芋とりんごは健康食 


 16.4.21

 なかなか晴れ間の見えないWTOやFTA交渉だが、農作物の成分に関して、画期的な論文発表が相次いでいる。

 子供の楽しみは食い気でお八つ。
昭和30年代の九州筑豊地方では、鹿児島産の紫イモが登場し、
数あるサツマイモの中で、色やほこほこした舌触りと味覚が極上だった。

蒸かして良く、熱々の石焼の臭いと香りは至福の時と食欲旺盛な胃袋を満たしてくれた。太るのはいやだが、焼イモ大好きな女性に大ニュース。
健康食品として、研究者達に見なおされてきた。

 紫サツマイモに含まれる色素「アントシアニン」が、血圧降下に効果があると九州沖縄農業研究センターが発表した(3月26日農業新聞)。
即ち、抗酸化作用があり、一大産業となるブーム到来の可能性が出てきた栄養補助食品の必須成分。

記事によると、血液中の悪玉コレステロール(LDL)の酸化を抑制し、血液をさらさらにするという。芋を食べて健康な身体や血管・血液を取り戻せるかもしれないと期待が膨らむ。イモは良いもんだ。

 このサツマイモを我国に普及させた功績者は、今も甘藷先生と呼ばれ敬愛されている「青木昆陽」。長引く天候不順が原因の江戸の三大飢饉の一つは享保の大飢饉。一万二千人以上の餓死者に、江戸城は胃袋空っぽ、顔色真っ青。

その時、長年の研究成果と栽培方法を記した「蕃藷考」が大岡越前と将軍吉宗の知るところとなった。3年がかりの国家済民プロジェクトは、途中新井白石の横槍も入ったが、先生達は試行錯誤の末、江戸での栽培に成功。これを契機に全国に広がり、飢えに苦しむ人々を救った。
遺徳を偲んで今も目黒不動に祭られ、毎年10月28日の縁日は「甘藷まつり」で賑わっている。

 次に、りんごに含まれるポリフェノールが脂肪の蓄積を防ぐ効果があると、弘前大の長田助教授が民間会社との共同研究を日本農芸化学会で発表(日経)。

 やっぱり、赤いほっぺにはリンゴが似合う。
終戦直後の「リンゴの歌」が流行ったのは、メロディの良さと滋養があったのだ。

今年の秋はりんごと芋で、味覚と健康を取り戻そう。

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