川 と 心




初めは小さく弱弱しかったけれど、
少しずつ少しずつ成長し、力を付けていく・・・。。。

時に激しく荒れ狂った力は、やがて落ち着きを見せ、
今度は優雅で雄大な力として、その存在を示す。

初めは清らかなその命は、汚れて濁りもするが、
もともとは、やはり、清いものだ。。。

命は流れ続け、目指すべき場所へ、ひたすらに進む。

それは、、、海。。。

その命は質を変え、新たな命を育てる。。。



川の流れをしばらく見ていたら、水面に魚が跳ねた。

「生きている。。。」

少年はつぶやいた。。。

この川の上流はどこへ続くんだろう・・・?
この川の下流はどこへ続くんだろう・・・?

そして、少年はどこへ行くんだろう・・・?

川の水面には、空と雲が映っていた。。。
少年の心には、何が映っているのだろう・・・?

やがて少年は成長し、弱弱しかった男の子が
荒々しく生きる時期を経て、
いつか落ち着きと雄大さを兼ねた青年に成長するだろう。。。

その時、この川の流れがやがて海にたどり着くのように、
彼もまた、新しい世界を垣間見た時、
更なる旅を始めるだろう・・・。。。

もちろん、行くも留まるも彼の自由である。

どちらにしろ、それはすでに始まっていることだが、
これまでとはまた質が違う、彼には彼の物語が始まるのだ。

今はまだ小さいかもしれないが、
少年の夢は勇気と努力でさらにふくらみ、
そしていつか、彼自身、人を愛して、人に愛されて、
その心が大空に広がるだろう。。。

そして、この川の水面が空と雲を映すように、、、
少年の心は、人々の心にも映るだろう。。。

千曲川

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