たけちのビックリ箱

たけちのビックリ箱

雨宿り



春時雨だ
空が急に泣き出した
何か悲しいことでもあったかい?
雲にでも嫌われたんだろう
おれもさっきフラれたさ
皮肉なもんだ
同じ場所で雨宿り
これもあんたの仕業なのか

にわか雨に追われて飛び込んだタバコ屋の軒の下
君はハンカチで肩を拭った
雨のにおいと君の髪のにおいがミスマッチで
胸が苦しいよ
冷たい頬が紅く染まっている

雨の日に外に出るのは嫌いだ
ズボンや靴が濡れるし、床は滑るし、傘はブスブス刺さるし
でも、部屋の中から見る雨は好きだ
雨音や雷鳴の音楽鑑賞したり
外の真っ白な景色の中に、うっすら見える町並みを見ながら物思いに耽る
雨に打たれる植物は、日ごろの埃を洗い落として、水をたっぷり吸い込む
十分に汚れを落とした植物は、青々しく艶やか

雨上がりの道を歩くのも好きだ
水を含んだアスファルトは、太陽が反射してすごく眩しい
雫を落とす葉っぱは、太陽からエネルギーをもらって
生き生きと新緑の光を放つ

今日はなんだか気分がいい
にわか雨もなんのその
思い出は胸に閉まって
悲しい思いは雨に流して
雨が止んだら、歩き出そう
雨が止むまで、君を好きでいよう
あと少し、君と雨宿りさせてくれ

さぁいこう
失ったものは大きいが
これから得るものはもっと大きいさ
水たまりに君が映ったけど
雲一つない真っ青な空が見えた
遠く澄んだ空だ
すぐそこに夏が来ている

雨粒が頬を伝った


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