アメリカ人て、モスバーガー好き?


その理由はカンタン、晩ゴハンの仕度に
とりかからないといけないから。

私はこれでも日本にいた頃は、
自分のことを料理上手だと思っていた。

だが、結婚したのはアメリカ人。
夫は、基本的に和食というものに興味がない。
だから、肉じゃがとかアサリの酒蒸しとか
私のお得意料理の出番がない。
したがって、作るメニューといえば
彼の好みが中心となる。

(その代わり、朝昼は私と子供たちだけで
 好きなものを食べているんだけど。)

しかも、うちの夫は、こと食べ物に対しては
からきし度胸がない。
週末などはよく外食に行くのだけど、
例えば、このレストランではBBQリブ、
あのレストランではチキンクレオールなどと
毎回毎回、同じものをオーダーする。

(だから、メニューは見る必要がないのよ)

ホント、いつも同じものばっかり食べて
よく飽きないなぁと感心してしまうくらい。

この傾向はうちでも同じ。
私は、今度はこれに挑戦してみようとか
けっこう冒険するたちなので、

(それでよく失敗もする。アメリカ料理って、
 はずすとトコトンまずかったりするんだ。)

レシピ片手にいろいろ作ってみるのだけど、
いまいち夫のノリが悪いのではりあい無し。

とにかく、昔から食べてるものを食べていれば、
それで幸せな人。

だから、
スシなんてぇ! 生の魚を食らうなんてぇ! 
もちろん、夫には考えられないこと。
中でも彼にとって超最大級なのが、イカとタコ。
吸盤がニョキニョキとしてるのを考えただけで
ダメなんだと言う。
まあ、食文化の違いだからと私も割り切っている。

そんな夫が初めて日本に行った。
私と結婚したから、家族に会うということで。
でも、案ずるより産むが易し。
ロイヤルホスト(ファミレス)やモスバーガーで、
「うま~い!」を連発していた夫。
何も和食だけが日本食ではないと気がついた。

調子に乗った夫、あげくの果てには、
「僕は日本に住めます!」
などと、私の両親をヌカ喜びさせる始末。
ただの感激屋のアメリカ人なだけなのに。

が、悲劇はすぐに訪れた。
滞在中、身内を集めてホテルでちょっとした披露宴を
やった時のこと。
うちの両親、なんと和食のコースを選んでしまった。
もちろん、出てくるのは海老のお造りにタイのお頭、
夫の食べられないものばかり。

食い意地の張っている夫にとっては、
なんとも耐えがたいことだったらしい。

各テーブルを一回りして、席へと戻ってくれば、
そこには、口からイカをピロッと出してる夫の姿が。
そう、なんとヤツは
「イカそうめん」を食べていたのである・・・。

雰囲気とは恐ろしい。こうも人を変えさせるのか。



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