湊土人形(大阪)


 住吉さんの初辰猫はすでにご紹介済みですが、これも一時期初辰さんで授与されていた、堺の湊人形です。

 堺の人形は伏見の影響で起こり、幾度かの衰退期を経て、大正の中ごろ湊焼窯元の津塩さんが、茶器を作るかたわらに土鈴や土人形を作るようになり、長崎の古賀人形に見られるような、バテレン、カピタン、水夫などの南蛮人形が知られるようになりました。

 昭和50年ごろには、これらもいったんは廃絶し、堺の人形は見られなくなりましたが、近年、津塩家が人形作りを再開し、古式の初辰猫も蘇りました。

 写真は近年制作されたもので、同じ初辰猫でも、素朴で、
愛嬌のある作風です。

湊人形


 現在猫以外の作品が製作されているか不明ですが、完全復興が望まれます。
 連載を通読されている方はお分かりかと思いますが、人形の制作に携わる方の多くが、高齢の場合が多く、(他の職を辞してからはじめることが多く)人形だけで生計を立てるのはかなり困難な状況にあります。

 廃絶のうわさを聞く度に、寂しさを感じます。
 収集暦の短い私にとって廃絶物を手に入れることは難しく
出会えても高価で手が届かないものであったりします。

 湊人形の、味わい深い顔を見ることが出来て幸いでした。

 福次のレア度☆☆、廃絶前の作はすでに幻です。



© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: