ここ読め本本!!―レビュー&書評―

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エモーショナル・プレゼンテーション



こんにちは、もっちーです。
「論理」と名の付くものが大流行ですね。

書店に並べられた本のタイトルを見れば
その時代の「流れ」がわかるといいますが、
この「論理的思考」「ロジカルシンキング」
といったタイトルの多いこと多いこと。

グローバル化が進み、「自己主張」なくして
国際社会を生き残れなくなった…そんな
現代日本の情勢を見事に露呈しています。

そんな今だからこそ、警告したい「論理」の危険。
そんな今だからこそ、振り返って欲しい「感情」の大切さ。


■「プレゼン」の2型

プレゼンテーションにはそもそも2種類ある、
ということをご存知でしょうか。

何も「ロジックツリー」や「MECE」で丸め込めた
左脳的「ロジカルプレゼンテーション」が全てではありません。

もう1つは右脳的「エモーショナルプレゼンテーション」(造語)。
イメージ喚起力を駆使して、人間の感情に直接訴えます。


■「スープストック」誕生秘話

1つ例を挙げましょう。

「スープストック」という店をご存知でしょうか。
都心部でよく見かける、スープをチョイスして
手軽に飲むことができる、冬のホットスポットです。

この「スープストック」の生みの親である遠山氏は、
三菱商事にこの事業を提案する際、
「スープのある1日」と題して、朝起きてからスープを
食べるまでをストーリーにしてプレゼンしたといいます。

言うなれば紙芝居のようなもの、論理どこじゃありません。

しかし結果はご存知の通り。おかげで僕らは真冬の寒い日に、
いつでも手軽に「スープ」の恩恵を享受できるようになりました。


■右手に「論理」、左手に「感情」

もしこの提案が「ロジックツリー」や「MECE」を使い、
淡々と語られたらどうでしょうか?「なるほど」とは思っても
感情を突き動かされ「ぜひやりたい」と思うには至らないでしょう。

要は訴える相手と、その内容を考慮した上で
「ロジカル」「エモーショナル」と表現方を使い分けること。

これって、もちろん人間関係だって同じです。

論理的思考力抜群の上司を説得するのに、
「朝起きてからの流れ」をストーリーにして
一々説明している暇なぞありません。

そこでは必要なことを最小限にまとめ、
「MECE」で効率的に伝えるという努力が必要になります。


■愛の告白に「ロジックツリー」!?

反対に、好きな人に告白するときに
「ロジックツリー」を使う馬鹿はいないでしょう。

そうではなく、大切なのは「イメージ喚起」。

「君のこんなところを好きになって…
 クリスマスはこんなトコで一緒に過ごしたくて…
 年をとっても二人でこんな会話をしてたくて…」

さながらスクリーンに映し出されているかのごとく
具体的かつビビッドに、相手の「感情」に訴えることす。

今目の前にいる相手を動かすには
「論理」と「感情」、どちらに訴えかければいいのか?

「ロジカル」「エモーショナル」という、
キラリと光る2つの短剣を
常に懐に忍ばせておきたいものですね。


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