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FIAT・Ritmo 105TC




フィアット・リトモ105TC

 このクルマを購入する頃には既に外車にしか興味がありませんでした。
それもイタリア車であるアルファロメオにお熱でしたが
お約束のごとく高くて手が出ません。
そこで知り合いのお兄さんに何度か乗せてもらいクイックなハンドリングに
魅力を感じていたイギリスのミニを買うことにしたのです。
ちょうどいい具合にフルチューンされたミニ1000を発見し
購入すべく手付け金まで払った当日にリトモと出会ってしまったのです。

リトモ というクルマは既に知ってはいましたが、
とくにカッコイイわけでもないそのクルマに魅力を感じることはありませんでした。
でも、その時に出会ったリトモは当時まだ珍しい派手なフルエアロと
ピレリP7なんぞを装着しておりました。
試乗させてもらうことになり早速乗り込みキーをひねってエンジンが目覚めた瞬間
僕はもうダメでした。
ダウンドラフトのツインチョークウェーバーによる派手な吸気音と
マルミッタ・アバルトの排気音、そしてツインカムエンジンの鼓動!
ダメに決まってるじゃないですかそんなもん・・・。
即、ミニの購入をキャンセルしリトモの購入を決めました。

 しかしながらこのリトモはとにかくじゃじゃ馬で
必死でハンドルを握っていないとどこに飛んでいくのかわかりません。
晴れの日ですらそんな感じなのだから雨など降ろうもんなら死を覚悟しました(笑)
日本車もそうでしたが初期のFF車は危険な乗り物でしたね。
おかげでしばらくFF車がトラウマとなりました。

 そして、このリトモもイタ車お約束の電送系トラブルに見舞われました。
雨が降るとワイパーが止まる(ワイパーの意味なし)ライトが消える
もちろんエアコンは動かない。
まぁイタ車だからそんなもんでしょ! なあんて諦めの境地に達しておりました。

 それでもリトモの魅力はなんといっても古典的なツインカムエンジンで
とくにウェーバーキャブなんて付いていたせいか低速ではまったく走りませんが
パワーバンドに入った瞬間の2ストローク的加速感とウェーバーの官能的な音は
ほろ酔いどころか泥酔状態。ヘロヘロでした。

 そんなリトモでしたがリッター4キロという燃費の悪さや
気が抜けない操作感などに疲れ約1年ほどで手放すこととなりました。
委託という形で中古屋さんに渡すとすぐに買い手が見つかり
僕の手から離れていきました。
最後に中古屋さんから
「あの~、これエアコンが動かないんですけど壊れてるんですか?」
という電話がありました。
僕は「使ったことないから解りません」と答えると
「そうですか。まっ、イタ車はこんなもんだからいいんですけどね!」
なんて笑っていました。
イタ車っていったい・・・。

 何があっても「イタ車だから」って笑って許されるイタリア車っていいね。
フィアット・リトモ105TCは、あの頃の僕にはあまりにも大きすぎる宝物でした。



※下記の画像はイメージ画像で僕が乗っていたのはガンメタです。

リトモ


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