蘇芳色(SUOUIRO)~耽美な時間~

「ピカ☆ンチ」




実は内容には、あまり期待していなかったんですよね。
翔クンは、すっごいリーゼント姿のヤンキー役だし、潤クンはなんだかひ弱なボンボンって感じだし・・・・。『相葉ちゃんとニノは、まあ見られるかな~』な~んて軽い気持ちで観始めたんですけど、これが脳天直撃に面白く感動しちゃいました。

原案はV6の井ノ原くんだそうで、平凡な男子高校生たちの日常を描いているのですが、なぜか惹きつけられるんですよね。

なぜなんだろう・・・。

まず、「ピカ☆ンチ」ではサブタイトルの「LIFE IS HARD でもHAPPY」に『そうだよね~』と納得しながら、平凡な高校生 岡野瞬 シュン(相葉雅紀)の日常を追体験します。その中で、彼の友人たちが次々と登場してきて、そのキャラの濃さにぐんぐん視聴者は「八潮団地」に吸い込まれていき、まるで自分の第何号棟かに住んでいるような気分にさせられるんです。


貴田春彦 ハル(大野智)・・・気が弱く、八潮団地でもっともツイてない男の子。団地からの投身自殺を目撃する回数が多く、その気弱な雰囲気からキャッチセールスに引っかかりやすい。新聞配達の途中で見初めた女の子がいるが、なぜかその子の母親に気に入られてしまった。


鴨川忠 チュウ(櫻井翔)・・・暴走族鮫川一家の現総長。原チャリで八潮団地内をぶっ飛ばしている。金髪リーゼントに特攻服姿で決めている。


恩田琢磨 タクマ(二宮和也)・・・スケボーが大好きな少年。八潮団地の中でも貧乏棟といわれている第2棟に両親と住んでいる。クールかつ大胆な性格で、5人のリーダー格。物語の後半で、サラ金に借金をした父親に愛想をつかした母親が出て行き、肉体労働を始めた父親と2人暮らしになるのだが、琢磨にさらなる不幸が襲い掛かる。涙なしには見られない。


二葉廉太郎 ボン(松本潤)・・・八潮団地内の高級所得者が住んでいる第7棟に住んでいるが、誰にでも公平に接する気のイイ奴。父親の経営するレストランの関係から、ベトナム人家庭にホームステイ?する。


男の子が観たら、登場する5人の高校生の中で、一番自分のキャラに近い人物になった気分になってしまうかも。女の私の場合は、好きなタイプの男の子を目で追うような感覚で見ていたんだけど。(笑)

大人の世界の醜い部分の象徴・・・屋形船での宴会に興じるおっさんたちを見て、「オレは絶対にあの船には乗るらねぇ」と5人が言い、屋形船に向かってズボンを下ろし、「おしりペンペン」って叫ぶところは、笑いながらも、今大人の世界に生きている私に対して、「で、お前はどうなの?」と聞かれているようで、ちょっとドキッとしましたね。


物語は瞬を中心に展開していくんですけど、それぞれのエピソードが可愛らしくて、微笑ましく感じました。
原宿で一目ぼれした女の子みくに、どきどきしながら電話をし、デートの約束を取り付け・・・。デートコースを考え、みくに翻弄されながらも、青春を謳歌している瞬を相葉くんは伸び伸びと気持ちよく演じていましたね。とても好感が持てました。
ツッパっている忠も、実はとても優しくイイ奴で、頼りないハルもボンも、クールなタクマもお互いを信頼して、助け合っている姿に、じ~んとしました。

嵐のみんな、とってもいい味だした演技をしています。

「LIFE IS HARD でもHAPPY」という言葉が胸に刻まれ、私が遠い昔に忘れてしまっていた、ちょっぴり切なく甘酸っぱい気持ちを思い出させてくれた作品でした。



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