あたしはあたしの道をいく

2006.07.11
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カテゴリ: 本@浅田次郎
珍妃の井戸



『蒼穹の昴』のイキオイに乗ったまま、読んじゃいました♪



『蒼穹の昴』の後日談、といった感じで、登場人物もかなりカブります。

『蒼穹の昴』の主人公だった、西太后・梁文秀・李春雲は出てこないけど、

その脇を固めてた人たちはかなり出てきます。

だから、『蒼穹の昴』を読んでないと分かんない事が多いかも。

続編とか何とか、そんなことは装丁に一切書いてないけど、

もし『珍妃の井戸』を読んでみたいと思う人があれば、

先に『蒼穹の昴』を読んでね♪





義和団の乱が起きたのをキッカケに、欧米列強(ロシア・日本含む)が鎮圧に乗り込んだ。

その義和団事件の最中、皇帝(光緒帝)の寵妃(珍妃)が井戸に落ちて亡くなった。

光緒帝と珍妃は先の政変の首班として西太后によって別々に幽閉されていた。

その珍妃が亡くなった、意味は?

珍妃を殺害したのは、誰?

義和団事件の真相を求めるために派遣されたソールズベリーがその謎に挑む。



すごかったっすー。



もう、『蒼穹の昴』の脇役サンたちが喋りまくりっ!

『蒼穹の昴』を読んだ身だと、「え~、そりゃ無いっしょ~ッ!」なんて思いつつ。

てーか、梁文秀と李鴻章出してよ~!



義和団事件 についても、あたしは殆ど知らないの。


だけど、やっぱり流れに逆らえない哀しい清朝の運命があって、

それを清朝側から見ると、列強の傲慢が見える気がする。

その中に日本が入ってたって……辛いね。



なんかね、ここしばらくニュースを騒がせている、朝鮮半島の国。

かの国から今の世界を見たら、こうなのかしらってふと思った。





立派な太鼓腹を抱えた首脳陣がテレビに映る一方で、飢餓の状況は深刻。

場当たり的な言い逃れが好きで、生命の価値が非常に低く、

逆切れも武力ちらつかせもアリの、瀬戸際外交。

でも国民に盲目的に愛される指導者が居る、一種異様な国。



だけど……

あの国から見たら、世界ってこんななのかな。

理不尽なことを次から次へと言ってきて、

重箱の隅をつつくように制圧の機会を狙ってる。



今はもう、植民地だの武力制圧だのって言ってるような時代じゃないけど、

欧米列強に自由化と資本主義化を強要されて、

それって植民地化と似たような感覚かもしれないね。



何年かして、今の情勢が一応の決着を見て、

そしてさらに何十年か経って歴史が強者を語るようになったころ、

北の内部を書いた小説が、この小説みたいに出るかもしれないね。

それってちょっと楽しみかもしれない。

あたしが生きてる間に、出版されるかしら。





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Last updated  2006.07.11 12:22:34
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