あたしはあたしの道をいく

2007.03.09
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ヰタ・セクスアリス改版



しかも、これがどーゆー作品か分かってなかったし、

セクスアリスがSEXUALだとゆーことも分かってなかったので、

フツーにカバーもかけずに通勤電車で読んだ(恥

いや、まあ、分かっててもカバー無しで読んだろうけど。



まあ、当時発禁になったとはいえ、

これは文学史に燦然と輝く森鴎外の代表作。

しかも、鴎外先生、医者のせいか横文字が多くて、エラく難しいし。

註が無きゃ読めんっつーの。





鴎外の性に関する自伝的小説。

幼少時から大人になるまでの性の目覚めを振り返って書いてる。

ガキンチョの時から変わらず、好奇心と知識欲にひっぱられる形で女性を知ったが、

性欲・肉欲・色欲的なものでは非常に淡白で、萌えたからじゃない、と。



ンな人間が、昆布巻き喰うか~ッ!

ンな人間が、西洋から女連れ帰るか~ッ!



なんか、男の言い訳を延々と聞いてるみたいだったわ。

言い訳もこんだけ綿々と丁寧に書かれちゃ、あっぱれとしか言いようが無いっつーか。

なんか、萎えた。

脱力。



にしてもさ。





モデルが誰某なんて書かれてるけれどもさ、

若いときの回顧モノだから、当然若者ばっかりなのよね。



なのに、も、今の若者からは考えられない知識人ばっかなのよね。

愛読書が韓非子、なんつー学生が居たら引くでしょ?

なのに、それだけじゃなくて、漢詩は詠むし、句は捻る。



バケモノだわ。



いや、まあ、鴎外先生の功績自体、バケモノみたいなもんですが。





ところで。

コレを書いてて思い当たった。



あたし、前にここで、

「あたしが好きなのは、読者じゃなくて、本。

 読んだことの無い本があると思ってもときめかないけど、

 見たことの無い本があると思うとときめく」

ってなことを書いたことがあるんだけどさ。

あたしにとって、読んだことが無い本があるってのは、

どちらかというと劣等感なのよね。



鴎外も、『舞姫』『高瀬舟』は読んでるけど、『ヰタ・セクスアリス』を読んだのは初めて。

志賀直哉も、前に『和解』を読んだときに『暗夜行路』を読んでないことを書いた。

これだけじゃなくて、文学史に評価されてるような小説、

あたしはロクに読んでないのよ。

新潮文庫夏の百冊、なんて見たら凹んじゃうわよ。もれなく、毎夏。

アレも読んでない、コレも読んでない、ソレも読んでない。

なのに、趣味が読書なんて、恥ずかしくて言えん!

って感じでさ、読んでない本がたくさんあることは、コンプレックスなのよね。



でも、冷静に考えてみると、あたしは2週間に3冊くらいペースで読んでるのよね。

これが、一ヶ月になると6冊以上でしょ?

つまり単純計算して、一年で70冊超。

他にもマンガとか上乗せすると、年間100冊くらい読んでるわけよ。

まあ、読書の中にマンガを入れるかどうかは別問題だし、

読み返してみたり、全○巻みたいな続き物もあるけどさ。

活字離れが進んでる昨今、決して少ない量じゃないよね。

むしろ、多い方なんじゃないのかしら。

そんなに自分の事を卑下するほど、読んでないワケじゃないんじゃないかしら。

なーんてことを、初めて考えてみた。

ちっとビックリした。





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Last updated  2007.03.09 12:33:21
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