2006年06月14日
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The Metropolitan Opera


Verdi LA TRAVIATA


Conductor : Patrick Summers

Violetta Valery: Renee Fleming
Alfredo Germont: Ramon Vargas
Giorgio Germont: Dmitri Hvorostovsky


メトロポリタン歌劇場来日公演
ヴェルディ「椿姫」東京公演初日

2006年6月14日(水) 渋谷・NHKホール

メトの東京での幕開けは「椿姫」。客席にはドミンゴ、エシェンバハ、そしてヴォルピー支配人。



主役の歌手3人については歌に関してはすばらしかった。ルネー・フレミングはまさに「女王様」。彼女がオーケストラさえ、支配していた。歌はさすがで貫禄十分、演技もうまくて存在感がすごい。一人で舞台を支えていた。
ヴァルガスは歌はそれはすばらしいのだが、ヴィオレッタがすべてを捨てて愛するほどの男としての魅力があったかどうか。演技もホロストフスキーよりも大根だった。
さて、ホロストフスキー。すばらしい声。いや~よかった。やはり神が与え給ふた声ですね。生で聴けて感激です。主役3人の重唱や二重唱はすばらしかった。

この作品「ラ・トラヴィアータ」は、主役はヴィオレッタである。彼女の一人称で語られる世界。一方、ノイマイヤーのバレエ作品の「椿姫」(ディーカメリアンダーム)は一人称で語るのはアルマンなのである。そこが違う。アルマンの回想という形でマルグリットが語られる。「ラ・トラヴィアータ」は、ヴィオレッタの受動的悲劇性を強調するが、ノイマイヤーの世界では自らが悲劇を招いていく要因だったということが容赦なく語られる。つまり、ノイマイヤーのほうは「マノン」に近い。だからこの2作品は原作が同じでも、語っているものはまったく異なるのである。


第1幕 パリのヴィオレッタの家

どやどやと豪奢な室内に入ってくる着飾った人々。ルネーは美しい。ヴィオレッタ・ヴァレリー(ルネ・フレミング)のパトロン、ドゥフォール男爵(ジョン・ハンコック)は背が高くてハンサムでかっこいい。演技がうまくてキレやすい人物像を演じていた。
ガストーネ子爵(トニー・スティーヴンソン)がヴィオレッタにアルフレードを紹介する。トニー・スティーヴンソンは快活でお気楽な友人を演じていてうまい。
アルフレード・ジェルモン(ヴァルガス)はひげをたくわえていて恰幅がいい。大きな熊のぬいぐるみみたいだ(どこかで聞いたせりふだが)。にこにこしていてヴィオレッタのそばにいられるだけでうれしそう。いい人すぎる。

乾杯の歌。
"Brindisi"

♪Libiam ne' lieti calici

E la fuggevol ora
S'inebri a volutta'.
Libiam ne' dolci fremiti
Che suscita l'amore,
Poiche' quell'occhio al core

Libiamo, amor fra i calici
Piu' caldi baci avra'.

人々はワルツを踊るため、続き間に移動する。気分が悪くなったヴィオレッタは一人とどまる。アルフレードはヴィオレッタが心配で密かに隣の部屋に隠れていた。アルフレードから1年も前から好いていたと聞かされてドキッとするヴィオレッタ。

"Un di', felice, eterea"

♪Di quell'amor ch'e' palpito
Dell'universo intero,
Misterioso, altero,
Croce e delizia al cor.

情熱的に歌い愛の二重唱。ヴィオレッタは花を一輪アルフレードに渡す。ここの芝居もなんかお約束で新鮮味がない。アルフレードは辞去する。

ここからルネーの独壇場。ほんとにすばらしかった。

♪Ah, fors'e' lui che l'anima
あぁ多分あの方だわ。

♪Follie! follie delirio vano e' questo!

驚いたことにこの「フォリエ!フォリエ!」の前で拍手が起こった。ルネーはにやりとしながら待っている。ここは続けるのではないのかな。きょうのお客さんはあまりわかってない人が多いのかも。

♪Sempre libera degg'io
Folleggiar di gioia in gioia

この「センプレ~!」の歌い出しをルネーは地声で歌った。4幕でも地声でやっていたところがあったが、すごく迫力で、彼女のヴィオレッタ像がよく出ている。自分のテンポで自在にオケをリードしている。いいのでしょうか?というぐらい。コロラトゥーラもすばらしい。鳩かと思ったぐらい。
第1幕了。
カーテンコール
1回目の休憩(30分)

第2幕 第1場 パリ近郊の田舎家
いよいよディミートリの出番です。期待に胸が高まる。

アルフレードがふざけてヴィオレッタを追いかけているが、ここのヴァルガスの演技が超×。どうみてもモノスタトスがパミーナを追いかけてるみたい。
アルフレードが「天国にいるようだ」と歌う。

♪Dal di' che disse: vivere
Io voglio a te fedel,
Dell'universo immemore
Io vivo quasi in ciel.

アルフレードはパリに出かけ、ジョルジョ・ジェルモン(フォヴォロストフスキー)がやってくる。老けメイク! 彼は突っ込みどころ満載だ。頭は銀髪なので地毛かとも思ったが頭頂部が微妙に薄くなっているのでかつらだろうと思うのだが確信なし。彼は眉毛をわざと消してるの? 老けメイクが…うう~ん。(笑える…)怖い顔をしているジェルモン。にこりともしない。杖をついてよろよろ歩くが時々忘れて元気に歩いたりもしていた。

いきなりヴィオレッタを侮辱する言葉を投げかけ、ヴィオレッタは拒否反応。

"(Quai modi!) Pure -- "
ヴィオレッタに「(なんたるいいぐさ!)しかし…」
実にいい声。

ジェルモンは帽子とコートを脱ぐ。帽子をテーブルに置こうとするが帽子の縁がカーブしているのでうまくおけない。横にも置けないしな~いいや、反対に置いちゃえ、とディーマは帽子をテーブルの上にトップを下にして置いた。このへんの素朴などんくささがマチュー・ガニオを思い出してすごくおもしろい~ 地が出てる。

♪天使のように清らかな娘を
Pura siccome un angelo
Iddio mi die' una figlia;
Se Alfredo nega riedere
In seno alla famiglia,
L'amato e amante giovane,
Cui sposa andar dovea,
Or si ricusa al vincolo
Che lieti ne rendea
Deh, non mutate in triboli
Le rose dell'amor.
Ai preghi miei resistere
Non voglia il vostro cor.

来た~ついに来た~この歌が。
フォヴォロストフスキーはいすに腰かけて歌う。出だしから何小節も息継ぎなしでつなげて歌う。でもそれをそう強調するわけでもなく。中間部は何度か音を上げて歌っていた。(プロヴァンスの方だったかも?)ルネーといい、ディーマといい、自在に自由に歌う。プロだ!
ジェルモンはわりとリリックなのでほんとはフォヴォロストフスキーには役不足だ。もっとリリックなハンプスンとか多分、それこそ、キーンリーサイドとかの声がはまるのだろう。それでも、それでもディーマすばらしい! 天からの贈り物のすばらしい声を堪能した。

「永久に別れろですって!」
ヴィオレッタは手にした花を粉々にする。無残に花びらが撒き散らされる。

「あなたの犠牲は報いられるでしょう…」

容赦なくヴィオレッタを追い込んでいくジェルモン。いや~すばらしい声です。低音で、よどみなく。

ヴィオレッタ「私を娘として抱擁してください。」
ジェルモンは虚を衝かれ、おずおずと手を伸ばすが、抱きしめるより早く、ヴィオレッタがバッと身を引く。

ジェルモンは辞去する。

アルフレードに取り乱した姿を見せるヴィオレッタ。絶唱し去っていく。アルフレードは手紙を読み驚愕する。

「あぁ!」入ってくるジェルモン。
「お父さん!」

♪プロヴァンスの海と陸

Di Provenza il mar, il suol - chi dal cor ti cancello?
Al natio fulgente sol - qual destino ti furo'?
Oh, rammenta pur nel duol - ch'ivi gioia a te brillo';
E che pace cola' sol - su te splendere ancor puo'.
Dio mi guido'!

定番中の定番、もっとも有名なアリアのうちのひとつ。何10年も前からこの曲を生で聴くことを夢見て生きてきた。その瞬間。しかも歌手がフォヴォロストフスキー。まったく夢のようだ。お約束のように最初の小節はつなげて歌うディーマ。

「神様が導いてくだすったのだ…」

しかしアルフレードは聞き入れず、フローラの手紙を発見し、怒りに我を忘れて飛び出していく。ジェルモンは床にくしゃくしゃに丸められて落ちた手紙を拾って広げて読む。幕が閉まる。
第2幕 第1場了。


Part 2 に続く





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最終更新日  2006年06月24日 13時30分57秒


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