色素性貧血



赤血球数はあまり変わらないか多少増えるが、大きさが小さくなってその中に含まれるヘモグロビンの量が減り全体としてヘモグロビン濃度が下がる

  代表的な貧血*鉄欠乏性貧血(緩やかな出血が持続した場合も含む)
        *慢性炎症に伴う貧血
  検査項目 血清鉄 TIBC フェリチン

2・正球性正色素性貧血
1つ1つの赤血球に含まれるヘモグロビンの量は変わらないが赤血球数が減り結果として全体のヘモグロビン濃度が下がる

  代表的な貧血*溶血性貧血
        *急性出血

        *腎性貧血
  検査項目 網状赤血球 直接・間接クームス試験 
       間接ビリルビン エリスロポエチン

3・大球性高色素性貧血 
赤血球の大きさが大きくなり1つ1つに含まれるヘモグロビンの量が増加するにもかかわらず赤血球数の減少が著しく結果としてヘモグロビン濃度が下がる

  代表的な貧血*ビタミンB12欠乏性貧血(胃全摘後、数年後に発症)
        *葉酸欠乏性貧血(化学療法剤投与時やアルコール中毒症等)
  検査項目 ビタミンB12 葉酸 骨髄穿刺

*血液は鉄分だけでなく、たんぱく質・ビタミンB6・ビタミンB12・葉酸・ビタミンC・銅などから作られます。こられを十分とるには、いろいろなものを偏りなく食べることが必要。貧血解消には、やはりバランスのよい食事が必要です!!


【治療】⇒ビタミンB12の筋肉注射。予後が良好。*吸収障害があるため、内服ではなく注射で行います。

ビタミンB12の必要性
 ビタミンB12は、血液を造るのに欠かせない栄養素で、葉酸と補い合って働きます。赤血球の産生や神経の働きに関与し、胃粘膜から分泌される「内因子」という物質と結合して回腸から吸収されます。悪性貧血の場合、胃粘膜の壁細胞に対する自己抗体の出現により「内因子」分泌不全が起こりビタミンB12の吸収ができなくなります。この結果、ビタミンB12の欠乏(=DNA(核成熟)合成障害)により造血障害がおこります。
「菜食主義者」と「大酒のみ」の方はご注意!!
 ビタミンB12は、1日の必要摂取量が微量です。よほどの偏食をしない限り、不足は起こりません。しかし、動物性食品(肉・魚・卵・牛乳など)にしか含まれないので、菜食主義の人は、サプリメントなどで補給する必要があります。
また、胃全摘のあとにもビタミンB12の吸収障害が起こり、肝臓でのビタミンB12の貯蔵がなくなると症状があらわれます。

大酒のみで栄養が極端に偏っている人、ある種のてんかんの薬を長期服用している人なども葉酸欠乏から悪性貧血になります。

ビタミンB12による悪性貧血では、胃癌の合併が多いため年1回は胃の検査を受けることをお勧めします。


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