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竹久夢二「遠山に寄す」

竹久夢二 遠山に寄す

「遠山に寄す」
作 者:竹久夢二
制作年:昭和6年(1931年)
画 材:紙本着色、屏風
サイズ:132.0cm×133.4cm
所 蔵:夢二郷土美術館

静岡市の駿府博物館に、大好きな竹久夢二の追想展
(2003年10月17日~11月16日)を見にいきました。
生誕120周年を記念して、
全国を巡回している作品展なので、
内容が充実していて、どの作品も、完璧な出来映えです。

そのなかで、特に印象に残ったのは、山高帽をかぶり、
黒っぽい服を着た、夢二らしき男の人が、
川をはさんで向こう側の山をながめている後ろ姿を描いた
数枚の作品でした。
季節は冬。女の人が寄り添っている絵もあれば、
ひとりで立っている絵もあり、人物はいなくて、
木だけが描かれている作品もありましたが、
見ているうちに、この木にも、
夢ニの心が託されているように感じられてきました。

図録の解説によると、夢ニは、漂白のすえ、
群馬県の、榛名山をのぞむ榛名湖畔を気に入って、
何度もおとずれたとか。
また、恋人の彦乃さんを「山」、
自分のことを「川」と呼んで、
ひそかに手紙を交わしていたとも。

さきほどの作品のひとつは、
昭和6年、48歳のときの作品で、
夢ニは51歳で亡くなりましたから、晩年の作品。
こういう作品が気にかかるようになった私も、
年をとったのかなぁ~
なんて、おもってしまいました。
ちょっとショック…

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