花粉の飛散と春の山火事



既に、陽気が地上に現れる24節気の雨水も過ぎ、いよいよスギ花粉が飛び始めた。東京都の発表によると、今年は平成7年から昨年までの10年間で、最多の飛散数が予測されている。最も少なかった昨年の約27倍、平均の年のほぼ2.5倍にあたる。

そこで、花粉症の方に、直ぐにでもできる天気予報を上手に利用するコツの話を一つ。

花粉の量は前年の日射量や気温の影響が大きいが、その飛散量は湿度の影響を受けることが分かってきた。

一般的に、湿度は場所や季節などを含む観測条件に関係なく、日変化が極めて大きい。すなわち、湿度は日の出とともに下がり始め、日没の頃に再び上昇してくる。平たく言えば、多くの人々が活動する昼間に、湿度は低い状況が続くのである。

そして、湿度が下がり、空気が乾燥してくると軽い粒子には、ますます好条件が整い、大気中を飛びまわりやすくなる。花粉は浮遊粒子なので、風(風向よりも風速)に乗って、発生源のスギ林などから街中の人混みへ一気に飛んでくる。特に、良く晴れた風の強い時には、気温が上昇し、空気も乾燥する条件が重なるので、花粉の飛散する量が多くなる。このような場合に、外出を避けることができる目安があれば良いのである。

そこで、テレビの天気予報で、風が強く空気が乾燥しているというコメントには、十二分にチェックし対策を行うようにしよう。具体的には、乾燥注意報が出ていて、風が強いかどうかを確認するようにしたら良い。

これは、春に多くなる山火事の条件と同じだから、これから農作業に備える農家にとって、他人事ではなく重要な情報である。


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