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2006年02月07日

幸福で不幸な夫婦の食生活

(4)

テーマ：夫婦のつくりかた？！(462)

カテゴリ：健康・食事

幸福そうな二十代の夫婦を観た。

ご主人は奥さんと結婚して、「ずっと好きな女性と居られることに幸せを感じている」という。
年上の奥さんも、自分がとことん年下の旦那さんから愛されていることに不満はない様子。
そのことをひけらかしはしないものの、その落ちついた佇まいから「自分は夫から愛されている」という自信がにじみ出ていた。

この夫婦を観た多くの人が「いつまでもお幸せに」という祝辞を述べたくなるだろう。

だが、私には言えない。
他人の幸福がねたましいわけではない。
この夫婦の未来が見えてしまったからだ。

それは「幸福な夫婦生活はいつまでもつづかない」という一般論での意味ではなく、もっと深刻な意味でだ。

幸福の中に潜む不幸の因子

不幸の因子は夫の食生活にある。

夫の好物はハンバーガー、ピザ、チーズ、フライドポテトなど高カロリーなものばかり。
コーラが大好きで、１日1.5リットル、水代わりに飲んでいるという。
おかげでどんどんお腹がふくらんで来たと言いながら、上着をめくり、ギョッとするようなお腹を見せた。

「死んじゃうよ！」

私は心の中でそう叫びながら、この夫が今、まっしぐらに死へ突き進んでいるように思えた。

だが当人は「デブになっただけ」といっこうに気にする様子もない。
好物を食べながら、コーラを飲み、愛する奥さんといっしょにテレビを観るのが最高の幸福だと至福の表情で語る。

奥さんも奥さんで、夫につられて食べるようになり、「困っているんですよ」と笑いながら順調に体重を増やしているという。

どうやら二人とも、「幸せな夫婦」が「幸せなデブ夫婦」になるだけで、今も将来も幸せであり続けると高をくくっているようだ。

食べ物が人の精神にどのような影響を及ぼすのかについての予備知識があれば、今は人なつっこいウォンバットのような夫が将来どのように豹変するか、ある程度の正確さで想像できる。

もちろん私は霊能者でも超能力者でもないので、この夫婦の行く末はわからない。

何かがきっかけで食生活の改善を本気で実践するようになることを祈っている。
ただ今のように幸せに目隠しされた状態で快楽を追求しつづけていれば、そう遠くない将来、その幸福は破綻することになる。

この夫婦は幸福なのか、不幸なのか。
きっとその両方だ。

そしてしばらく経ってから、それを知ることになることが。

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