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オネーギン Day3 Part2第2幕 第2場 決闘レンスキーのソロ。実にすばらしいザイツェフ。慟哭が聞こえるようだった。オネーギン。意思を変えないレンスキーに業を煮やし、怒りのピルエット。3回転、4回転、4回転。超高速。バランキーすごい。決闘でレンスキーが倒れる。第3幕ポロネーズ。華麗なダンス。オネーギンが少々様変わりして登場する。ここの変わった!感が、イェリネクはすごくあった。別人になってた。バランキーは別人とまではいってなかった。過去の女性たちの回想。グレーミンとタチヤーナのダンス。タチヤーナに気づくオネーギン、イルジはぼーっと見て最初は気づかず2回目に気づいたが、バランキーは一発で気づく。こういう演技のほんとに細かい部分、イルジは考えつくしてやってるのだ。表情の変化にしてもまったく違った。一辺倒の演技ではオネーギンはできない。それがこの3幕。踊り終わったタチヤーナを紹介してもらおうとオネーギンが近づく。グレーミンは過去に二人が付き合っていたことを知っている。(バレエ版ではそうなる。ラーリン家で過去に会っているんだから)「こちらのご婦人は…?」「あぁ。紹介してなかったかな。タチヤーナ。私の妻だ。」「ラーリン家の」「知っていたよな。確か田舎で近所だったんじゃ。では失礼するよ。」驚愕するタチヤーナ。オネーギンはそっけなく対応される。グレーミンはさっさと妻をエスコートして行ってしまう。さっきのダンスはグレーミンのアリアみたいなもの。オネーギンに過去の思い出がよみがえる。本が好きだった少女の恋の告白。少女を泣かせてしまったこと。そしてレンスキーを撃ち殺してしまったこと…第2場 タチヤーナの私室手紙を読むタチヤーナ。「どうして今頃?」グレーミンがやってくる。鏡を覗き込んでいたタチヤーナはびっくりする。…未来の恋人が映りますよ…「いたの?」「しばらく留守にするよ」「あなた…」淋しそうなタチヤーナ。不安を感じたグレーミンは優しく踊る。手にキスし去っていく。ライリーは非常に演技うまいですね。走ってくるオネーギン。凍りつく時間。オネーギンはゆっくりタチヤーナを見る。「タチヤーナ…」歩み寄ると席を立つタチヤーナ。タチヤーナの体を包み込むようにして足元にひれ伏す。下を向いたまま片手を伸ばしてタチヤーナの手をつかむ。タチヤーナは逃げるが手をつかんだままのオネーギン。「許してください。」「どうか…」タチヤーナと手を繋ぎ、横に立つ。悲しみのパドドゥ。後ろから覆いかぶさるように手を伸ばすところ、1回目はバランキーは首筋を抱きしめていた。2回目は普通に。すがられてついに自分からオネーギンに手を差し伸べてしまうタチヤーナ。二人は床に座り込む体を反らす。オネーギンは首筋にキスしようとする。「だめ…」逃げるタチヤーナ。文机に近づこうとする。オネーギンは手をひっぱり激しく上に投げ上げる。二人の攻防。はあはあ息遣いが聞こえる。オネーギンはもうくたくただが彼女をひっぱって行こうとしている。悲しみの行進。すがるオネーギン。慟哭の表情。胸を打たれる。タチヤーナは気を失い後ろに倒れる。何度も倒れる。オネーギンは首筋に2回キスする。そして唇にキス。ついに本音を漏らしたタチヤーナ。二人の踊りはヒートアップする。タチヤーナがオネーギンの腕に飛び込みリフトされる。まるで「鏡のパドドゥ」のように…しかしタチヤーナは最後の理性を振り絞って、文机に駆け寄る。「返すわ!」「え?」「手紙よ!」「そんな、やめてくれ…」手紙を破くタチヤーナ。手紙を落としてタチヤーナにすがる。「出てって!」は1回。走り去るオネーギン。立ちすくむタチヤーナ。全幕了。あ~ハッピーエンドが見たい、と思うのは私だけでしょうか。可哀想過ぎます。
2008年11月30日
Stuttgarter BallettOnegin (Gastspiel Tokyo, Japan)Ballett in drei Akten von John Cranko nach Alexander Puschkin30 NOVEMBER 2008Tokyo Bunka KaikanBesetzungOnegin Filip BarankiewiczLenski Alexander ZaitsevTatjana Maria EichwaldOlga Elizabeth MasonGremin Jason Reillyオネーギン Day3 Part1これは好みの問題だと思う。が。私はイルジ・イェリネクのオネーギンの方が好みだった。バランキエヴィッチのダンスはすごい。100%テクニック的に完璧なオネーギン。背も高いし。ハンサム。ダークな髪色だ。しかし彼はオネーギンを演じていた。少なくともそういう風に私には見えた。おとといのフォーゲルとイェリネクは光と影、陽と陰。きょうのバランキエヴィッチとザイツェフは陽と陰。オネーギンとレンスキーが逆の立ち位置なのだ。だからなんとなくバランスが悪かった。バランキーは背が高く、アイヒヴァルトもザイツェフも小さいのでバランスが悪い。これはバレエでは実は大切なことでアイヒヴァルトは子供に見えてしまう。遠目では。バランキエヴィッチはアポロのような太陽神。しかしイェリネクはまんまディオニュソス。つまりまんまオネーギンなのだ。これはボッレとムッルの関係にも似てるけど、その人の出すオーラには種類があるのだ。私は陰に魅かれる。+++第1幕さてオネーギンの登場だ。家の陰からゆっくりゆっくり歩いてきて後ろを向く。レンスキーが促すとようやくあいさつをする。ラーリナ夫人とは初対面。鋭い目つきで一瞥し、笑顔はない。レンスキーに恋人と紹介され、オルガを見、それからレンスキーを見て「きれいな人だね」と微笑む。微笑んだもののそれは心からの笑みではない。(オペラ版ではオネーギンはいきなり初対面の姉妹を値踏みし、妹は、「馬鹿っぽい」とけなしまくるんだから…。)姉のほうに向かい鏡を覗き込む。逃げ出した娘に意外な表情。姉と腕を組み歩き出すオネーギン。バランキーのオネーギンはノーブルで慇懃無礼。一方アイヒヴァルトのタチヤーナはとても知的で芯が強い。アリシアは夢見る少女だったが、彼女が読んでいるのは経済の本じゃん?と言いたくなる。現実派に見える。二人が退出し、レンスキーとオルガが踊る。レンスキーを踊るザイツェフは名前といい顔といい肉付きといいもろロシア系。非常にうまいダンサーでバネがある。ジュテ・アントルラセなど非常に高い。テクニック的にはすばらしい。しかし小柄なので存在感がすこし薄い。再び舞台に現れたオネーギンとタチヤーナ。ここのパドドゥもオネーギンのソロも絶品だった。バランキーの踊りはザンレールは極めて高く、回転は完璧で言うことない。完璧なダンス。彼の厭世観が伝わってくる踊りだった。第2場オネーギンが鏡の中から現れる。セクシーな笑みを浮かべている。二人のダンスはスピーディでダイナミック! すばらしい!完璧なバランキエヴィッチ。圧倒的だった。第2幕実はこの第2幕は、ほんとにマクミランに影響を与えたんだねとつくづく思うほどマクミランぽい。人々が大量に舞台の上でめいめい別なことを同時平行しながらドラマが展開していく。それはすごい。書き込まれた小説のようである。映画でもこうはいかない。ラーリン家のパーティ。集団の先頭で踊り込んでくるのはレンスキーとオルガ。爺さんとばあさんとカップルが下手、ついで上手に現れる。二人連れの爺さんが奥から出てくる。若者のダンスの群れに巻き込まれながら。この爺婆集団は若いカップルを観察している。一組目はうまくいく。すると爺婆集団は拍手する。二組目が、女性が小指を突き出して男性が従うといっせいに論評する。三組目、両手に花で逃げ出した男。爺婆たちリアクション。踊りまくっているレンスキーのカップルが爺さんたちにぶつかる。コミカル。タチヤーナは婆さんを椅子に座らせてあげている。ラーリナ夫人が現れる。オネーギンが現れる。オネーギンはあくびをかみ殺して立ち止まり、タチヤーナを探している。タチヤーナは舞台の上手の手前で立っている。オネーギンがフロアーを突っ切ろうとすると爺婆たちがわらわら挨拶しにやってくる。オネーギンは全員華麗に無視する。爺さんは怒っている。オネーギンはタチヤーナと踊りだす。しかし爺婆集団に突き当たり、好奇の的なのが嫌になったオネーギンはタチヤーナをリリースする。そしてさっさと下手のカードテーブルに座る。タチヤーナは上手の椅子で、おばさんの話し相手をさせられている。なかなか抜け出せない。お友達がやってきておばさんにパートナーをあてがってくれた。心配する友達に耳打ちするタチヤーナ。「あとでね。」でもオネーギンに話しかける勇気がないタチヤーナ。オネーギンはいらいらして待っている。人々の踊りの集団が別の間に移動すると、オネーギンは立ち上がり、タチヤーナに近づく。タチヤーナはわくわくして待っている。「返すよ。」「え?」「手紙」「いらないわ、これはオネーギン様に差し上げたものです」「い…」人々が踊りながらやってくる。あわてて手紙を胸にしまい、ダンスを始めるオネーギン。バランキーはコミカルが実は得意。人々がいなくなるとまた返そうとする。タチヤーナはショックで顔を覆い泣き始める。オネーギンは宙を見上げ、ため息。そして顔を覆う手を下げさせ、その上で手紙を破いて載せる。そして「ダメダメ」と首を振る。信じられない顔のタチヤーナ。涙も引っ込む驚き。そりゃそうだ。これほどの拒絶はこの世にないぞ。究極のKYだ。立ち去りかけたオネーギンは立ち止まって「やりすぎたか…」という表情。機嫌が悪くなる。そこへ入場するグレーミン公爵。なんとライリーだ。しかも老けとる!!老けすぎだよ!体のラインが若いのに顔と髪だけ老けすぎだよ(笑)。グレーミン公爵を見るなり、親戚だったことを思い出したオネーギンはあいさつにいく。オネーギンは田舎の人々は馬鹿にして話すのも関わるのも嫌だが、サンクトペテルブルクから来た身分の高い貴族(軍人)とは話し相手になりたいのだ。しかしグレーミンはタチヤーナを紹介され彼女と踊ることになってしまう。「あ、そう…」肩透かしのオネーギン。つまらなそうにテーブルに戻る。そこに飛んで火にいる夏の虫。脳天気のオルガがやってきた。「オルガちゃん、ゲームをしよう。」執拗に誘う。「さあゲームで勝ったから僕がパートナーだよ!」レンスキーを置き去りにしてダンス。人々は男女で列になり踊る。男女が前に進み出る。オネーギンとタチヤーナが鉢合わせする。決まり悪げに歩み去る二人。さあ、タチヤーナのダンスよ!一応ホスト側(タチヤーナの名の日の祝い)なのでダンスさせられるタチヤーナ。これはオペラならムシュー・トリケにあたる部分かな。タチヤーナはオネーギンの機嫌を伺うように恐る恐る踊る。それこそ一挙手一投足にびくびくしている。オネーギンは不快げに立ち上がって無視する。人々は騒然となる。「あの二人、別れちゃったの?」タチヤーナはそれでも踊り続けるがオネーギンが立ったまま「もうたくさんだ!」と言うようにテーブルを叩くと逃げ出す。人々はこの礼儀知らずのオネーギンをいっせいに非難の目で見る。グレーミンもオネーギンに呆れている。オネーギンを無視し、ラーリナ夫人と腕を組んで袖に消える。オネーギンはおもしろくない。ますますひどい行動に走ってしまう。レンスキーを引き剥がしオルガと踊り始める。タチヤーナはとりなすがオルガも調子に乗っている。「あなたの番はまだよ!」「約束したじゃないか、ポルカもマズルカも僕と踊るって…!」ザイツェフは静か過ぎて怒りがあんまり伝わってこない。無理して明るく振舞うオネーギン。怒り沸騰するレンスキーの構図が、逆になっている。人々は噂する。「オネーギンは姉を振ったと思ったら今度は妹にちょっかいかけてるわ。」「プレーボーイね。」「タチヤーナが可哀想…」さすがに行き過ぎたと思ったオネーギン、オルガをリリースする。オルガ「あなたの番よ」「ふざけるな!」「お前なんかエウゲニーと踊ってろ!!」レンスキーは激高し手袋でオネーギンをびんたする。後ろの老人に倒れこむオネーギン。2回目のびんたは誰もいず、床に倒れるオネーギン。オネーギンはレンスキーの襟首をつかみ「どうしたんだ?正気になれよ!」「おかしいのはそっちだろ!」女性たちが割ってはいる。「この女ったらし!」「手袋を拾え!」名誉を傷つけられたオネーギンは手袋を拾うと憤然としかし堂々と退場する。レンスキーは愕然と立ちすくむ。Part2に続く。
2008年11月30日
シュトゥットガルト・バレエ団 日本公演 2008クランコ振付「オネーギン」 Part3あかん…妄想が止まりません。きのう眠れなかった…こんな現象は「トリスタンとイゾルデ」とノイマイヤーの「ニジンスキー」の時以外ない。まあ他にもあったけど忘れてるだけかも…まだこんなこと書くのは早いんだけど、サーシャがオネーギン演じたらどないやろ~と思っちゃった。イルジが出てきた瞬間に思ったの。イルジ・イェリネク君は意外とフツーの人だったから。(イルジ・ブベニチェクじゃないですよ。)彼には主役!という押し出しとかオーラは少し欠けてる。でも性格俳優やらせたらピカ一!という役者みたいなんだよね。逆にフツーな部分が彼の演技をリアルなものにしている。リアルなオネーギンだったのだ。サーシャがニジンスキーとしてふらりと現れた時の表情はえにもいわれぬものだった。もうあっちいっちゃってましたから。でも彼はオネーギン・キャラとしてはちょっと違うかな~?黒髪だからいいんだけど。それにオネーギンといえばもうオペラを連想すまいすまいと思ってもやっぱ無理なんだよね。きのうは頭の中では排除してましたよ。考えまいとしてた。でも、ムリ。最近まで見たオペラの「エウゲニー・オネーギン」の中でダントツなのはペーター・マッティ。彼はまさにオネーギンだった。そして映画の中のレイフ・ファインズ~Related Linksルグリと輝ける仲間たち 2007プログラムA
2008年11月29日
シュトゥットガルト・バレエ団 日本公演 2008クランコ振付「オネーギン」 Part2第2幕ラーリン家。タチヤーナの名の日のパーティ。年寄りたちの役の若いダンサーたちがコミカルな演技をするがまだまだですね(笑)ロイヤル・バレエを見習って欲しい。あまりにもべたギャグ過ぎるぞ。下手だし。オネーギンがパーティに来た理由は一つ。タチヤーナに恋文といううっとおしいものを返すためだ。(ここがオペラと違う。オペラでは手紙をもらってすぐにオネーギンは返しに来るのだ)彼には恋愛ごっこしたがる田舎のお嬢さんは重荷でしかない。オネーギンが現れた途端何したと思う?あくびしたのだ。これにはぶっ飛んだ!(オリジナルからある演出のようだ。)人々が踊る中、オネーギン一人、下手(しもて)のカード・テーブルでカードをきっている。タチヤーナはどことなく不安なしかしわくわくしながら彼の手紙への返事を期待している。人々はすっかり二人がカップルと思っているので二人に踊らせる。オネーギンのイライラが募る。彼にぶつかってくるどんくさい年よりも気に入らない。さっきはお年寄りを全員スルー(無視)してしまった。でもラーリナ夫人にはさすがにあいさつする。人々の踊りを見て冷笑を浮かべるオネーギン。やっといなくなったと思ったらいきなり人々が現れるのでタチヤーナと踊る振りをする。ここは意外とコミカルです。そしてようやくオネーギンは手紙を返そうとする。タチヤーナは受け取らない。タチヤーナは顔を覆って泣き出す。「勘弁してくれよ…」頭にきて究極の意地悪になったオネーギンはタチヤーナの後ろに立ち、手紙を破いてタチヤーナの手に押し込む。(1回しか破れなかったが)心配したお友達が彼女を連れ去る。オネーギンは非常に険悪な気持ちになっている。カードのテーブルにまた座り、カードを切る。そしてさらにオペラにはないことが…グレーミン公爵が現れたのだ。彼がタチヤーナに紹介されるのを見て、思わず近寄るオネーギン。彼はオネーギンの遠縁なのだ。ここの会話がほんとに会話しているみたいに見事。グレーミンの眼はタチヤーナに釘付け。格の高い彼の方が主役をさらうのは当然。タチヤーナはグレーミンと踊ることになる。なんとなく嫌な気分のオネーギンは(今自分が彼女をふったばかりのくせに)今度はオルガにゲームをやらせて気を引く。しまいにはレンスキーを押しのけて踊りだす。タチヤーナは哀しくソロで踊る。人々はタチヤーナをオネーギンが手ひどく振ったことがわかってしまう。オネーギンはテーブルを叩いて立ち上がる。「もう嫌だ!一刻も早く帰りたい!」オネーギンはさらにオルガと踊り続ける。レンスキーに火がつく。レンスキーが眼でオルガに訴えてもオルガは「まだまだ!」とレンスキーをじらしオネーギンと踊っている。レンスキーの怒りが尋常でないのに気づいたオネーギンは、「さあ、行けよ」とオルガをレンスキーのほうに押しやる。しかし遅かった。レンスキーはオルガと乱暴に踊ると、突き飛ばす。突き飛ばしてオネーギンが受け止める格好になってしまったため、そのオルガを引き剥がす。そして手袋をはずしオネーギンにびんた。オネーギンが後ろの老人に倒れこみ、老人が倒れる(笑)。しかしもう一度手袋で殴られるオネーギン。二人のつかみ合い。ここも真に迫ってた~女たちが乱入し、レンスキーに飛びついていさめるが逆効果。「手袋を拾え!」オネーギンは手袋を拾うと一礼する。決闘を受けたのだ。そしてあっという間に身を翻しさっていくオネーギン。立ちすくむレンスキー。第2場決闘。歩いているオネーギン。顔には後悔の色が。ピストルを見つめる。信じられないように。一方レンスキーも絶望している。ここのソロはすばらしい。女たちがやめさせようとするが聴く耳を持たない。オネーギンはレンスキーの気持ちを変えさせようとするが、まったく聞く気がない。そして決闘。ピストルが赤い炎を放ち、レンスキーは倒れる。嘆く姉妹。オネーギンは無表情で歩いてくるが姉妹を見て初めて事の重大さに気づく。絶望しながら歩くオネーギン。第2幕了第3幕グレーミン公爵の屋敷のパーティ踊る貴族たち。グレーミンに案内されて、オネーギンが入ってくる。昔の面影はまったくない。すっかり様変わりしている。あんなにいけ好かない尊大な人を小ばかにした態度だったのはすっかり陰を潜め、流浪の果てに疲れきった、既に若さを失ってしまった男がいた。擦り切れてしまったようだ。彼は久しぶりの社交の場でおどおどさえしている。肩で風をきって歩いた若い日はもう遠い過去。来ている人々もみんな知らない。誰も知り合いがいない。端のテーブルに座り込むオネーギン。彼の漂泊の月日の回想。いろんな女が現れる。でもただ通り過ぎていく女たち。そしてレンスキーがいるが、撃たれて倒れる。恐怖の思い出。グレーミンは妻を連れてくる。グレーミンと寄り添ってラブラブで踊るタチヤーナ。明るいピンクのゴージャスなドレス。相変わらず夢見るような表情だが、実に幸せそう。最初は気づかないオネーギン。しかし次に見ると、目が釘付けに。「あれは…!?」オネーギンの表情が崩れていく。驚愕、絶望、恥辱、でも顔を見ずにはいられない。タチヤーナが近づいてくると顔を背けるオネーギン、でもどうしてもタチヤーナから目が離せない。希望、そして愛…タチヤーナに近寄るオネーギン。グレーミンはタチヤーナを連れ去る。第2場 タチヤーナの私室オネーギンから来た恋文を読んでいるタチヤーナ。グレーミン公爵が入ってくる。慌てて立ち上がるタチヤーナ。軍の任務で留守にすると告げるグレーミン。混乱しているタチヤーナは彼を呼びとめ熱烈にキスする。そんな妻の動揺ぶりにも眼を顰めるちょっと冷たい夫。彼は出かけていく。そしてオネーギンが部屋の外で逡巡している。行くべきか行かざるべきか。しかしついに走りこんでくる!ここはまさに走ってくる。これはバレエじゃない。そしてタチヤーナは氷のように無表情。手紙のパドドゥ走りこんできたオネーギン。部屋の端に立っている。タチヤーナを見る。「タチヤーナ…」タチヤーナはついと立ち上がる。タチヤーナの足元にひれ伏すオネーギン。タチヤーナの手をつかむ。「私は間違っていた。あなたを愛しています。」手を離さないオネーギン。二人並んで立ち手を繋ぐ。体を反らせる。オネーギンはタチヤーナをホールドし回すが、悲しみにあふれている。躍動感のあった「鏡」とはまさに対極をなしている。オネーギンは背後から覆いかぶさるように逃げるタチヤーナをホールドする。そしてゆっくり後退る。ここのパドドゥもまさにバレエではなく、芝居のようだった。二人のせつなさが怒涛のように押し寄せてくる。オネーギンはタチヤーナの行く先に座り込んで手を差し伸べる。二人で床に座り込み、体を反らし、頭がさかさまになる。逃げるタチヤーナの手をつかみオネーギンは空中に放り投げ受け止める。もうこうなったらタチヤーナはされるがままになっている。最後の抵抗を試みるが翻弄されるだけ。悲しみの行進。オネーギンは床にひざまずいたままタチヤーナにすがって前に進む。オネーギンに倒れこむタチヤーナ。オネーギンは首筋にキスをする。次に倒れこんだときオネーギンは唇にキスする。ついにタチヤーナはオネーギンに「…あなたを、愛しています」と告げる。続くリフトはダイナミックで幸せにあふれたものものになる。オネーギンはジュテ・アントルラセ。飛び込むタチヤーナ。ホールドつきのピルエット。でもタチヤーナは手紙を置いてあるテーブルに駆け寄る。分岐点にいるタチヤーナには、もうこの手紙しか理性の示す道に向かう方法はないのだ。タチヤーナは前に自分がされたと同じように、手紙を返そうとする。オネーギンは受け取らない。タチヤーナはオネーギンの恋文を引き裂いて渡す。土壇場の大逆転に茫然とするオネーギン。手紙が落ちる。「出て行って!」と入り口を指差すタチヤーナ。すがりつくオネーギン。タチヤーナは泣き顔になるが、嗚咽しながら戸口を指差す。オネーギンは走り去っていく。号泣するタチヤーナ。「どうして! どうして!?」全幕了。カワイソウス。カーテンコール主役2人に大喝采。イェリネクは大変うれしそうで、アリシアの頬にキスをしていた。Related LinksStuttgarter Ballett Japan Tour 2005
2008年11月28日
Stuttgarter BallettONEGIN (GASTSPIEL TOKYO, JAPAN)Ballett in drei Akten von John Cranko nach Alexander Puschkin28 Nov. 2008Tokyo Bunka Kaikan Choreographie und Inszenierung John CrankoMusik Peter Iljitsch TschaikowskyBühnenbild und Kostüme Jürgen RoseOnegin : Jirí JelinekLenski : Friedemann VogelTatjana : Alicia AmatrianOlga : Katja Wünsche Gremin : Damiano Pettenellaシュトゥットガルト・バレエ団 日本公演 2008クランコ振付「オネーギン」Part12008年11月28日(金) 東京・上野・東京文化会館イルジ・イェリネクのオネーギンを見る日が来るとは思わなかった。あれから3年。ティボルトで鮮烈なイメージを与えてくれたイルジ・イェリネクはオネーギン役で再び現れてくれた。個人的な思い入れが強すぎて空回りしたくなかったので極めて冷静なつもりで見ていた。うん。うん。懐かしい。これがバレエの、クランコのオネーギンだ。そう言える。第1幕、まずアマトリアンにやられた。彼女のタチアーナは、バレエダンサーにありがちな、勝気なタチヤーナではない。もう極めて線が細くて神経質。病み上がりで、男の人が後ろに近づいただけで飛び上がってママのところに逃げるぐらい。繊細なタチヤーナだ。これがはまった。気に入った。夢を見ている鏡のパドドゥ。まさに彼女は夢見るタチヤーナを体現した。そして…イルジ・イェリネクは等身大だった。彼のオネーギンは、感情が手に取るようにわかる。今何を考えているのか?どういう気持ちなのか?彼は非常に細かく演じる。それも大げさでなく、まさにそこにいるのは一人の男なのだ。尊大ではないのに尊大に見られてしまう。心の中はガラスのように繊細であるが故にそうは見せられない。その彼がレンスキーの死を経て崩壊していく…彼の人生がまるで眼に見えるようだった。これはもうバレエじゃない。ドラマだった。演劇だった。2人の演じたオネーギンとタチヤーナは実に人間くさかった。+++第1幕ラーリン家の庭ラーリナ夫人とフィリピエーヴナ、オルガ。長女のタチヤーナは床に寝そべっている。オルガとお友達のダンス。オルガが未来の恋人が映るという鏡を見て占っているとレンスキーが現れる。抱擁する二人。フリーデマン・フォーゲルは美し過ぎる!王子様がそのままそこに現れたようなオーラ。レンスキーは勝気なオルガが大好き。幼なじみである。彼が連れてきたオネーギンは、じっと奥に立っている。すぐに進み出てこない。しかし社会的な人間としての最低限の仮面は貼り付けている。笑顔さえ浮かべてラーリナ夫人にあいさつする。(ここがルグリとは違う。ルグリは愛想笑いなしだった)オネーギンが現れたことにも気づかず、占いの鏡を見ているタチヤーナ。オネーギンが鏡を覗き込むと、はじかれるように立ち上がったタチヤーナはママのところに逃げていく。タチヤーナはどきどきしながらこの青年を見つめる。オネーギンはタチヤーナに腕を差し出す。2人は退場する。レンスキーとオルガが踊る。詩情にあふれた踊り。レンスキーは技巧をつくした踊り。難しいピルエットのコンビネーション。踊り的にはレンスキーの方がソロの見せ場がはるかにある。(オペラと同じだね。)チャイコフスキーのバルカローレ、物悲しいメロディで踊られる美しいシーン。ここだけで充分作品として成立している濃さ。(レンスキーは詩人なのだ。)彼らはオネーギンとタチヤーナを探すがどこにもいない。皆いなくなる。タチヤーナとオネーギンが連れ立って出てくる。「何を読んでいるの?」本を取り上げて一読するが、彼にとっては子供っぽい小説だった。彼はにやっと冷笑すると本をタチヤーナに返す。オネーギンとタチヤーナのダンス。オネーギンがふっとタチヤーナを空中に持ち上げる。しかし長くは続かない。オネーギンは何かにとり付かれたように自分の世界へ。タチヤーナを置き去りにして一人で踊る。ニヒリズム。何もかもが無意味に思える、知識階級、高等遊民。今のタチヤーナとは精神世界が違いすぎる。(この重要なオネーギンの精神性を表すソロの部分、踊りだけでははるかにマニュエル・ルグリの方がうまかった。あの時は、あまりの緊張感でこっちまでおかしくなりそうな気分だった。)オネーギンはタチヤーナに腕を差し出すが、すぐにそれを忘れて自分の世界に行ってしまう。タチヤーナはついに彼を追うのに疲れて立ち止まってしまう。オネーギンはそれにも気づかずすたすた歩いていく(下手にはける)。タチヤーナは上手(かみて)に去る。レンスキーとオルガ、田舎の人たち(農民たち)がまざって踊る。帰っていく人々。オネーギンは薄笑いを浮かべる。レンスキーはオルガと大人のキスをする。第2場タチヤーナの部屋。寝付かれないタチヤーナはオネーギンに恋文を書く。自分の姿を鏡に映す。映っているのは自分。手紙を書きながら眠り込んでしまったタチヤーナは何かに操られるように動き出す。鏡を覗き込むと自分が映っている。しかしその次に見ると。自分が映っている背後にオネーギンが映っている。鏡の中のオネーギンはぎらぎらした眼をしている。鏡の中のタチヤーナの首筋にキスする。そしてオネーギンは鏡の中のタチヤーナを押しやるようにしてはけさせ、自分が鏡の中央に立ち、それから部屋に入ってくる。シュピーゲル・パドドゥ。悪魔が取り付いたような表情をしている。ディーモン。欲望?彼はすっかり人格が変わっている。あの暗い鋭い眼をした人を小ばかにしたような表情ではない。そう、これはタチヤーナの欲望のオネーギンなのだ。ひたすら自分を誘惑し、愛してくれる、そんな人。突然遠くの都会から現れた異質な人。タチヤーナは自分の描いた幻影に恋してしまったのだ。ここのパドドゥは実にリフトがすばらしく散りばめられている。どれも難度が高いが、抜群だった。タチヤーナがオネーギンに飛びつき、オネーギンが振り回す。オネーギンがタチヤーナのお尻を肩に乗せて座らせようにするリフト。それからなんとオネーギンの両手でタチヤーナの片手をつかんで背中に担ぐようにするリフト。すごい。タチヤーナが片膝をオネーギンの肩に乗せるリフトもある。最後のリフトはタチヤーナの片足の足首を手で押さえながらもう一つの手でアリシアをまっすぐ立ったまま上にさしあげる。これもすごい。しかもすべてそれらをオネーギンは笑いながら行っている。夢の中の彼だから。満足したように鏡の中に去っていくオネーギン。手をおいでおいでするように動作しまるで鏡の中に誘うよう。タチヤーナは乳母に手紙を託し、押しやる。興奮状態のタチヤーナ。第1幕了。Part2に続く。
2008年11月28日
Rossini Opera Festival Japan Tour November 2008Gioachino Rossini (1792-1868) Maometto II Dramma per musica en deux actes, créé au Teatro San Carlo de Naples le 3 décembre 1820 Livret de Cesare Della Valle Mise en scène, Michael Hampe Costumes, Chiara Donato Décors, Alberto Andreis Lumières, Franco Marri Paolo Erisso, Francesco Meli Anna, Marina Rebeka Calbo, Hadar HalevyCondulmiero, Enrico Iviglia Maometto II, Lorenzo RegazzoSelimo, Cosimo Panozzo Coro da camera di Praga Maestro del Coro, Lubomir Matl Orchestra Haydn di Bolzano e Trento Direction musicale,Alberto ZeddaRelated Linksこちら舞台写真がいくつかあります。 27. August 2008Rossinis "Maometto II" in Pesaro 2008 18-08-2008 Un mélo pour Meli+++25日付 読売夕刊にレビューが載っています。+++メーリがキャンセルして来てくれたというのはシアター・シャンゼリゼのこれでしょうか?情報源ちゃむさんとことオペラキャストさん違ったらすみません。Cosi Fan Tutte
2008年11月24日
ロッシーニ「マホメット2世」 Part2「お前はエリッソ?」「そうだ」嫌な予感がするマホメット2世。「お前は以前コリントの司令官だったか?」「そうだ」「!!(アンナの父親ではないか!)」しかし従わないエリッソにきれたマホメッドは部下に命令する。「わかった! こいつらを拷問にかけろ!」引き立てられていくエリッソとカルボ。そこへ「やめて!」アンナが現れる。「私のお父様を助けて!」マホメットにひざまずく。「アンナ!」アンナは驚愕する。「ウベルト!?」(憎い敵だったなんて!)動揺する娘。でも父親の命乞いをする。父親は「このふしだらな娘め!」と娘を突き飛ばす。でもアンナはマホメットに「父と兄の命を助けて!」(兄だって?)顔を見合すカルボとエリッソ。アンナはカルボの命を救うために機転をきかせたのだ。マホメットは自分になびけば父と兄を助けようと約束し、手錠を外させる。手首をさするメーリ。演技細かいよ。合唱。メーリは歌わずにカルボの肩に手をおいて後ろを向いている。最後の高音伸ばすところだけ振り向いて歌った。さっさと退場するメーリ。マホメットの部下に連れ去られるアンナ。カルボと無理やり引き剥がされる。第1幕了第2幕マホメット2世の天幕の中。ゴージャスな真紅のビロードの天幕。美しい女たちはアンナに赤い服を着せ、ネックレスをする。「人生楽しむときもあっていいわ…」アンナは浮かない顔。首飾りを引きちぎる。ティアラを外し投げる。「私にはもう死しかないわ…」マホメット2世が入ってくる。人払いをする。嘆くアンナに、非常に優しく接し、気持ちを変えようとする。ここのマホメットのプレーボーイ振りが実にうまい。とにかく抱きしめて優しく見つめて頬を寄せて。別の一面を見せるマホメット。彼も苦しんでいるとわからせる。しかし頑固なアンナに次第に業を煮やし、ついには力づくで無理やり押し倒してキスする。そこで騒ぎが。ベネツィアの軍勢が盛り返し、トルコ軍を皆殺しにしたのだ。人々は怒り狂い、マホメットのテントに押しかけている。鶴の一声で対立をやめさせたマホメット2世「やめるのだ」戦いに戻るマホメット、装束と鎧を見につけながら歌う部分は圧巻。アンナには帰ってくるときまでに気が変わっていなかったら死が待ってると告げる。アンナは機転を利かせ、身を守るものをくれとマホメットに言う。彼は帝国印(指環)を彼女に渡す。「これがあれば通行自由だ。命の保証だ」第2場アンナの母の墓。助かったものの捕虜の身のカルボとエリッソ。人目を避けて墓場にやってきた。墓に下りてから驚愕するエリッソ。「これは妻の墓ではないか!」気づけよ…妻が大好きだったエリッソは妻を思って歌う。美しく、声を押さえて歌うメーリ。エリッソは娘がメフメトの玉座を約束され心変わりしたのではないかと絶望している。そんなエリッソを励ますため、カルボは歌う。「彼女はそんな人じゃない。」ここはカルボの見せ場。拍手。人影が。墓の陰に隠れるエリッソとカルボ。しかし。「お父様!」「アンナ?」「さわるでない!」「これは帝国印よ これを持っていって」「そうか」あっさり受け取るエリッソ。エリッソは砦に戻って軍を立て直したいのだ。「これで義務は果たしたわ。それからここでカルボと結婚したいの。」驚く2人。気持ちを察し、二人に結婚式を挙げさせるエリッソ。手と手をつなぎ十字を切る。すぐに耐え切れないように泣き崩れる。エリッソは娘が死ぬ気でいることをわかっているのだ。エリッソとカルボはアラブ人に化けて出て行く。「お父様の意思どおりに」カルボと結婚したアンナ。「これでやることは半分終わったわ。」あとは…自分が死ぬことだけだった。女たちがアンナに告げる「早くお逃げください、男たちがあなたを殺しに来ます!」ベネツィア軍が勝利したときかされ喜ぶアンナ。アンナは逃げない。「逃げるなんてとんでもないわ」アンナは決意を歌う。男たちに取り囲まれ剣を突きつけられる。「さあ殺しなさい!」男たちは気をそがれる。マホメットがやってくる。剣を控えさせる。マホメット「墓場にいるのか!まだ早いぞ。これから死ぬところなのに」「帝国印を返せ。」「あら父と夫から取り返せなかったの?」「父と夫?」「さっきここで結婚したのよ!」怒るマホメッド。「聞いてないぞ!」アンナは自害する。アンナはマホメッドに抱きついて見つめあい、抱きしめあい、事切れる。がっくりとうなだれるマホメッド。全幕了。おつかれさまでした。
2008年11月23日
ロッシーニ・フェスティヴァルロッシーニ「マホメット2世」2008年11月23日(日) 東京・渋谷 Bunkamuraオーチャードホール2008年ROF新制作上演予定作品(日本初演)ナポリ版 全2幕 イタリア語上演台本:チェザーレ・デッラ・ヴァッレ初演:1820年12月3日、サン・カルロ劇場(ナポリ) マホメット2世…ロレンツォ・レガッツォ(バス)セリモ(その腹心の友)…コジモ・パノッツォ(テノール)パオロ・エリッソ(植民地モンテネグロのヴェネツィアの指令官)・・・フランチェスコ・メーリ(テノール)アンナ(その娘)…マリーナ・レベカ(ソプラノ)カルボ(ヴェネツィアの将軍)…アーダー・アレヴィ(メゾ・ソプラノ)コンドゥルミエーロ(ヴェネツィアの将軍)…エンリーコ・イヴィッリア(テノール) フランチェスコ・メーリ in JAPAN~~!!!久々に大興奮!本年度ナンバーワンかな?(興奮度が)すごいテノールです~輝かしい声。ドラマチックな、美声。声量も表現力も申し分ない。若いので押さえるということをしないので心配したぐらい最初から最後までフルスロットル!ピアニッシモもありましたけど。お話としては突っ込みどころ満載なんですが楽しかった~やっぱ何でも初見が一番ワクワクしますね。客席の温度が低そうで心配したが、杞憂だった。終わってみたらブラボ、ブラヴァ、ブラヴィ、ブラヴィッシ~ミ!というわけでお客がステージに殺到し明るくなっても歌手はカーテンコールを繰り返した。特にメーリはすっかり素に戻っちゃって、やんちゃな「若者」の側面全開で、マリーナ・レベカの手にキス!みなで手をつないでわ~と前に行くのはいつも彼が先導。他が反応しないと唇を突き出してふくれっつらしてマリーナにすねてみせる。可愛い!いや~老け役だったので人格違ったのにカーテンコールでは良かった、若者の素顔が見れて。まあ28で若者なのはオペラ業界だけですけど…あとはやはりエリッソの娘役、アンナを演じたマリーナ・レベカがすばらしかった!この2人が飛びぬけてすばらしかった。このお話って実はド・ファザコン娘と、娘命の父親の話で、それがずっと縦軸なんです。恋人でもおかしくない年齢の二人が、親子を、しかもお互いの存在が世界で一番大事な親子を演じるわけで、しかも恋人のマホメット2世の方がよっぽどおじさんなわけで、そこもすごく不思議な感じなんです。まあ宗教、責任者の社会的義務、というものも絡んでくるのですが、とにかく中心にあるのは親子愛なんですな~アンナが最後に形だけカルボと結婚するのも「お父様の意志に沿うため」なわけです。マホメット2世とカルボの立場は~って感じなんです。ミヒャエル・ハンペの演出は実にオーソドックス、十字架が倒されるシーンでは、ハンペらしいなと思った。初見はオーソドックスな演出が良い。これはオペラ鑑賞の基本。マホメット2世のレガッツォは声セーブしてたのかな~声量は普通だった。主役の2人がすご過ぎたので比較してはなのだが。表現力や演技力はすばらしかった。カルボのアーダー・アレヴィも悪くはなかったが、主役2人の声が素晴らし過ぎたのでそうすばらしいとは感じなかった。ペーザロのダニエラ・バルチェッローナと比較されるのも損だし。+++幕が開く前。ステージがわいわいがやがや騒がしい。笑い声が起きている。それにテノールがア~♪とのど馴らしする声まで聴こえてくる。メーリかな? まったくお茶目。ゼッタが登場し序曲が始まる。第1幕 第1場 司令官パオロ・エリッソの会議室セットの上に鎮座する、ベネツィアを象徴する巨大な獅子像。ベネツィアが支配するモンテネグロは圧倒的軍勢を誇る、メフメト2世のトルコ軍に包囲されていた。開門しないと皆殺しにすると脅され、会議を開いているベネツィアの司令官、パオロ・エリッソ。ヴェネツィアの将軍、コンドゥルミエーロ(エンリーコ・イヴィッリア)は慎重論を唱えるが、副官のカルボは徹底抗戦を訴える。エリッソはカルボに同調する。のっけからすばらしいメーリの歌唱。はあ~~~期待通り!エリッソは中央のテーブルに腰掛けていて、あまりにも老け作りをしているので、ほんとにこれがメーリ?と眼を疑う。でも歌いだすとメーリだ!グレーの巻き毛の髪に、グレーの髭。背はそう高くない。数年前のメーリががりがりだったことを思うとすごいスピードで貫禄をつけとる。マルセロ・アルヴァレスになるのも数年か?歌いだすエンリーコ・イヴィッリアも声は美しいが声が細い。メーリは圧倒的パワーがあるのだ。第2場アンナの部屋。アンナは恋をしている。しかし父親の苦境も気になるので、苦しい思いをしているが、幸せに酔いしれた歌唱だ。「フィ~~リア!」(娘よ!)と歌いながらエリッソが入ってくる。「危なくなったので私がお前を守れるとは限らない。だからお前を守る男を連れてきた。」「カルボだ!」「お前のことを好きだったんだ」暴走する父親に困ってしまうアンナ。「でも私には好きな方がいるの」「誰だ?それは?」「…のウベルトよ。」「ウベルト? いつ会ったのだ」「お父様がベネツィアに行かれているときよ。」「そいつは国内にいたぞ。その男は嘘つきだ!騙りだ!お前はだまされている」「なんですって!」ショックを受けるアンナ。騙されていたのね。ドカーンと大砲が打ち込まれる音。凍りつく一同。客席もびっくり。エリッソは無言で剣を抜くと走っていく。残されたアンナ。第3場 広場女たちが騒いでいる。「誰かが中から開門して敵が入ってきたんです。火をつけている」煙と炎が立ち上る。遠くに砦が見える。上手(かみて)に大きな十字架が立っている。女たちは十字架に祈る。敗走してくる、エリッソとカルボ、兵士たち。エリッソは砦に立て籠もって戦おうとする。もう拠点がそこしかないのだ。しかしアンナが立ちはだかる。「わたしたちはどうすればいいの?屈辱の、恐怖の中においていくんですか?私たちだって戦えます!」「ならん!」食い下がるアンナ。悩むエリッソ、十字架にすがりつく。たわむので倒れるんじゃないかとひやひや。そっち側に女性たちが立っているので。(この十字架はあとでわかるのだが簡単にはずれるように作られている)メーリは鎧が苦しいのか位置を直したりしている。(メーリはステージ上のいろんな場面で、耳をかいたり、口をぬぐったり、顔を動かしたりと、いろいろ関係ない動作をしているのでおもしろい。落ち着かないのかしら。それとも余裕なのかしら)エリッソはアンナに短剣を渡す。「いざとなったらこれで…!」アンナは父の意思を理解する。「さらばだ!」女たちが舞台から逃げ去ると、トルコ軍が入ってくる。マホメット2世が登場。トルコ軍は十字架を引き倒す。マホメット2世はその十字架にがっと足をかけて歌う。マホメット、帽子を脱ぐ。「喜んでください!」捕虜が連れてこられる。エリッソとカルボ。手錠をかけられている。鎧が脱がされている。白いシャツのひもが垂れている。マホメットは彼に言う。「抵抗している味方に投降するよう言うんだ!そしたら命を助けてやる。」「ごめんだ。名誉だけが我々に残されたものなのだ。」エリッソはカルボと決意を歌う。Part2に続く
2008年11月23日
Matilde di Shabran昨夜からBBCでオンデマンドで聴けます♪期限は1週間です。Matilde di Shabran ...... Aleksandra Kurzak (soprano)Corradino ...... Juan Diego Florez (tenor)Ginardo ...... Carlo Lepore (bass)Aliprando ...... Marco Vinco (bass)Isidoro ...... Alfonso Antoniozzi (baritone)Edoardo ...... Vesselina Kasarova (mezzo-soprano)Contessa d'Arco ...... Enkelejda Shkosa (mezzo-soprano)Rodrigo ...... Bryan Secombe (bass)Raimondo Lopez ...... Mark Beesley (bass)Egoldo ...... Robert Anthony Gardiner (tenor)Orchestra of the Royal Opera HouseRoyal Opera ChorusCarlo Rizzi (conductor).
2008年11月23日
新国立劇場「アラジン」2008年11月19日(水)デヴィッド・ビントリーの創り出した極上のエンタテイメント作品。随所にあっと驚く仕掛けがあっておもしろい。振り付けがスピーディーでまったく飽きさせないところはビントリーらしい。しかしビントリー独特のセンスの良さは影を潜めている。ファミリー向けの作品である。なんとアラジンは中国人という設定である。だからペルシャ風味に西洋風味に中華風が加わって、わけわかめになっている。そのへんが日本人は、ん?と思うが西洋人は思わないのだろう。マシューボーンがエンタテイメント作品を創り始めたように、ビントリーもそういう方向に流れたのか。芸術ではないがわくわく、どきどき、楽しめる作品だ。ダンサーは主役2人とジーニー含めすばらしかった。アラジン役とジーニー役の振り付けは超がつくぐらいすさまじい。レベルの高いダンサーたちだなと感嘆した。技術的に高いだけではなく芳賀氏はとにかくすばらしい雰囲気を持っている。まさに街のアラジンが王子に変身したシーンからの踊りは美しかった!
2008年11月19日
ウィーン国立歌劇場2008日本公演 ガエターノ・ドニゼッティ「ロベルト・デヴェリュー」(演奏会形式) 2008年11月4日 上野・東京文化会館台本:サルヴァトーレ・カンマラーノ指揮: フリードリッヒ・ハイダー 合唱指揮: トーマス・ラング エリザベッタ:エディタ・グルベローヴァ ノッティンガム公爵: ロベルト・フロンターリ サラ: ナディア・クラステヴァ ロベルト・デヴェリュー: ホセ・ブロス セシル卿: ペーター・イェロシッツ グアルティエロ・ローリー卿: 甲斐栄次郎 小姓: 伊地知宏幸 ノッティンガム公爵の従者: マリオ・ステッラー ウィーン国立歌劇場管弦楽団ウィーン国立歌劇場合唱団 コンサート形式ではあったがわりと演技してくれた。でもコンサート形式では私はやはり100%のめり込めない。 なんと言ったらいいのか、大変申し訳ないが、このオケにこの演目はもったいなかった。 序曲だけが異様にすばらしかった。 エディタ・グルベローヴァはすばらしい。まさにエリザベッタ。まさに女王様だった。第1幕の怪鳥の発する超高音から始まって最後の絶唱まで、実にすごかった。 最後の件はテンポが遅くて。音楽的にはもう壊れてるんだが歌唱としてはすごい。 ホセ・ブロスはすばらしいテノール。声質も声量も歌心も申し分ない。最高音だけは弱かったが、それ以外の音はよく出ていた。 ロベルト・フロンターリは私の好みの声ではなかった。歌い方も含めて。 サラのナディアはすばらしかった。彼女とホセの二重唱は実にすばらしかった。+++オケコンマスは他の公演と同様、ライナー・キュッヒル(Rainer Küchl)。第2バイオリンの首席は、ライムンド・リッシー(Raimund Lissy)。この写真の一番左の人です。フロントに並んでいる第1第2バイオリンの個性が強烈だった。知性が匂ってくる感じ。第1バイオリン、キュッヒルの横の人は、フォルクハルト・シュトイデ (Volkhard Steude)、エクハルト・ザイフェルト (Eckhard Seifert)でもなかった。ひげの若い人。ジュン・ケラー (Jun Keller)なのかどうかわからない~今さらながらウィーンフィル聴きたくなってきた~もう遅い。Related Linksウィーン・フィル オケ・メンバー+++序曲ぷぉ~と外し気味の金管から入る。弦のパートに移ったとたんぶっ飛んだ。なんて深遠な音色なんだ。これでドニゼッティ?くらくらきちゃった。しかしオケ的には本編に入るといわゆるズンチャッチャ風の伴奏が多いのでう~んなんですよね。第1幕サラが取り乱しながら入ってくる。ナディアは長いストレートの黒髪。豊かな胸の谷間を強調する美しい黒のすとんとしたロングドレス。若くてエキゾチックな容貌。背が高い。深いメゾ。声が太い。アイルランドに行かされていた、女王の元お気に入り、ロベルト・デヴェリュー伯爵が反逆罪で都に連れ戻された。ノッティンガム公爵の妻サラは心乱れている。エリザベッタが登場。美しい純白のロングドレスに白いファーのついたガウン。サラと対照的な衣裳。彼女はロベルトが反逆と騒いでいる取り巻きよりも気になることがあった。ロベルトが心を移したお相手は誰なのかということだ。その女に復讐することを歌い上げるエリザベッタ。技巧をつくしたものすごい歌唱に会場中が圧倒される。熱狂的な喝采。ロベルトのホセ・ブロスは期待通りのすばらしい歌唱。見かけはおじさんで体型はテノール独特の「まぐろ」体型。男性はタキシード。エリザベッタとロベルト。ロベルトとサラ。美しい二重唱に万雷の拍手。サラが持っている金の刺繍のある青いショールは、薄いブルー(ペールグレー?)のショールで代用されていた。第2幕(続いて上演された)ノッティンガム公爵とエリザベッタ女王は青のロングドレスにお召し代え。左の胸元の上に大きな青の花のコサージュがついている。ロベルトが加わる。ノッティンガム公爵は一転、嫉妬で火だるま状態になる。議会の決定が出て、ロベルトには死刑が宣告される。第3幕ロベルトの歌唱。一番有名なメロディのアリアが登場する。すばらしい。一見悲劇的な展開に合わない美しいアップテンポのメロディ。ただし最高音はあまり出ない。セーブしていたのか。終始コントロールの効いた歌唱だ。アンジェリ…の部分が美しかった。サラのもとにロベルトの小姓から手紙が届く。おののくサラ。処刑ですって?公爵が帰ってくる。彼は嫉妬に狂い、妻を責め、幽閉する。サラは指環を女王に渡すために、夫に「私を好きなだけ刺してもいいからそれでもその手を祝福するから」時間をくれとお願いするがかなわない。エリザベッタは待っている。つらい決断を下した自分をサラが慰めてくれるのを待っている。「サラ!」高音で呼びかけるこの部分が美しい。エリザベッタは2回目のお色直し。今度はバルーン状にやや膨らんだロングドレス。枯れたようなうぐいす色のドレスで細かく模様がついている。どのドレスもすてきで高価そうだったが、やはりこれが一番しっくりくる。似合う。個人的には王冠もつけてくれれば良かったな。やってきたサラはエリザベッタを驚愕させる。処刑をやめさせようとするが時既に遅し。号砲が轟き、女性2人は悲鳴を上げる。公爵が「やつは死んだ!」と宣言する。ここからのエリザベッタの歌唱がまたものすごかった~まさに一人舞台。すごい求心力。会場中の誰もがエリザベッタの悲痛な思いに引き付けられていた。すごい。錯乱する女王に合唱が告げる「支配する者は自分のために生きることは許されないのです。」合唱を振り返ったエリザベッタ。「私は支配しません! …生きることもしません…」絶望にとらわれ、譲位を宣言する。「ジャコモに王位を譲ります。」ジャコモは「ジェームズ」と訳されていた。ヘンリー8世は「エンリーコ8世」のままだったのでちょっと一致していない訳だと思った。全幕了大喝采。
2008年11月04日
Albert Schagidullin バイエルンのロベルト・デヴェリューでノッティンガム公爵を演じた アルベルト・シャギドリンはロシア出身らしい。 ロシア語でしゃべってた。メイキングで。 この人すばらしかったんですけど、 けっこうスケジュールがローカル都市系なんでなんでかな~と不思議だ。 ジャコモとは後継者のスコットランド王ジェームス6世ではないかと推定されるが この子を演じたヨハネス・クラマがいいんだよね~歌わない役ですけど ナダルをハンサムにしたみたいな雰囲気で髪型がもろナダル。すごくエロティックで残酷なイケナイ子供なんです。Gaetano DonizettiRoberto DevereuxElisabetta: Edita Gruberova Roberto: Roberto Aronica Nottingham: Albert Schagidullin Sara: Jeanne Piland Cecil: Manolito Mario Franz Paggio: Steven Humes Giacomo il Re: Johannes Klama (silenzio) Bayerisher Staatsoper Friedrich Haider conducting Staging: Christopf Loy Sets, costumi: Herbert Murauer Video director: Brian Large
2008年11月01日
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