天国と地獄
「 天国と地獄 」
今日はあるちょっとしたお話です。（本で読んだのか、人から
聞いたのか記憶が定かではないのでお話程度に聞いてください。）
ある時、ある西洋人の人類学者がアマゾンの奥に住む原住民を
調査しにアマゾンの奥地に行きました。
原住民の住んでいた所は現代文明とはかけ離れた素朴で本当に
自然の美しいところでした。そこでは人々は自然と調和して
生きていました。
その人類学者は原住民の人々と親しくなり、ある日の美しい
夕方にカヌーに乗せてもらいました。
その日の空はオレンジ色に広がり、それが水面にも反射して
カヌーがオレンジ色の空の中を飛んでいるようでした。周りの
音はカヌーのすべる水の音と遠くでたまに鳴く鳥の声だけで
シーンとしていました。そして、子供のときに嗅いだ何か
なつかしい自然の匂いがしました。
その時、その人類学者はある質問をしたくなりました。
その質問はある意味ですごく西洋的な質問でした。
「私たちは死んだら、天国にいけるのでしょうか？
天国はあると思いますか？」
そうするとある原住民の人が何をこの人は言っているんだ
と不思議な顔をして首を傾げました。
そして長い沈黙のあと、周りの美しい自然を指差しながら
ある原住民の人がこう答えました。
「ここが天国じゃないのか」と。
私はこの話を聞いたときに、ハッと目を覚まされたような気が
しました。そして、気付かされました。
天国とか地獄とかは私たちとは関係ない遠い世界のように
感じてしまうけれど、
私たち次第でこの世界は天国にも地獄にもなりうるという
ことを。
私たちは戦争や自然破壊によってたくさんの地獄をこの世に
作ってきたのかもしれません。そして、今でもそれを作り続けて
います。
また、「私はダメな人間だ」、「私は生きる価値がない」など
とすべてをマイナスに捉えてこの世を地獄にすることも
できます。
反対に私たちは平和な世界と自然と調和した社会を作り出す力を
持っていますし、
私たち次第でこの世界から自然の美しさやたくさんの幸せを見出す
ことができます。
最近は、桜が満開ですべての植物の新芽が出てきていて、本当に
素晴らしいですし、
私はダイビングをしますが、何十メートルも透明度があって
晴れた日には珊瑚礁の中を泳ぐとここは天国なんじゃないかと
思うときがよくあります。
私たちは今、物質的には豊かになって便利な生活をして
いますが、なかなかこの世界が天国だなんて感じられません。
あの原住民の人は不便で多くを持たない生活をしていますが、
この世界に天国を見出せる豊かな精神を持っています。
この話は今、現代社会に生きる人々が忘れてしまった大切なこと
を教えてくれているような気がします。
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