花に嵐の弥生の空よ



 南風は、太平洋上の高気圧から日本海の低気圧に向かって吹く。時にはフェーン現象を伴い、北陸や越後地方の空気の乾燥と異常高温をもたらす。

 この強風と乾燥で、春は山火事が多くなる季節。暮らしに身近な例は、道路の埃が舞い上がりやすい。かって、札幌は「ばふん風」が有名だった。

 気象庁の風力階級表によると、砂埃が立ち始める風速は5メートル。 時速に換算すると18キロ。この速度は、私たちが深呼吸で吐き出す息のスピードとほぼ同じ。咳をした時の呼気の速さは時速200キロにもなり、喘息で咳込むと息苦しくなり体力を消耗する。

 昔から叶えられない願いの喩えに、「月にむら雲、花に嵐、思うに別れ、思わぬに添う」などがある。この中で「花に嵐」を気象の面から検証した。

 最大風速10メートル以上の強風日数を調べた。北日本と日本海側地方は、真冬の一月が多く、太平洋側の東北地方から九州各地では、早春の三月が最多。今年は桜の開花が早まりそうだが、まさしく花に嵐の季節が近づいてきた。

 真冬は北西の季節風による強風で、春に一変。南海上の高気圧から日本海の発達した低気圧に吹込む強風のため。春は、両勢力が激しくぶつかる気圧配置への変化が速い。よって南と北の強風のダブルパンチを受けることとなる。

 この時期の農作業のアドバイス。ビニールハウスやフレーム作りなど
の作業時は、あらゆる方向からの風対策に抜かりないようにして欲しい。

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