偽り



其処の皆は、とても優しい人達でした。

其処の皆は、とても綺麗な人達でした。

其処の皆は、とても儚い人たちでした…。


そこの皆は、何処か優しくて、でも何処か傷付いている、そんな感じのする人達でした。


いつからか、アタシは其処のチャットの常連になっていました。


ある日、同じくチャットの常連の一人が、とても大切な話を皆にした時があったんです。


正直アタシは吃驚しました。


何でネット上だけの存在の人にそんな大事な事言えるんだろう。

何でネット上だけの存在の人にそんな自分の深みを曝け出すのだろう。


でも、少し考えてみたんです。


彼は、皆を本当に信じてるから言えたんじゃないか。

こんなアタシを、偽りのアタシを信頼して自分の深みを見せてくれたんじゃないかって。

そう考えたら、偽って好きになってもらおうなんてアサハカな考えをしている自分が恥ずかしくなりました。


アタシは、本当に汚い。穢れてる。

こんな綺麗な皆に囲まれて笑う資格なんてないんじゃないか。


アタシはまた自分の腕にカッターを押し付けました。


( 投稿日: 01/28/03 05:44 PM )

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