一日ひとつありがとう

一日ひとつありがとう

詩のいもこ

ひばりのよなき   やきいも


あめがふる
ドウドウゴウゴウとたたきつけ
くさはなやまも 木も いしも
ふっても ふってもまだやまぬ
あたまのさきから つまさきも
土のながぐつはこうとも
すべてが雨になるように

うみのさかなもいっている
もう雨やまぬか 風うつな
くらくて この子がなきやまぬ

いじわるカラスの悪童も
かあちゃ こわいとないている

つめたい夜だよ
いつおわる
かあちゃの歌もきこえない


かっちゃ、かっちゃ、
じゃあどして?

ほら泣いてるよ
にんげんも

どうしてお屋根がある家と
どうしておふとんない家と

からすのやつもなくけれど
おいらもこわくてなくけれど

どうしてなかないにんげんと
すやすやゆめみるにんげんと

ねえ どうしてなの ねえ かっちゃ?

あちらのにんげん
寒さやら

そちらのにんげん
はらぺこや

むこうのにんげん
いたみやら

ここらのにんげん
かなしみや


どっかでねむれぬにんげんの
たかいわらいごえもする


ぼくもからすも晴れたなら
空に飛べるはかわらぬよ


どうして泣いてるにんげんと

かなしみみえないにんげんが

おんなじにんげんだというの?

ねえどうしてなの

ねえ かっちゃ



さあ おねむりよ
おしゃべりな
かわいいぼうやよ 
木のふとん

あめで濡れれば 晴れた日が
どんなに温いかわかるだろ?

ああ、にんげんは悲しみや
痛みもみえぬときがある

いやほんとうは見えるども

かなしきこころというものを

どこかにおいてわすれるか
くもがあつくてみえないか
かあさんだってわからぬよ

さあおねむりよ
かあさんの
はねですこしはあたたかろ?

わたしもお前のむくもりで
あめのさむさもかんじぬよ

さあ オネムリヨ オネムリヨ

ないてる にんげんだって いま

きっとわらえる あさがくる
そでなきゃ かみさま かあさんが

はれたらたのみにいってみよ

どうか かわいいぼうやため
どうか やさしいぼうやため

ないてるにんげん わらうよに
あすは どうかかみさまに

かあさんいってたのもうよ

だからおねむり
ね ぼうや


あすは かあさん ぼうやため
みんなゆめみるよをくれと

かあさん いってたのもうよ




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