たこたこのまったりライフ

たこたこのまったりライフ

レベル7



神奈川に住んでいる時に帰省のお供として買った本、それが『レベル7』
初めて読んだ宮部みゆきの作品だった。
実家に帰る度に読んでいたのに、
昨年夏の帰省では母が近所の人にあげてしまい、読むことができなかった。
図書館で借りることができ、ようやくレビューに感想を書けるようになった。

記憶を消され自分が何者か分からない男女2人。
別人になりたいと願っていた少女の失踪。
この2つに共通していたのは「レベル7」という謎の言葉だった。
自分達を調べる記憶喪失の2人と
少女の行方を捜すカウンセラーが出会ったのは
凶悪な殺人事件が起こった別荘だった。

2つの事件が絡み合っていく様が見事である。
どう解決するのかばかり気になってしまうのだが、
実は1980年代に話題になった事件も作品の伏線となっている。

共感できるのは失踪した少女、みさおの臆病さかな?
クラスメートの死をきっかけに人と接することが苦手になってしまった彼女。
私はそれほど辛い目にあったことはないけど、
人の親切に本当に甘えていいのかなと躊躇してしまうことがある。

656ページで厚みのある本書だが、
宮部みゆきの長編としては『火車』と同じくらいおすすめの作品である。


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