大羽イワシは今どこに



 全漁連の魚食普及のPR曲「おさかな天国」が好調。日曜昼の「NHKのど自慢」で人気者。歌は上手くないが、振り付けや踊りで懸命な組合員の奮闘はほほえましい。イワシ、サバの青物大衆魚に豊富なEPAとDHA。血液さらさら、健康に良く頭も良くなるという。学術的に調査・検証されており、北米アラスカの厳しい食料事情の中、イヌイット人の健康の源と多くの研究者の報告。アレルギーの方には済まないが、現代人の一押し生活習慣病対策魚。

 この「イワシ」が日本沿海から今や姿を消しつつある。ニシンに続き高級魚どころか幻の魚となるのか、その将来がとても気になる。
 日本近海のイワシは、大羽、中羽、小羽、背黒の名前を冠し、巻き網漁船に大量に漁獲されてきた。近海で周年捕獲される回遊魚。とりわけ晩秋から春先まで、銚子沖から石巻沖の太平洋沿岸で、巻き網船の恰好の獲物。

 昭和50年から三年間、巻き網船ニヶ統の網船に乗り込み、ソナーを武器に、ブリッジに立ち昼夜分かたず、魚影を求め操業した事を思いだし複雑な気持。
 当時の乗組員は、石巻・大船渡・八戸出身の東北者と長崎・五島出身者が覇を競っていた。両方の船頭にお仕えしたが、石巻と大船渡の船頭には、多くの薫陶を受け共感をした。粘っこさが一枚上。魚を獲る目つき・姿勢に脱帽。あの素晴らしく銀鱗を輝かしていた大羽イワシは、今どこに。

 塩氷でしめた、鯖と見間違うほどの大羽の刺身は絶品。
 七輪であぶり、揺れる甲板で中腰になりフーフー息を吹きかけ、真っ白な炊き立ての飯を食らい、ワイワイがやがや。三分金の話で盛り上がり、次の漁のエネルギーとなった。

 トラックに満載された魚が、人様に食べられるのはむしろ少量。大半がハマチの餌となる倉庫へ去って行くのを見つめ、憮然たる思いがした。

 漁師は、休漁協定日以外、姿が見えれば生活と腕をかけて魚を追うのが本能。
 多くの事情があるが、大漁のイワシが少量の養殖魚に姿を変へ、抗生物質と共に口にされる事が、正しいのかを問うている。 
 厳しいWTOの一次案への対処としても真剣な抜本策が必要だ。

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