天狗風
嫁入り前の娘二人が神隠しにあった。
人の思念など不思議なものが見えるお初は、
算学の道場に通う右京之介とともに娘達の行方を追うことになった。
阿片の密売なども絡む複雑な事件に翻弄されながらも、
真相をつかんだお初は娘達をさらったもののけに戦いを挑む。
『震える岩』に続く「冷厳お初捕物控」の第二弾。
文庫にしては分厚い本の上、中を開くと文字がびっちり。
最近は行間の広い本を読んでいたので少し躊躇したが、
それだけ中身が詰まってるってことで得な気もする（借り物だが）。
宮部みゆきの歴史物にも慣れてきたのか読みやすかった。
仏の化身の猫の鉄がお初を助けてくれるのだが、二人（？）の会話がテンポよくていい。
猫好きの人は自分もこうやって猫と話せたらいいなあと思うに違いない。
美に固執する女の怨念が事件を巻き起こし、読み終わった後「美しさとは何ぞや」と考えてしまう。
見た目だけでなく、心も美しくなれるといいのだがそう簡単にはいかないのが現実。
日々修行だね。
前作で16歳、今作では17歳と1つずつ年を取っているお初。
18歳ではどんな事件が起こるのか楽しみだ。
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