あたしはあたしの道をいく

2008.06.16
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カテゴリ: 本@浅田次郎

椿山課長の七日間(なのかかん)

久しぶりの浅田次郎。

積読だった『バッテリー』との相性が悪く、読めなかったので、

正直、小説は全部ダメなんじゃないかと思ったけど、違和感無く読めた。



久しぶりの浅田節、すっごくキク。

駄洒落みたいな下世話な笑いあり。任侠あり。

家族模様あり。男心あり。泣きのツボ刺激あり。



【粗筋】

高卒には珍しく課長まで出世した、デパート婦人服売り場課長の椿山は、

バーゲン初日の業者接待の席で倒れ、そのまま故人となる。



椿山には気になることが多すぎる。

冥途の入り口の中陰で極楽往生も出来ず、現世に戻ることを選択する椿山。

期限は初七日までの、実質3日。

美女の体を与えられた椿山が、現世で過ごす奇想天外で、

フクザツな人間模様が交錯する3日間。



泣ける。

泣けます。



書いてみるとベタな設定なんだけどさ。

椿山の愛妻には実は不倫相手がいて、ソイツは目をかけてる部下だった、とか。

鳶が鷹を産んだような息子は、不倫相手の子だった、とか。

性パートナーとしか思ってなかった同期の女が実はマジだった、とか。



書いちゃうと、陳腐で、ありきたりな、メロドラマみたいなんだけど。



浅田次郎だからねー。

笑っちゃうし、泣いちゃうし、ほんっと、手のひらの上で踊らされちゃう。

小技も効いてるのよね。

閻魔様の審判を受けるべき中陰が、役所よ役所。



ボタン一つでお手軽極楽往生、とか。

何でも出てくる「よみがえりキット」とか。

要所要所で、マジメになりきれずに笑いを取っちゃうのよ。



けど、笑いだけじゃなくて、〆るとこは〆てくる。

例えば、女の体で生理になって慌てふためいて半狂乱になって、

よみがえりキットからナプキンを取り出して下着に当てた途端、

胸にわきあがってくる妻への愛。

笑いから泣きへの、この変化。緩急。

見事よ。



浅田次郎ならでは、って感じ。

笑いのツボと、泣きのツボを同時に刺激しちゃうのよね。

いいわあ♪♪











で。



ここんトコ、旦那さんへの恨みつらみみたいなのも、鬱積してる私。

それが、何となく解消されちゃった。

男の愛情って、分かりづらいのよね。

不器用ってーか、なんてーか。



それって、すっごく不満よ。

なーに勝手なコトぬかしてんだ、って思う。

単に手を抜いてるだけだろ、って思う。



愛はちゃんと伝える努力をしなくちゃ伝わらないものだし、

恥ずかしいから出来ないとか、そりゃ手抜きの理由になりゃしない。

シゴトだってそうでしょ。

逸注の言い訳に「恥ずかしいから手を抜きましたー」が通る会社があったら知りたい。

メンドクサイとか恥ずかしいとかって手を抜いて、あーだこーだと言い訳並べてるうちに、

倒産しちゃったりするわけよ。



家庭や夫婦だってそう。

メンドクサイから、恥ずかしいから、って愛を伝えることを疎かにしてるうちに、

信頼関係はどんどん深刻になって、倒産、崩壊しちゃうわけよ。



男って、バカよね。

関係を崩壊させてもいいほど、体面って大切なのかしら。

大事の前の小事、ってこと、知らないのかしら。

失った後に悔いたって、どーしよーもないのに。

メンツに拘ってるうちに、大切なものを失うかもしれないのに。



あたしも、子どもも、メンツより軽いものなのかしら。

その程度の、関係なのかしら。

恥ずかしい、メンドクサイ、そんな言葉でなおざりにされちゃう関係なのかしら。

あたしたちとの関係より、恥とか面子とか外聞って大切なのかしら。

バカみたい。

あたしたちは、ぜーんぜん大切じゃないみたいじゃない。



けど、そんなバカなことに振り回されてやるのは、もっとバカ。

バカバカしいにもほどがあるじゃない。



やーめたやめたっ!!

バカはバカで勝手にやって頂戴。

それに振り回されて気分的ジェットコースターに乗るのも、

どーんより滅入っちゃうのも、バカらしくてやってらんない。



妻子よりも体裁が大切なら、勝手にやってりゃいいわ。

けどね、あたしは体裁より夫や子の方が大切よ。

あたしはあたしの好きにさせていただきます。



つわけで。

新しいブログつくろー、と画策中(笑



え?

前置き長すぎ?






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Last updated  2008.06.16 11:33:35
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