蘇芳色(SUOUIRO)~耽美な時間~

「スタンドアップ」



「スタンドアップ」は映画館に見に行きたかったのですが、なかなか時間がとれず、結局見に行けなかったので、早々のオンエアはうれしい限り。
でもこの作品はR-15指定・・・そう15歳以下のお子ちゃまは見てはいけないんです。
で、我が家のお子ちゃまたちを寝かしつけ、こっそり(笑)夜中に見ました。

「R-15」という文字が脳裏に焼き付けられていたので、『「親切なクムジャさん」みたいな残酷なシーンがあるのかしら~?』、『すっごいセクシーシーンがあるのかな~?』など、いろいろ考え、寝ているお子ちゃまたちを気にしながらの視聴。(笑)でもストーリーが進むにつれ、そんなことはすっかり忘れて、映画の世界に引き込まれていきました。

何と言ったらいいのでしょう。う~ん、テーマは韓国映画「チャーミング・ガール」と似ているかもしれませんね。ヒロインの再生を、「スタンドアップ」ではハリウッド的に、「チャーミング・ガール」ではアジア的に描いたという感じです。



ストーリー

DV夫に殴られ、怪我をしたジョージーは息子と娘を連れて故郷に帰ってきた。しかし保守的な炭鉱町の人々は、父親の違う2人の子どもを連れたシングルマザーのジョージーを否定的な目で見る。炭鉱で長年働いてきたジョージーの父親も、同じように彼女の生き方を認めようとしない。
そんな彼女の力になったのは、旧友のグローリーだった。彼女は病弱な夫の代わりに、長年炭鉱で働いてきた。子どもを育てるために職を探すジョージーに炭鉱の仕事を紹介したのも、グローリーだった。
炭鉱で働き始めたジョージーを待ち受けていたのは、自分たちの職場に女性が入り込むのを快く思わない、同僚男性たちの嫌がらせだった。職場には卑猥な落書きがあちこちにあり、ロッカーの中にしまっておいた弁当箱の中には、あるものが押し込められていた。そして下品なヤジ・・・。数え上げればキリがない嫌がらせにも、そこで働く女性たちはじっと我慢し続けてきた。異議を唱えれば、状況はますます悪化するだけ。ただ黙って耐えれば、職を失うことはない・・・と。
しかしジョージーは立ち上がった、たった一人で。



ストーリー運びは、ハリウッドらしく(笑)とてもわかりやすく感情移入もしやすかったです。涙のツボもきちんと押さえられていて、感動する場面もちゃんと用意されています。よく出来た作品ですが、ヒネクレモノの私は、その用意周到さが逆に物足りなさを感じました。すみません、贅沢でわがままな映画ファンなんですわ。
特にジョージーの父親が、急に改心するところ。妻(ジョージーの母親)の家出で、ころりと宗旨替えするなんて・・・。それとも表面上は娘に反対していたけれど、心の中ではそうではなかったのかしら?もちろん父親なんですから、娘が可愛くないわけがないんです。それでも組合の総会?で、いきなりのあの発言。よっぽど妻の家出が応えたのね。

実話をもとにしているというのには、驚きです。こういう現実が実際に、それもつい最近、あったなんて・・・。女性の権利については、アメリカは日本よりずっと進歩的だと思っていたのですが、そうでもないのでしょうか・・・?ま、日本も某大臣が「女性は機械」発言をしていますからね・・・。どこの国もそれが現実なのでしょうか・・・。

タイトルの「スタンドアップ」は、ヒロインが劣悪な状態を打破しようと立ち上がる・・・という意味合いだと思っていたのですが、それ以外にも「立ち上がる」場面がありました。なかなかのタイトルです。
そうそう監督は、「クジラ島の少女」で話題になったニキ・カーロ。この「クジラ島の少女」もとっても見たい映画のひとつだったんですよね~。まだ未見だけど。彼女、いい作品をどんどん作っていってくれますね~。注目していきたい監督です。


私事なのですが、実は新年度からあるお役目を担うことになりまして、今から『私にできるかな~?』と少々不安な心持だったのですが、「スタンドアップ」を見て、ジョージーに勇気付けられました。逃げ腰ではダメ、私も立ち上がらなくっちゃ・・・と思いましたよ~。ファイティ~ン>じぶん



「スタンドアップ」の公式サイトは こちら


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