蘇芳色(SUOUIRO)~耽美な時間~

「さくらももこ原画展」




大阪梅田大丸で開催中の 「さくらももこ展」 にお子ちゃまたちと行く。

JR大阪駅の地下道に、面白い絵が描かれていて、子ども達は大喜び。
地下道の両脇に、まるでお店があるように「だまし絵」が描かれていて、とてもリアル。
ドアの絵には、ちゃんとノブがついていて、女性が半開きのドアから中に入ろうとしている。
思わず本物かと思ってしまうほど。

「さくらももこ展」に行くまでに、地下道で満足してしまった子ども達。(笑)

しかしせっかくここまできたのに、帰るわけには行かない。
いざ、大丸梅田店15階へ。

ちびまる子ちゃんが大好きな子どもたちは、大喜びで会場に入る。
ちびまる子ちゃん以前の さくらももこさん の作品の原画には、ちょっと戸惑ったようだが、ちびまる子ちゃんの原画が並ぶと、熱心に見入っている。
しばらくすると人が多くて、少し疲れたのか、次女は椅子に座りこんでいる。
長女の見るスピードと、他の人のスピードが合わないらしく、彼女はうろうろと人の後ろから作品を眺めている。

そんな子ども達を横目に、私は初めて見るさくらももこさんの原画の精密さに驚いていた。

ここに来るまでは、『アニメのように、お子様向けの原画なのかな~』と思っていたのだが(失礼!)実際にさくらさんの絵を見ると、そんな思いは吹っ飛んだ。

さくらさんの原画は、精密で色彩が鮮やかで、美術品として充分に鑑賞できるものだった。

初期の作品は、ほのぼのタッチで、素人よりもちょっと上手という感じだったが、年代順に見ていくと、彼女の腕がどんどんあがっていくのが手にとるようにわかる。

細部まで神経を使って描かれた作品を、自宅に飾ってみたいなぁ~と思った。
特に気に入ったのが、おじいちゃんとまるちゃんが仲良くてをつないで歩いているイラスト。
夕方らしく、空が紅に染まっている。
まるちゃんたちが歩いている歩道の横は、野原。
雑草が生えている。
車道には黄色い車、緑のトラック。
おじいちゃんとどこかに行っていたのだろうか、まるちゃんは満足した表情でおじいちゃんを見上げている。
おじいちゃんも、とても優しい表情でまるちゃんを見ている。
しっかりとつながれた2人の手。
夕日を背に歩く2人の影は長くの伸び、おだやかな空気を感じることができる。

我が家の長女と私の父(長女のおじいちゃん)にそっくり。
まるちゃんには甘いおじいちゃん、というのも一緒で、思わず笑ってしまった。
同じ絵の絵葉書があったので、我が家用と父へのプレゼント用に2枚購入。

原画のほかに、さくらさんが仕事とは別にプライベートで使っているものたちが展示されていた。
何気ない箱に、彼女のイラストを描いた紙を貼っているだけなのだが、とてもおしゃれ。
ゴミバコにも、さくらさんのイラストが描かれていて、素敵だった。

高価なものを集めるのではなく、身近にあるものでも工夫しておしゃれに快適に暮らそうとする姿勢が感じられて、ちびまる子ちゃんを大いに見直した展覧会だった。

2005年2月9日~2月20日 大丸ミュージアム梅田




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