探偵Qちゃんの探偵な日々

探偵Qちゃんの探偵な日々

素行調査 編



相談者は30代後半の女性でした。

ちょうどお昼に電話で問合せがあったんですけど、いつもとは少し感じが違いま
した。

「あの~、調査をして相手にばれるようなことはないんでしょうか?」

「はい、もちろんです!うちの調査員は特殊な教育や訓練を受けてますからね!
ばれるようなことはありません!御安心ください!どうしても心配なら僕が現場
に出ますから!」

「そうですか・・・。そう言ってもらえると安心です。」

「それじゃ、事務所のほうで詳しいお話をお伺いしますね。」

そうして、次の日の夕方に面談をすることにないました。

電話では時間が無いから、良詳しい話を聞くことができなかったんです。だから
、会ってからの話になったんです。

「初めまして。Qちゃんです」

「どうも初めまして。昨日は電話で失礼しました・・・」

「いえいえ、気にしないで下さい。お仕事されてるんですか?」

「はい、昼間は勤めに出てます。昨日はお昼休みに電話をしました。」

「やっぱりそうだったんですね。ちょうどお昼だからそうかなって思ったんです
。じゃ、早速、お話をお伺いしましょうか」

「実は、高校生の娘のことで相談があるんです・・・」

「娘さんですか?」(浮気かと思ってた・・・)

「はい。高2になる娘がいるんです。その娘のことで・・・」

「娘さんがどうかされたんですか?」

「最近、素行が悪いんです・・・。」

「あ~、なるほど、思春期ですもんね。」

「少しくらいの反抗とかなら、私にも経験がありますからわかるんですけど、な
んとなくちがうんです・・・」

「違うというと?」

「えぇ、あんまり話さないんです・・・。特に反抗するわけでもないんですけど
、服装とかは変わってきて・・・制服のスカートなんかはかなり短いし、髪の毛
も茶色になってるし・・・それをどこで染めてるのか・・・あんな短いスカート
はどうしたのか・・・最近は帰りも遅いですし・・・でも・・・」

「でも?」

「一番、気になってるのはお金のことで・・・」

「お金ですか?」

「うちは、家のローンやらで家計はかなり苦しいんです・・・だから私も働いて
ますし、だから娘にはそんなにたくさんのお小遣いは渡してないんです・・・。
それが、最近はけっこういろんなものを持ってますし、化粧とかもしてるんです
・・・。この前、気になって娘の部屋を見たら、ブランドのバッグとかを持って
るみたいなんです・・・。そんなお金を持ってるはず無いから、娘に聞いたんで
す。お金はどうしたの?って・・・。そしたら、お年玉を使ったって言うんです
けど、そんなにあるはずないし・・・」

「なるほど、そういうことですか」

「最近、テレビでも言ってるじゃないですか・・・。女子高生の援助交際がはや
ってるって・・・。私、気になって仕方ないんですけど、さすがにそんなことを
聞けないし・・・。主人に話しても娘に限ってそんなことは無い!って真剣に聞
いてくれないんです・・・」

「まぁ、御主人も、そんなこと信じたくないでしょうからね・・・」

「えぇ、でも、このままじゃ不安は消えませんから・・・絶対にばれないのなら
、娘の「素行調査」をお願いしようかと・・・」

「わかりました!僕に任せてください!ちゃんと娘さんの「素行調査」をやりま
すから!もちろん絶対にばれませんから安心してくださいね!」

「よろしくお願いします・・・。」

ということで、女子高生の「素行調査」をすることに。

クライアントから預かった娘さんの写真は高校入学当時のもの。

クライアントの言うような、短いスカートや茶色い髪は最近のことですから、写
真の少女は実に純粋に見えました。

次の日から調査開始です。

朝、クライアントの自宅の見える路上に車を停めて調査開始。

前情報どおりの時間に対象者(娘さん)は玄関から出てきました。

正直、驚きましたね!

だって、写真の少女とは似ても似つかないくらいに違うんです!

顔は化粧をしていて、まるで「浜崎 あ○み」みたい・・・

服装は制服を着てるけど、スカートは超ミニになってます。自転車に乗ったんで
すが、そのときにパンティーがチラチラ見えるくらいです・・・

足には、伸ばしたらどれくらいの長さになるんだろうって思うくらいのルーズソ
ックス・・・

はっきり言って、細いとはいえない足・・・

僕は「ガンダム」に出てきた「ドム」の足を連想してしまいました・・・

髪の毛は茶色というより、金髪・・・

僕は、頭に焼き付けてる対象者の顔のイメージを書き換えました。

対象者は予定通りに自転車で最寄の駅まで移動。駐輪場に自転車を預けて駅へと
歩いていきます。

駅の改札へ上がる階段では自分のお尻をカバンで隠しながら上がっていきました
。(そんなことするくらいなら、長いスカートを履いたらいいのに・・・)

そんなことを思いながら尾行・・・

ホームでは同級生らしい女子高生と合流して楽しそうに話してます。(みんなコ
ピーみたいに同じ服に、同じ顔・・・)

調査員には、到着予定の駅に移動してもらって、僕は対象者と一緒に行動しまし
た。

結局、そのまま高校へ・・・

僕と調査員は車に乗り込んで学校が終わるのを待つことにしました。

3時過ぎになって、ようやく下校する生徒の姿が見え始めました。

正直、焦りましたね・・・

同じ格好の女子高生が続々と出てきますから、見付けられないんじゃないかって
思いました・・・

調査員と二人で眼を凝らして、なんとか発見!(ホッ・・・)

また、尾行再会です。

同級生の女子高生3人とコンビニへ寄ってお買い物。お菓子やジュースなんかを
買い込んで、そのまま近くのゲームセンターに移動。

ゲームをするんじゃなくて、同級生と一緒にプリクラ撮影。

3人でプリクラを切り分けると今度はショッピングセンターのなかの小物雑貨店
でお買い物。そして、ランジェリーショップで下着を購入。(最近の女子高生は
派手なのを着けるんですね・・・)

その間、対象者はズ~ッと携帯電話を握り締めて、メールをしているようでした


その日はそのまま同級生と別れて帰宅。

クライアントにそのままを伝えました。

クライアントと僕の意見は一つのことで一致。

「そんなにお金を持っているはずない・・・」

クライアントから調査の延長を依頼され、引き続き調査をすることになったんで
すが・・・

クライアントと僕の意見は一つのことで一致。

「そんなにお金を持っているはずない・・・」

クライアントから調査の延長を依頼され、引き続き調査をすることになったんで
すが・・・

次の日から調査はいたって単調・・・

毎日、同じことの繰り返し・・・

違うことといえば、コンビニで買い物をした後にゲームセンターに行くか、コン
ビニの外でたむろするか・・・

そんなことの繰り返しをしながら金曜日になりました。

調査を開始してから対象者の使ったお金は概算でも8000円くらいになります
。プリクラ代とかを入れると、もう少し増えるかな・・・

金曜日の午後・・・その日はいつもと様子が違いました。いつよりカバンが一つ
多い・・・

いつもなら同級生と一緒に行動するんですけど、この日は早々に別れて駅へ向か
いました。

駅に着くとそのままトイレへ・・・

なかなか出てこないから(生理かな・・・)なんて思ってると、出てきました!

それも、制服じゃありません!私服に着替えてます!(お姉系)

変わるもんですね~!パッと見じゃ、女子高生に見えないですよ!

対象者は荷物を駅のコインロッカーに預けて身軽になると電車に乗って二つ先の
駅まで移動しました。

そこで電車を降りると近くの商店街をプラプラと歩きながら携帯電話でメールを
しています。

しばらくして突然向きを変えると、また駅に歩いていきます・・・

駅に着いたら比較的人の少ないところでしゃがみこみました。どうやら、人待ち
の様子・・・

間もなく、乗用車が一台、対象者のもとへ近づきました。

窓越しに運転手と少し話してから対象者は車に乗り込みました。

運転手は30代くらいでサラリーマンふうの男性・・・

どうみても、初対面って感じです。

僕は調査員の運転する車に乗り込んで追跡開始!

車はどこにも寄り道しないで、そのまま近くのファッションホテルに入りました


対象者の乗った車は駐車場に車を停めてから車内でなにやら話してます。

運転手が何かを対象者に渡したのは見えたんですが、それが何だったのかは見え
ませんでした・・・

それから対象者と運転手はホテルの中へと消えて行きました・・・

最悪な結果です・・・

恐らく、「援助交際」でしょう・・・

「援助交際」って言ったって、ようは「売春」ですよ!!

1時間半くらいして二人が出てきました。サラリーマン風の男性の顔がやけにす
っきりしているように見えたのは僕の気のせいでしょうか・・・

対象者は車に乗った駅まで乗せてもらって、そこで車を降りました。

それからまた、携帯電話でメール・・・

そしてまた、車が対象者に近づきました・・・(マジ?)

結局、さっきのホテルの隣のホテルに入って同じような光景を見ることに・・・

ただ、そのときは男性が現金を1万円(たぶん)渡したのが見えました・・・

やっぱり「援助交際」です・・・

同じくらいの時間が過ぎて二人がホテルから出てきました。

対象者は電車に乗っていつもの駅で降りるとまたトイレへ・・・

制服姿の対象者がトイレから出てきて、また電車に乗って・・・

そのまま帰宅していきました。

どことなく対象者の姿は疲れて見えました・・・

週明けの月曜日・・・

僕はクライアントに連絡を取って調査結果の報告です。

すごーく嫌~な時間です・・・

僕はクライアントに落ち着くようにお願いしてビデオデッキのスイッチを入れま
した・・・

モニターに映し出される映像に、クライアントは何も言わずに見入っていました


ビデオが終わるまでも無く、クライアントは憮然としながら僕に言いました。

「どうしたらいいんでしょう・・・」

「・・・・・・・・・・・・・・・」

「なんでこんなことを・・・・・・」

「御主人に話されるのは、少し待たれたらいかがですか?

こういうことはかなりデリケートな問題ですから、女性同士で話されたほうがい
いんじゃないかと思います。」

「はぁ・・・でも、どうやって切り出せばいいんでしょう・・・?」

「そうですね・・・、一度二人きりになって本人にお金の出所を追及してみては
・・・、若しくは、○○さん自身が見たことにするかですね・・・。探偵を付け
たことや、このビデオのことは言わないほうがいいと思いますよ。」

「はい、そうですね。たまたま見たことにします・・・」

「あまり刺激しないほうがいいと思います。ゆっくりと話されるほうがいいでし
ょうね。場合によっては、悪い方向に進むこともありますから・・・。」

「そうですね・・・」

「あと、病院に行くほうがいいですよ。本人にもその話はされたほうがいいと思
います。

素行について叱ることよりも、娘さんの身体を心配してあげたほうが話が軟らか
く伝わると思いますから。」

「そうですね・・・わかりました。お小遣いが少なかったからでしょうか・・・
。なんで、こんなことに・・・うぅぅぅ・・・」

「元気出してください!問題はこれからなんですから!

今は泣いている場合じゃないですよ!お母さんがしっかりしないといけないとき
なんですから!」

「わかりました・・・お世話になりました・・・」

がっくりと落ちた肩を見送るのはとっても辛かったですね・・・

何週間かしてクライアントから電話がありました。

「どうでしたか?ちゃんと向き合って話はできましたか?」

「はい。最初は本人もそんなことはないって否定してたんですけど、ゆっくり話
していくうちに話してくれました。病院にも二人で行きました。」

「そうでしたか。よかったですね!」

「本人の話だと、お小遣いが少ないというよりも、友達に教えられたみたいです
・・・その友達はブランド物を持っているみたいで、すごく軽い気持ちでやって
しまったらしいです・・・」

「そうですか・・・。」

「でも、私も家事と仕事で娘とあまり話さなかったですから、私にも責任はある
と思います・・・」

「そうですね。僕は偉そうなことはいえないですけど、これからは娘さんとのコ
ミュニケーションをもっと大切にしてあげて欲しいと思います。わざわざお電話
いただいてありがとうございました。」

「いえいえ、とんでもないです。本当にお世話になりっぱなしでしたから、連絡
しないとって気になってたんです。それから・・・」

「なんですか?」

「今回のことは夫には話してないんです・・・いいでしょうか?」

「そうですね~、う~ん、ま、知らないほうが幸せなこともありますからね~。
これからの娘さんの生活態度をみてからでもいいんじゃないですか?」

「そうですね!わかりました。そうします。本当にお世話になりました。失礼し
ます。」

電話を切って、少し救われた気持ちになりました。

娘さんが更正してくれることを祈りますね。

それにしても、最近の女性は早熟ですよね~

ネットの中でも

(え~これってマジですか~)

って言うのをよく見ますもんね~

でも、もっと、操を尊ぶというか、大切にして欲しいですよね。

それと、男性にも問題大ですよね!

簡単に女性の身体をお金で買うな~!って思います!

日本を始め、これからの世界の将来が心配ですね・・・

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