健康増進法とビタミン・ミネラル



 米国マクガバン報告に遅れること、四半世紀。連日生活習慣病の記事で各紙・雑誌は花盛り。そんな中、健康増進法が5月1日に施行された。
 第一条の大意。急速な高齢化の進展及び疾病構造の変化、健康の増進の重要性が著しく増大。国民の栄養の改善と健康の増進を図る措置を講じる。

 深刻な健康を巡る状況の規定のみでは悲しい。課題解決の具体策、生活習慣病を如何に改善し、健康を増進するか読取れない。
 法施行のパブリックコメントが公開中。メディアの論評は皮相的でとんちんかん。

 いわゆる、受動喫煙(室内又はこれに準ずる環境において、他人のたばこの煙を吸わされることをいう)防止の法律であるかのように報道・定着しつつある。
 禁煙運動で、真剣に健康問題に取組む人々や団体には、箱の表紙に具体的な病名明記は、大進歩と評価。今や、害毒と公認されたタバコの製造者責任や自販機設置者の責任、ポイ捨てをどうする。他人の健康を勝手に害し、街の景観を損なう喫煙者の責務条項不在。課題解決策が見えない。

 健康問題はタバコで終結でなく、深く本質を知る必要がある。米国医師会は、自国と先進国で蔓延の生活習慣病・肥満の原因を特定。現代病は食源病で、増大する医療費で破綻寸前の財政治療には、食の改善が緊急かつ最重要なプロジェクト。医師はこれを認識し、不足の栄養素摂取方法を指導するよう命じた。我国の医療現場は如何に。

 第二条の大意。国民は生涯にわたって、自らの健康状態を自覚し、健康の増進に努めなければならない。ご立派。厚労省の責任と仕事は明確。将来の健康保険の値上げ予告ではあるまい。

人の体は、日々摂取する食物からなっている。食の安全・安心問題と同等な栄養素が置き去りだ。即ち、国内に流通の全食品の六大栄養素・ビタミン・ミネラルの値は、健康増進の基準を満たしているか。栽培法の変化等で、野菜の栄養価は激減。

法施行の今、直ちに実体調査を予算化し、国民に調査結果を公表するのが義務。これに反対する国民はいない。まさか、霞ヶ関の公僕に、勉強不足の反対者は一人もいない筈。


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