砂菩に詠む月

砂菩に詠む月

Doll's

Dolls[ドールズ] 【BCBJ-1320】 =>20%OFF!《発売日:03/03/28》
Doll's(北野武)

ジャンル恋愛 2004/02/02



出演 菅野美穂 西島秀俊 深田恭子 他

この映画にいくら出せますか? 500円~~1500円


近松門左衛門の『冥土の飛脚』の出番を終えた忠兵衛と梅川の文楽人形。その視線の向こうに、3つの愛の物語が展開する……。

赤い紐で体と体を結んだ"つながり乞食“の佐和子と松本。かつて、松本は佐和子の愛を裏切る形で別の女性と結婚しようとしたが、そのショックで佐和子が精神のバランスを崩したことを知ると、彼女を病院から連れ出し、以来、ふたりはあてどもなく彷徨い歩き続けていた。ある日、友人たちに婚約を公表した思い出のロッジへと辿り着いたふたり。しかし、そこを追い出された彼らは、雪山で足を滑らせ崖から転落してしまう。

迫り来る死期を感じ取った老境のヤクザの親分は、ふと思い立ち、とある公園へと出かける。そこは、若い頃に愛した良子と毎週土曜に逢瀬を重ねた思い出の場所だ。思いがけず、今も彼を待ち続ける彼女と再会を果たした親分。彼は、正体を明かさず彼女と会うようになるが、ある日、ヒットマンによってひかれてしまう。


交通事故で左目を失い、芸能界引退を余儀なくされたアイドル・春奈の元に、デビュー当時からの熱心なファンで、誰にも顔を見られたくないと言う彼女の気持ちを慮るあまり自らの視力を奪った温井が訪ねて来た。久しぶりの再会。春奈は、彼のことを憶えていてくれた。だが温井の幸せも束の間、彼は交通事故で轢死してしまう。


音楽☆☆☆☆☆ ストーリー☆☆☆☆☆ 映像・演出 ☆☆☆☆☆ 俳優☆☆☆ 総合評 ☆☆☆☆



コメント ものすごく良いので2回繰り返し見た。



どちらかと言うと、偏愛映画とも受け取れる。3組の恋愛が描かれるが、1つ、いわゆるオタク。アイドル内田春奈(深田恭子)の追っかけの男(いい年した)が交通事故で引退した春奈に寄せる想いに共感し、またそこまで出来るか?自問した。


彼はなんと!彼女の写真集から、お気に入りのUPの顔写真を、残像トレーニングしてまで瞼に焼き付け、自分の目をカッターで潰し盲目になる。傷ついた彼女の顔を見ないようにするために...


その後ついに彼女と2人きりで会うことが許され手を引かれながらデートらしきことも出来たが、ひき逃げ事故で死んでしまう...!


ここまで人を愛せるか?例え偏愛だとしても。自問してしまう。もちろん、答えは出てこない。


他の2組もそれぞれ強烈な過去の別離からどちらかが、心にトラウマを抱えたまま その想いに執着する。1度邂逅を得るが、一人はヤクザの親分という立場のため射殺され、彼女は一人残されたまま。事の真相も知らずに。


主人公の一組は、男の婚約破棄が原因で自殺未遂から精神傷害に陥った彼女に、純愛を懸け、自らの責任を全うするため、流浪の旅に出ることに為っていく。

彼女を守るために2人は乞食暮らしをしながら四季のなかを歩きつづけ、遂に冬の雪山で滑落し崖につるされたまま死を待つ身となる。

ただし、このカップルだけが添い遂げる事になったが。はたして報われたのだろか?


極端に台詞の少ない芝居。極めて静かで美しい映像と、物悲しくもやはり美しい音楽で綴る物語。


泣きたいくらい悲しい美しさだ。
北野組のセンスが光る逸品だと思う。



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