シングルな子育て♪

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ツワリ


いつの間にかついに戻してしまうようになっていた。
もう何をしても気持ち悪い。
寝ている時以外は吐き気が付きまとっていた。
つねにどうしようもないほどの乗り物酔いと二日酔いの気持ち悪さをミックスしたような感じ。
とてもお腹が空くのに食べると吐いてしまう。
吐くとお腹が空くのでまた食べて吐いての繰り返し。

うっと思ったらすぐに逆流噴射する感じでトイレまで間に合わず洗面台の流しで吐いてしまう時もある。
気持ちが悪くて気持ちが悪くてどうにも逃れられない吐き気に一日中悩まされて涙が出てくる・・・・。
まだ妊娠2ヶ月、安定期に入るとツワリが軽くなるとゆうけど最低でもあと2ヶ月も続くのかと思うと憂鬱で仕方がない・・・。

そして匂いにも敏感になってきた。
モノにはどんなものにも匂いがあるとゆうことに妊婦になって初めて気が付いた。
冷蔵庫の匂い、ご飯の炊けた匂い、犬の匂い、タバコの匂い・・・。
もう臭くてたまらないし吐き気がこみ上げてくる。

私は妊娠するまでタバコをずっと吸っていた。
いけないことだけど、中学1年から吸っていた。
お酒も大好きだったので今まで吸い続けてきたのだ。
何度もやめようと思い禁煙にチャレンジしたこともあったけどやめられなかった。
私の周りの友達はほとんどの子が子供を産んでいたけど、タバコをやめた子はいなかった。
子供の影響に悪いとわかりつつも妊娠中も吸っていたらしい。
なので私も子供が欲しいと思っていた時も実際妊娠したらタバコがやめられるか不安に思っていたのだ。
妊婦がタバコを吸うと胎児への酸素が急激に減り胎児は苦しい思いをするらしい。
あと乳児突然死症候群の30%が妊娠中のタバコが原因だという。
考えただけでもかわいそうだ。
私は自分が喘息持ちだったので子供にはあんな苦しい思いはさせたくない。

だけどタバコをやめるどころか、まったく吸う気さえ起きない。
いや、吸えないのだ。
吸えるわけがない。
夫が隣の部屋で窓を開け部屋のふすまを閉めていてもタバコの匂いで吐き気がこみ上げてくる。
夫の首を絞めてやりたいくらい腹がたつ。
タバコなんてこの世から無くなってしまえばいいんだ。
もう何にもやる気が起きない。
世の中の妊婦はみんなそうゆう思いをしているんだから甘ったれるなと思う人もいるかもしれないけど、でも何にもする気はない。
もちろん夫のご飯の支度なんてしなかった。
自分が何かを食べることで精一杯。
洗濯以外は一切何もしなかった。
お湯や水の匂いも気持ち悪くてたまらなかったのには参った。
水に匂いがあったなんて知らなかった。
歯を磨く時も気持ち悪いしお風呂なんて入ったら必ず風呂場で2~3回吐いた。

そんなでも夫が帰ってきてそばで会話をしたり、友達と電話で話していたりするといくらか吐き気は和らいだりした。
気の持ちようもあるのかな、と思った。

やはり一人で家に居るときは涙が出るほど具合が悪かった。
お腹の子はなぜこんなに私を苦しめるのか・・・。
これではマタニティーブルーになってしまう。

9月終わりごろ一人で泣きながら家で耐えていると、また母から電話があった。
体調はどう?と聞くので涙ながらに不調を訴えると、母は
「実家に帰ってきたら?気分転換すればツワリもよくなるよ。どうせ家にいても家事なんてできないでしょ?」
と言ってくれたので実家に帰ることにした。
実家にお世話になりたい、とゆうよりは地元の友達に会いたいとゆう理由だった。

9月29日が妊婦健診だったので病院の帰りにそのまま実家に夫が送ってくれることになった。
病院で初期検査のために尿と血液をとった。
担当医が体調は?と聞くので気持ちが悪くて一日何度も吐いてしまう。と言うと。入院してみたらどうか?と言ってきた。
夫も実家に帰るより入院した方がいいんではないかと言ってきたが、私は実家に帰りたいがために断った。

実家に向かう途中車の中でも気持ちが悪かったが実家に着いたとたんに吐き気はうそのように無くなってしまった。
やはり気の持ちようなのか・・・。

それにしても実家が懐かしく感じた。
23歳の時には転勤のため東京に上京していたし、なにしろ中一からまったく家には帰らずに遊びほうけていたから・・・・。

私の部屋はすでに物置と化していてとても寝起きができる状態ではなかったので、去年結婚して出ていった兄の部屋でとりあえず寝ることにした。


実家に帰ってからは嘘みたいに体調がよかった。
調子に乗って地元の友達と3日に一回はカラオケに行ったりしていた。
買い物にも行かなくていいしご飯も作って出してもらえる一緒に連れてきた犬の世話までしてもらえる。
なんて楽なんだろう・・・。
私は親に甘えながら友達と遊んだりして楽しい日々をすごしていた。
それでも5日に1度くらいはたまに夜中にもどしたりしていたが皆からは
「なんだ全然ツワリひどくないじゃん。」
といわれていた。
自分でも‘あれ、ツワリなくなっちゃったのかな?‘と思うほどだった。

10月10日に夫が実家の近くの営業所に研修で来ていたので11日に一緒に自宅に帰ることになった。
11日はあたしの誕生日。28歳になった。
帰りにレストランに寄って食事をすることになったけど、私は胃がむかむかして食べられず結局夫がほとんど食べてしまった。



入院

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