あたしはあたしの道をいく

2009.10.22
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ぶんぶんぶるるん

子どものための絵本配本サービスで届いた絵本の中に、

『ぶんぶんぶるるん』という絵本があります。



ぶんぶんぶるるん、とミツバチが飛んできて牡牛を射した。

牡牛が暴れたので、牝牛が驚いて機嫌が悪くなり、おばさんを蹴飛ばした。

蹴飛ばされたおばさんは、おじさんにガミガミ。

怒られたおじさんは、ラバのオシリを叩いた。

叩かれたラバは・・・・・・・と延々、ヤツアタリが続いていく。

最後は、小鳥がミツバチを怒らせて、振り出しに戻る。



言葉にリズムがあり、声に出して読んで面白い。



子どもも好きで、読んで欲しいとよく持ってくる。

私も読んでいて楽しいと思える絵本の一つだ。



けど。



読みながら、おそろしい絵本だよなー、と思う。

誰かが何かのきっかけで怒りの感情を抱える。

怒りの発露として誰かにヤツアタリする。

ヤツアタリを受けた人が怒りの感情を抱える。

また次の人にヤツアタリをする。



この本では農場の動物たちを題材に選んでいるからコミカルに楽しめるけれど、

上司に叱られた男が妻に、夫に怒られた母親が息子に、

母親に怒られた兄が弟に、兄に怒られた弟が妹に、



どこかで誰かが止めない限り、ひたすら連鎖していくってところが恐ろしい。



そして、昨日の我が家はコレに嵌った。



タロウがテレビのチャンネルを変えようとしていたのが、うまく行かない。

私に助けを求めたけれど、すぐには対応できなくてもたついたものだから、

タロウが怒って手が付けられなくなってしまった。





ムカッ腹の立った私はテレビの線を引っこ抜き、見れなくしてやった。

謝れば良いものを、更に罵詈雑言を吐き続けながら泣き喚くタロウ。

そこへハナコが登場して、タロウの怒りはハナコに向かう。

ヤツアタリをもろに受けて、ハナコも大泣き。

それがジロウに飛び火して、ああもう、大変。



だけどさ。

やっぱり、止めるべきは、私なのよ。

親の私なのよね。

子どもと同次元で話が出来るって、楽しいことの時には良いけど、

同じレベルでケンカしちゃいけないと思うのよ。

怒りの連鎖を止められるとしたら、私のところのはずなのよね。



なのに、家庭内においては、それが気分転換の早い子どもに課せられてる。

ウチは特にタロウに集中してるけど、よその家庭でも似たようなもんじゃないかな。

それって、変だよねえ。



気付いてみたら、私はたくさんの命令形を駆使していた。

もうすっかり、親業のことなんて忘れてたよ。
手っ取り早く命令に従わせて、都合よく動かしたくて。

それに疑問も感じなくなっていた、私。

当然、怒りの感情にも疑問を感じなくなっていて。



一日を駆け抜けるような生活の中で、余裕が無いのは当然かも知れないけれど、

それは今に始まったことじゃなく、家庭に収まっていた間に身に付けたもの。

私に限って言えば、家庭に居るからこそ身につけてしまったもの。

家庭に収まっていたのは、ほんの1年弱のことなのに、

私はすっかりわがままになってしまっていた。

家庭に入っているのはとても幸せなことでもあったけれど、

大人との付き合いが減り、人間関係を考えることが少なくなっていた。

子どもは優しいから、大人の都合に付き合ってくれるんだもの。



さんざん怒って泣いたタロウは、怖がりなので一人で部屋に居られず、

一緒にお風呂に入るうちに機嫌を直したみたい。

やっぱり、「連鎖」を止めたのは、タロウ。

でも、そこで私は一つの決心をしました。



怒るのを、止める。



タロウとちゃんと話をしました。

前は、「タタキかーちゃん(=問答無用で手が出る)」だったけど、止めた。

それだって止められたんだから、次は「怒りかーちゃん」を止める。

怒るのを、止める。

「おかあさんが怒らなかったら、ご褒美にカレンダーにマークを書いてね」、

と頼んだら、お風呂上りに一生懸命マークを考えていました。



眠る時には、とても幸せそうに私の頬にキスしてくれました。

晩御飯の前には、世界一キライ、バカ、って罵っていたのに。



がんばろう。



がんばるぞ。






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Last updated  2009.10.22 14:04:36
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