あたしはあたしの道をいく

2008.04.17
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カテゴリ: 生活の楽しみ
行ってきました、京都!

広島は一日中雨だったようですが、普段の行いがよかったのか、

京都ではポツリポツリと雨滴を感じることはあったものの、

傘が必要になるような振りではなく、傘はお守りに終始しました。

カラリと晴れたならきれいだったろうに、と思う景色にも出会いましたが、

薄曇りのおかげで暑くもなく、人も少なく、却って恩恵を受けたような気がします。



久しぶりの一人旅は、とてもドキドキしました。

結局、夫にだけは言いましたが、実家の両親にも、子どもにも、会社にも内緒。

何食わぬ顔でいつもの出勤時間に家を出て、新幹線に飛び乗ったのでした。





新幹線の車内で、一瞬見知ったような顔を見ると、ドキリとします。

結局、どれも「見知ったような顔」に過ぎず、「見知った顔」では無いんですが(笑

そんなドキドキも、楽しみの一つでした。



京都駅からは、まっすぐ石山へ。

石山へ向けての車内では、古典に良く出てくる地名が、そのまま駅名になっていて、

それを見るだけで京都へ来たなあ、という気がします。

文中で地名を見ただけでは、どれだけ辺鄙なところか分かりにくいのですが、

電車で揺られていく道のりを、牛の曳く車に乗ったり、歩いたりの道中では、

さぞ、辺鄙なところ、と思われたのだろうなあ、なんて考えたりします。



とはいえ、石山駅までは10分少々。

あっという間に、着いてしまいます。





山門前のバス停で降りてみると、そこは琵琶湖に注ぐ大きな川のほとりでした。

みやげ物屋などが何軒もあって、さすが観光地といった観の、下世話さ。

山門にはぺたぺたとこれまた下世話な千社札が貼られているのに閉口するものの、

(一体全体、どこで売ってるんでしょうね?)

山門をくぐればそこは別世界。





はらりはらりと散り遅れた花びらが落ちてきます。

桜のほかにも、紅葉が新緑を賑やかにしていて、秋の美しさを思わせます。

そこへ、源氏千年紀に合わせて、黒い鉄柱と和歌を散らした透明板が立っていて、

これがもう、ゾクゾクするくらいきれい。

新緑の中に屹立するそれは、美しいというより、官能を刺激される感じでした。

VFSH0298.jpeg

萎える脚を運んでいきますと、中に古そうな建物がいくつかあり、

その中へ源氏関係の展示物があります。

衣装関係の展示物のところは、生憎14日で閉めてしまっていて、残念でした。

隣には田辺聖子の源氏関係が展示されています。

中にはBGM代わりに、田辺聖子の講演を録画したものが流れていて、

思わず聞き入ったりなんかしちゃいました。

そのまた次は、島崎藤村がしばらく滞在したという建物。

古い建物なので、天井が低く、ガラスが波打っています。

そこでは、苔むした庭が見え、せせらぎが聞こえ、シンと心が落ち着きます。

こんなところに座していたら、さぞ、筆が進んだろうと思います。



上へ向かって上がっていくと、本堂があります。

お遍路さんのような格好をした人たちがたくさんいて、

流石にここは霊場なのだ、と心が引き締まる思いがします。

まあ、お遍路さんたちも、観光客もざわざわと賑やかですけれども(笑



ここで厄落としの絵馬を納めまして、本堂の脇へまわると、

紫式部が源氏を書いたと言われる間があります。

女童を従えて、文机に向かう式部の人形が置いてあります。

VFSH0296.jpeg

ここからは琵琶湖が見え、それを見ているうちに思いついて書き始めたのが源氏、、

という話なのですが、生憎、当時より木が随分育っていて、琵琶湖は見えません。

でも、その房から垣間見る下界は、とても心が洗われます。

それに、隣から聞こえてくる経でも聞き、香を嗅いでいるだけで、ご利益がありそう(笑



石山寺の敷地は思いのほか広く、まだまだ上があります。

ところどころに桜があり、紅葉があり、つつじがあり、

地は苔に覆われ、古そうな建物が点在しています。

まるで千年先まで計算して作られたような、絶妙。

本当はとっても手が掛かっているのでしょうが、それを感じさせないさりげなさ。

すごいです。



が。

その中に白いコンクリート作りの、古そうで無粋な建物……。

源氏の展示物があるところです。

ものすごーく萎えます。がっくり来ます。

中の展示物は良かったのですが、何しろ外観が……。

この桜は、その前に立っていた枝垂桜。

VFSH0297.jpeg

で、そんな感じで石山寺を一周しまして、下界にて昼食。

まだ時間に余裕がありそうだったので、宇治を目指します。



宇治、10年前に行ったときは源氏ミュージアムが完成していなくて、

残念な思いをしながら宇治散策を楽しんだのですが、

今回はピンで 源氏ミュージアム のみ。



入館料500円也。

と、わざわざ書いてみる(笑



20分間の映画と、二部屋の展示室。

これで、500円。

高いような、安いような……。



でも、六条院前景模型と、実物大車、これは見る甲斐がありました。

六条院、馬鹿でかい!

広大、ってのは何度も書かれてるんだけど、こんなに広いとは!

人物が小さく、驚くばかりです。

それに、車!

座面の高さが私の胸ほど、車の直径は私の背丈ほど。

こればかりは、実物を見てみないと迫力が分かりませんね!



それに、もう一部屋に八の宮邸を覗き込む薫人形があるんですが、

私と同じか、心持ち低いくらいの身長。

そうだ、この時代の日本人は、現代よりもっと小柄だったはずだわ……。

こういうのも、実物を見てみないと分からない。



ピンで見るには物足りない施設だけど、散策のついでなら貴重な経験が出来ます。



そんなこんなで、駆け足で新幹線に飛び乗って、戻りました。

帰途、自分の体からいいにおいがすることに気がつきました。

色々なところで炊かれていたお香の匂い。

髪に染み付いて、とても幸せな感じでした。





歩きすぎで、今日は筋肉痛。

でも、また、今年中にもう一度行くぞう!







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Last updated  2008.04.17 12:36:24
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