ことば「ＩＴとは？企業価値とは？」ライブドアVSフジテレビVol.8

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2005.03.11

ことば「ＩＴとは？企業価値とは？」ライブドアVSフジテレビVol.8

テーマ：ことば(3)

カテゴリ：ニュース・時事

ITとは
Information Technology　インフォメーション　テクノロジーの略語
コンピュータやデータ通信に関する技術を総称的に表す言葉で国が作りました。
（森元総理はこの用語の発表の時、イットと読んだことは有名です）
　つまりライブドアも楽天も（もともと厳密な意味では）ITではないと言ってよいのではないでしょうか？
　Yahooはインフラ（Yahoo BB・光や携帯電話への参入）でバリバリのＩＴ。
楽天はいわゆるコンテンツ産業（日本最大のネットショッピングモール）です。
ライブドアは自分をポータルと呼んでいます。ポータルとはもともと他人の情報を集めた索引のようなものなので便利ですが、それ自体は内容がなくとてもつまらないように感じます。（あくまでも個人的感想　Yahooなどのポータルも同様）それでもライブドアは最近スカイプのダウンロードや販売に熱心で、この点ではＩＴと呼んでよいのかも知れません。

企業価値とは
　最近のニッポン放送株問題で、ライブドア・ニッポン放送両社ともこの言葉をよく使っています。
ニッポン放送；「フジサンケイグループにとどまることがニッポン放送の企業価値を高めると信じております。」おいおい、今までと変わらない状態でどうして価値が高まるのよ？！
ライブドア；「ライブドアと手を組むことでニッポン放送の企業価値が高まる」おいおい、具体的に何がどう高まるのか？わかりません。
　ただしこの場合の堀江社長の発言は、ＩＴバブル時代からＩＴ社長が異口同音で口にしている「企業価値＝株主価値」のことだと思われます。たしかにライブドアの年に数回行ってきた魔法のバブルのトリック"株式分割"を使えば、ニッポン放送"株の価値"を高めることは可能でしょう。
　最近までどんどん株式分割をしましょうと煽っていた東京証券取引所は、いざ今回のライブドア問題が出ると規制の方向に乗り出しました。まこと日本のお役所根性はどこも同じですね。
　ライブドアは投資家が買い安くするために、株式分割を繰り返したと言っています。たしかにそれも一理あるかもしれませんが、ようはバブルを誘発して自社の株価を吊り上げただけです。投資家が企業価値を認めてのライブドア株価ではなく、しょせんはバブルで実力が伴わないとすぐに暴落します。
　もっともＩＴ企業はみんなそうして資金を集め（将来性に投資してもらい）、あとから株価に見合った実力をつけてきたのです。そしてこの前の野球の新規参入の件で知名度もぐっとアップし、業績も好調です。

　では本来の企業価値とはいったいなんでしょうか？
その前に 会社は誰の物か？ という問題があります。
堀江さんはおそらく株主のものと言うでしょう。それも一部です。
　株式会社は１顧客２株主３取引相手４社員やその家族５これから入社する学生（６納税や許認可事業の場合は国や地方公共団体）のものだと思います。
　ですから上記のニッポン放送社長（会長のせいで影が薄いな～）の発言の企業価値は広義の、ライブドア社長の発言の企業価値は狭義の意味で、そもそもの考え方の違いがよくわかります。
　つまりニッポン放送側はあくまでもリスナー・社員のことも考えていて、ライブドアはあくまでも株の価値、株主のことしか考えていないといえるでしょう。ニッポン放送をはじめ日本の企業はもっと株主のことを考えれば、日本の産業はますます発展するに違いありません。
　また心のないライブドアの発展は今後は難しいと思います。たしかに創業時の資産600万円から100倍の成長をしてきましたが、小さいところからそこまでいくのは今後の成長より簡単ですし、手法もバブルでした。しかし今後堀江社長が目指すと言ったコングロマリット（大企業体）になるには核となる企業の広義での企業価値が必要かと思います。今のところライブドアはすべて２番煎じの２流で内容がなく、今後コングロマリットの中核となすにはおそまつだと思います。　
　といってももともとは創立時のオンザエッジが中核で、より大きなライブドアという会社から売却を依頼されて、顧客数と知名度からライブドアという名前を残して中核にしたという経緯もありますので、どこか知名度があり中核となりうる内容のある企業を乗っ取れれば別ですが・・・（そのための足がかりのフジテレビ支配が今回の目的です）

　話ついでに街のアンケートではライブドア支持の年代は意外にも50代の団塊の世代でした。たしかにあの世代は全共闘世代で国や時代に対してノーと抵抗して、夢破れた反抗の世代なのでわかるような気がします。
　反対に20代の学生は"よらば大樹の陰思想"で、大企業への就職が人気で"ほりえもん的価値"は支持されていません。ちなみにこれほど知名度があるのに人気企業ランキングの100位に入っていません。

　最後に「再三このシリーズで述べていますが、僕はフジテレビ・ライブドアのどちらかの味方ではなくあくまでも中立で客観的に事実を述べているつもりです。」ただし人間ですので、多少の感情も入ってしまうのもまた事実です。つまり記者（作り手の主観がまったく入らない記事は難しいと思います。だから報道はいくらでも作り手が切り口を変えて作ることが可能です。うのみにするのは危険ですよ。
　実はこの日記を書いている途中、ニッポン放送新株予約権発行差し止めの件を知り、そちらを先に書きました。

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１回目の日記はニッポン放送新株予約権発行差し止め　ライブドアVSフジテレビVol.7

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