天気とメニュー


16.5.13

5月は、南北に長い日本列島も津々浦々まで新緑に包まれる。海山の幸が出まわり、食に関しては最高の月で、喉が鳴る。東京オリンピック以前は、我が国も豊富な季節の食物が、何よりのご馳走だった。
 町や村の料理屋などは、旬の食材の初ガツオやソラマメなどを仕入れ、いかに手際良く一品に加える腕があるかが、板前の自慢であり、重要な仕事であった。

今や、ハウス栽培と多種多様な輸入野菜や魚介類が、一年を通して売られている。 お店の売上増のためには、味の外に、客の好みに合ったメニューを絶えず揃える努力が不可欠となる。

そこで登場したのが、天気によって臨機応変にメニューを変えるアイデアである。東京都港区のレストランのある店長は、長い間にわたり賄いを担当している。

 とある日、多くの人達が食べ残した「おかず」に、天気によって差が出ることに気付いたという。その日の天気や気温によって、献立や調理の仕方を変え、無駄を省きコストダウンに智恵を絞ったそうだ。

 晴れの日は外回りの仕事で汗をかく人が多く、同じ食材でも、醤油味の煮物や高カロリーの揚げ物などが好まれる。
 雨の日は、どうしても客の食欲が減退気味で、酢の物などを多くし、ご飯も硬めにするなどの気配りが好評だという。

 このように、その時の天気に応じた献立の組立ては、どこの家庭でも実行でき、食卓に話題を添え団らんの一時を楽しくする。

 野菜などの効果的な出荷時期を知りたい農家やJAは、自分の畑と競合産地の週間予報の天気と気温にも注意を払い、作物の成熟度合いを上手に組み合わせるように心がけて欲しい。


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