やっぱり日々の思う事

2005.08.04
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最近いろいろ時間があるからさ
昔の事とかたくさん思い出しちゃって
そして何の能力か
リアルに再現できるもんだから
何度も同じところで悲しいんだよね

うれしいことってさ
結構その場で消費しちゃうんですよね。
少なくとも何日かのうちはそのシーンを何度も巻き戻しては

でも賞味期限が短いというか
フレッシュなうちに食わないとまずいというか。
「当時はあんなことでも幸せだった」になってしまう。

これに対して悲しみっていうのは
保存食なみの寿命でして
同じように「あんなことで悲しかった」となるのは
乳飲み子時代に限定された話で
物心ついてからの悲しみというのは
いつまでたっても新鮮だったりする。

で、最近思い出す話に戻ると
僕はその当時ちゃんと

完結できてなかったのではないかと、ふと思ったんです。

その時の自分で背負いきれないものは
とりあえずのテンポラリーにいく。
それはshift+deleteはもちろん
ごみ箱にも捨てられなくて


だから今こうして思い出しているのかもしれない。

悲しいことはずっと後からやってきたりする。
子供が抱えきれない悲しみの記憶を飛ばすのはよく聞きます。

そう思うと
僕も後から処理しなければならない悲しみはまだ残ってる。

僕は祖母の最期に立ち会えなかった。
祖母にとって僕は癒し空間だったのに
僕はそれを知ってて東京で就職活動を理由に逃げていた。
田舎に戻れば
おそらくもう戻って来れないと思った。
戻っていいよと言われても
戻る自分も許せないだろうと。

そう思うと戻れなかった。
そもそも大学を理由に田舎を離れたこと自体が
祖母に対して後ろめたさがあった。
僕がいなくなったら彼女がすぐに弱ってしまうと
僕は知っていた。
祖母は一緒に同居していたが
「家族」なんてよくある話と同じように
とうの昔に崩壊していたのだから。
祖父も10年前に亡くなって
僕がいなくなったら独りになってしまう。

それでも僕は田舎を出た。

結果僕が田舎を離れてから3年と少しで彼女は亡くなってしまった。
もう10年以上も前のガンが再発したのだ。
10年たてば大丈夫だと思っていたのに。
きっとものすごく寂しかったからだと思う。

その間に祖母からもらった手紙は膨大で
僕の事を恋しがっているのもよくわかってた。

「あなたはタンポポのような子だから」
などと書いてあるのを見ると今でも泣けてくる。
僕はそんな子ではなかったのだから。
だからあまり今でも読めない。

容態が悪いのは知っていたけれど
危篤の知らせは突然だった
僕があったのは亡くなった後だった

葬式も終わって
一息つく頃
同居していた実家の祖母の部屋を兄と一緒に覗いてみた。
もう6月だったが
病院や他の親戚の所をたらいまわしにされたせいで
カレンダーは1月のままになっていた。

祖母と最後に会おうとしていたのも1月だった。
ただその正月は祖母が長女の方に出かけていて
僕らは1日の差で会えなかったのだ。

そしてすぐに兄が祖母の部屋で発見した。
そのまっさらなカレンダーの予定の欄に
一マスだけ書き込んであったのだ。

1月4日「〇〇(僕の名前)帰る」
たったの5文字。
その5文字で僕は裁かれました。

祖母は僕が帰った後に部屋に戻って
寂しくて前日の欄に書き込んだのでした。
僕が帰る日を告げたの当日だったから
その前に書き込めるものではなかったはずでした。

それを見ると
祖母がどれだけ寂しかったのか
どれだけ僕を必要としていたのか
よくわかったのです。
1月4日に帰ると電話で話した時、電話口で祖母は泣いていたんです。

さばかれた僕は
もう足がなくなったとか
手がなくなったとか
目が見えなくなったとか
耳がきこえなくなったとかいったレベルの
初めて想像を絶する悲しみに会ってしまいました。

二度と取り戻せない過ちで
一生もう立ち直れないと思いました。
足がなくなるのはこういうことかと思いました。
人を殺めてしまうとはこういうことかと思いました。
体が欠落したままどうやって生きていくのかと考えていました。

卒倒して絶叫して
そんな僕を見て祖母と仲の悪かった母は気味悪がってました。


でも次の朝
不思議な事が起こりました。
心が不気味なほど晴れやかだったのです。
まるで誰かが持っていってくれたかのように
夢だったのだよといってくれたかのように

たったの失恋ごときで3年も4年もひきずる僕がですよ

それでわかったんです。あれはたぶん
今の僕ではかかえきれないと分かって
寝てる間に何かが働いてくれたのだと思いました。

でもあの痛みがなくなったわけでないと
今でもわかっています。

僕が耐えうる時がきたら
またいつか「久しぶり」と苦笑いでやってきて
立ち向かわなくてはならない時がくるのでしょう。

でもそのときから
どんな大きい悲しみにも
今の僕に処理できるから悲しいんだろうと思うようになりました。


僕はその時まで
強くなる必要がある。
悲しみの感情をいつまでも独りにしておける事もないだろう。
いつまでもさびしい思いをさせておくわけにはいかないから。





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最終更新日  2005.08.05 11:42:49


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