あたしはあたしの道をいく

2009.12.15
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オディールの騎士

クラッシュ・ブレイズの新刊。

経済状態の急激な悪化により、一時は入手困難と思われましたが、

無事、ゲットできました。

引き続き、彩雲国の最新刊ゲットを目指したいと思います。



今回の主役は、大型夫婦でした。

でも、オイシイところだけリィが持っていきました(笑



以下、ネタバレで書くので、よろしく。



























表題の人名、「オディール」とは登場人物の一人で、レジャー産業を担う富豪の一人娘。

オディールの父親は、ステキな「井の中の蛙」ないし「小山の大将」。



中途半端に地位名声を手にしたもんだからペコペコしてくれる人も多く、

偏見のカタマリで、ものすごく世界が狭い。

ホンモノの富豪な大型夫婦に対峙しようなんて、器が違いすぎるんだけど、

本人は全然気付いていなくて、傍目にはとっても滑稽。

滑稽だけど、迷惑よね。

そういうのが要所要所のエピソードに挿入されてて、

すっごく辛らつだなー、と思うんだけど・・・・・・。



他人には迷惑に過ぎなくても、娘には害悪だ。

オディールは、父親の毒に晒され続けて成長したため、父親に逆らうことが出来ない。

父親にはその意図は無かったにしろ、オディールは父親に従わなければ殺される、

と長年思い続けてきた。





結局、最後にはオディールは父親の枷を自分で外すことに成功する。

ACの書籍では良く薦められる、親と対決するのだ。

こういう小説だから、オイシイところは主人公夫婦が浚っていく。

主人公夫婦の成したことにより、対決はあっけなくオディールの勝ちに終わる。

オディールは父親の呪縛から逃れるのだ。





ACなら、分かるよね。

対決でオワリじゃないこと。



オディールはこの後、どうなるんだろう。

彼女が本当の意味で呪縛から逃れることが出来るのは、いつだろう。

父親との対決は、AC回復のほんの入り口に過ぎない。

おそらく、この先について書かれることは無いだろうけれど・・・・・・。



そして。

私たち親は、オディールの親と同じことをしていないだろうか。

オディールの父親は極端で、「殺す」というメッセージを送ってしまったが、

親に逆らえば苦痛を与える、というメッセージなら普通の親でも送りがちだ。

私も、親に受けたことについて、恨み辛みを書き綴ってきたくせに、

気付いてみれば、タロウやハナコに対して毎日のように親の権力を行使している。

オディールの父親ほど強烈なものでないにしても、子供にとって辛いことに変わりはない。



オディールの親は、他山の石。

偏狭な世界観も、滑稽なほどの振る舞いも、子供に対する扱いも。

相変わらず、面白いかどうかと言うと微妙な本だけれど、

久しぶりに、自分の言動を顧みるきっかけにはなった。





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Last updated  2009.12.15 11:58:54
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