2004年03月12日
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こんばんわ。

今日は昨日の続きです。昨日は規模が大きくなるにつれ放し飼い養鶏では原虫などの虫が卵の中に含まれるという問題が無視出来なくなるってお話をしました。
 昨日読んでない方のために軽くおさらいしておきますね。

原虫という虫(ノミみたいなもの)が鶏さんのお尻に住み着くとね、そこで繁殖していき、徐々にお尻から身体の内部に侵入していってしまうんです。
 最終的には卵のもととなる原料のところまでいってくっついてしまう。
 そして、そのまま白身と殻をまとい立派な卵として産まれてくるんですよ。それが何食わぬ顔をして我々の食卓に登場することになるんですって話でした。

 ここで誤解のないようにフォローしておきますが、全ての卵が虫を含むってことにはなりませんよ。
 ただ、虫が多く繁殖すればするほどその可能性は飛躍的に上がります。
 当然、虫っていうのはいったんその場で発生すると薬品を大量に使用して死滅させない限り、少しでも生き残れば常駐化しますからね。



そして、この常駐化っていうのがやっかいなんです。放し飼いではなかなか駆除できません。

そこで当時の人々は対策を練って実行に移していったわけですね。

(やっとここからが今日の本題です。)

まずは虫や細菌との接点を無くそう。地面から離して飼うようにすれば虫や細菌なんかと直接、接することもなくなるので大丈夫なはずだって考えました。そうすれば、鶏も地面に落ちている自分の糞を突っついて口からまた新たに虫や細菌に感染するってことも減りますからね。

 そこで、柱を地面に立てて、竹であんだ網目状の床を作って柱にくくりつけその上で鶏を飼うようにしたのです。

結果はというと・・・散々でした。(><)

竹の網目状の間に虫達が住み着いて数が減るどこか逆に増えてしまったケースも出てきたのです。竹ですから網目状っていっても糞もいたるところに引っかかりますのでそこが新たに繁殖源となります。
 それに、いくら地面から離しても網目状の床の継ぎ目に格好の隠れ場所があるのでそこに住み着いてしまいます。薬品を散布したところで影に隠れてしまい、あまり効果がでません。そのうちに薬品に対する抵抗力もついてきてしまいました。

そして、最終的に・・・この作戦は失敗に終わりました。

 次に考え出されたのがさらに床を高くして細い金属製の棒でカゴを編んでその中で飼う方法です。

結果はというと・・・



 細い棒で編んでいますし、継ぎ目も溶接(金属を溶かしてくっつける方法)でしたので虫も隠れるところがありません。当然、鶏の糞も引っかかりにくくなりました。

 こうしてカゴで飼うことにより虫や細菌の感染という面での危険性は大幅に減り飛躍的に衛生面は向上したのでした。

でも喜んでばかりではいられません。このカゴには一つ欠点がありました。

 それは、細い棒で作ったものなのですぐにカゴが傷んでしまいます。耐久性がとっても悪かったのですね。新しいのを設置しても5年くらいで新しいカゴを交換しないといけませんでした。

正直5年なんてあっという間ですよ。



とうでもない話でしょう?

 そのためとってもコストがかかりました。でも、衛生面への取組みに対して背に腹は変えられません。
 みんな、じっと日本の技術が進むのを待ってました。ようやく、ここ10年くらい前あたりから溶接技術やメッキ技術も向上してきて10年くらい持つ鶏かごが出来るようになりました。

そして、今があります。

はたから見ると、鳥かご飼育はかわいそうですがこういった事情があっての結果なのです。

 (だからといって、鶏かご飼育が最高に優れた飼育方法っていう気はもうとうありません。
 特に鶏かごを何段にも重ねて同じ建物で飼育するのはさすがにやりすぎだと思います。
 我が家でも2段です。2段にしてある程度空間の密度を上げないと真冬の寒さに鶏さんや建物全体が耐え切れませんから。
 冬さえ厳しくなければ一段で飼育するところですが、そのあたりは今後の課題です。)

こう考えるとね、ようやく衛生面と経済性の両方を追求した飼育方法と技術が確立したのはつい最近なんですね。

 それまでは思考錯誤の繰り返し!
 もちろん、今も日々向上していますけどね。最近は特に餌の内容と鶏の性格に合わせた飼養技術の研究がさかんになってますね。


さて、皆さんこの話を聞いてどうですか?

かなりはしょった説明なのでわかりにくかったかもしれませんが、
 我が家を含めた鶏かごでの飼育方法っていうのはこうした経緯を経て日本の養鶏技術の進歩と共に今の飼育スタイルに変わっていったことだけはおわかりいただけたのではないでしょうか?

 ちなみにこの鶏かごスタイルの利点にはもう一つ大きなメリットがありますが、話が長くなるので次回に持ち越しますね。
 どちらかといえばこの理由の方が皆さんは納得するかもしれませんが・・・。

ということで本日のお話はおしまいです。ありがとうございました。
<終>






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最終更新日  2004年03月12日 22時00分13秒
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