Shiny Night

Shiny Night

2005.04.19
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カテゴリ: アニメ関連視聴記
BSを何気に見ていたらやっていた 今敏(こん・さとし)監督のアニメ映画『千年女優』
公開当時は神戸の「シネリーブル」まで行って、見たっけ・・・。

今敏監督は監督としてはまだ寡作な方ですが、その前から私が見てきたアニメ作品と縁があって、監督としてのデビュー作『PERFECT BLUE』で衝撃を受けて、それから個人的に注目している監督さんです。

今監督の特徴を一言で言うならば・・・ 「『現実感』の中の『非現実感』の表現が巧み。」 といったところでしょうか。(この一見矛盾しているような世界観がポイントです。)

その監督の特徴がこれまでに1番色濃く出ているのが、この『千年女優』という作品だと思います。

簡単にストーリーを書くと・・・

一昔前、花形のスターだったのにもかかわらず突然その世界を捨て銀幕から姿を消し、今は山奥でひっそりと暮らしている伝説の大女優。
それまで誰の取材も受けなかった大女優が、大女優・大ファンの小さな映像制作会社社長の取材を初めて受け入れる。

家にやってきた社長とカメラマンの前で、彼女は「思い出の品」と共に生きた自分自身のこれまで人生を語り始めるのであった・・・。

思春期の「刹那な出会い」から始まった激動の人生。
「女優」という華々しい生き方すらも、その人生の「夢の手段」でしかなり得ていない人生。
その狂気にも似た純粋なる想い が、それまで大女優が演じてきた非現実な映画作品世界と現実を行き来しながら語られていきます。
その世界に入り込んだ社長が「狂言回し」となり、カメラマンが(観客側に近い)ツッコミ役・・・このやりとりもまた面白いところです。
またこの辺りの場面展開のテンポの良さが今監督の持ち味でもあり、視聴者の心を惹きつけます。

そしてそのテンポを生かすのが平沢進の音楽。
エンドクレジットに流れる主題歌がすごくよいのですが、実は平沢氏の既存の曲であったこの曲を今監督自身が逆指名し、その流れで平沢氏が音楽を担当されることとなったとか・・・その逆指名は正解だと思いますよ。


そしてラスト。
「夢の結末」が明らかになり、そして・・・後は見てのお楽しみです。

しかしここからは私見ですが、正直この作品は 1番ラストのセリフの解釈の仕方で全てが決まると思います!



あまりの衝撃でひっくり返りそうになりました。


だからこの作品はここまで書いておきながらなんなのですが・・・別の意味で「見てほしい作品」で、逆に皆さんの感想やラストのセリフの解釈の仕方を聞いてみたい作品なのです。

・・・ということで、 私の「今敏監督でのオススメ」は前出の『PERFECT BLUE』か、この後に監督され、一昨年の公開だった『東京ゴッドファーザーズ』ですね。

<自己評点=8.0 (10点満点+α)>







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Last updated  2005.04.23 17:40:26
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