌のようにカサカサしっぱなし。
友人に相談したところ、地元に皮膚科の「名医」が居るのでそこに行ったら?と勧められる。
マンションの一階にある小さな皮膚科。
優しそうなおじいちゃん先生が出迎えてくれました。

裸のすーさんを丁寧に見た後、

「あー、これは石鹸や変な薬に皮膚がやられた結果こうなっちゃったんだよ。
本当のアトピーじゃなくて、アトピーもどきだ。
ステロイドを塗りなさい。
ステロイドは悪魔の薬とか言われてるけど、あれはマスコミがでっち上げたんだ。
誰がでっち上げたかわかるか?久○宏だよ。久○宏。
ほんとうはね、ステロイドって言うのは「神の薬」なんだよ。
怖がらずたっぷり塗りなさい。
塗ったら1日2日で湿疹が消えるから。
もしまた出てきたら、また塗りなさい。
そうするうちに間隔がだんだん開いてきて、気がついたら湿疹が出なくなってるから。
あと、泡の石鹸も良くない。
泡じゃなくて、固形石鹸を使いなさい。
香料?君は香料で問題あったことある?無いでしょ?香料入ってても大丈夫だから。
風呂も38度以下のお湯に長くつけるようにしなさい。云々」

・・・そう。この名医は究極のステロイド肯定派だったのでした。

薬はもともと出来る限り少なく使うという方針で育った私だったので、「ステロイド」と聞いただけで拒否反応が出たのですが、「名医」という名声と、名医様ご本人の勢いに負けて、「本当のアトピーじゃないなら・・・」とステロイドを使い始めたのでした。
ステロイドと、保湿クリームをもらったので、早速その日の夜に先生の言うとおりにしてみました。

次の日。かさかさだった皮膚はしっとり。
「こんなきれいなすーさんの肌、見たことないよねー」
と、このまま治るのだろう、名医にみてもらって良かった、やっぱり名医はすごいと、夫と二人喜んでいたのもつかの間。
次の日には、また同じように湿疹が出ていました。
そしてステロイドを塗る。出る。塗る・・・・
肌のカサカサも復活しました。
保湿剤を塗らないとカピカピでどうにもならない。
Suは保湿剤とステロイドなしでは生きていけないのだろうか?
間隔も開くといっていたのに、広がっていく一方。
不安に思った私は、もう一度名医様の元へ。

「ステロイドちゃんと塗っているの?怖がっちゃダメだ。ちゃんと塗らないとこうして出るから。」

といわれ、ステロイド以外のお薬を頂ける訳でもなく帰ってきたのでした。

しばらく疑問を抱きながらも、名医様の指示通り出る、引く、出る、引くの繰り返しの日々を送っていました。
これを始めて一ヶ月ほど経ったころ、旦那が中国へ約半年の長期赴任に行ってしまいました。
出産後一度も実家へは帰っていなかったので、久々に浜松へ里帰りしました。

この頃は、首のくびれたところはすぐに膿んで切れてしまう。
耳切れも酷い。
湿疹はステロイドを塗らないとひざやひじの裏、胸の辺りに絶えず出て、皮膚は顔もカサカサ。
ミルクを飲むとなぜか顔がまっかっか。
そんな状態でした。

浜松の実家では、築2年程度のマンションに居候。
しばらく使っていなかった部屋にすーさんと二人で寝泊りすることになりました。

浜松に来てから、すーさんの皮膚調子が神奈川に居た時よりも悪くなっているのが気がかりだったので、アトピーの本でも読もうと、本屋に立ち寄ってみました。
そこで手に取ったのが「アトピー 悪化への道 治癒への道」という一冊の本。
本の内容には賛否両論あるとは思いますが、ステロイドの恐ろしさだけは充分に認識でき、今までこんな小さな愛する我が子に使い続けてしまった自分を恨みました。

その日の夜から、ステロイドを使うのをぴたっと辞めました。

そして2日経った日の事。

すーさんの体・・・頭からつま先まで真っ赤な湿疹が噴き出すように現れました。
全身をかきむしるすーさん。
夜もかゆくて眠れないすーさん。
どうしてこんなことになってしまったのか?
私がずっと妊娠中も仕事し続けていたのが悪かったのか?
かわいそうなすーさん。
何も出来ない私は、ただひたすら昼も夜も彼を抱き続けてあげることしか出来ませんでした。

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