雲と語ろう


2.雲と語ろう

誰でも、お空にぽっかり浮かんだ雲を眺めたり、雲が流れて行くのを見たことがあるでしょう。この雲は、地表や海や川や湖などから蒸発した水蒸気が、大気の中をどんどんと上っていってできた結晶です。
地球の大気は、周りにくらべて、圧力の小さいところ(低気圧)や大きい(高気圧)ところや薄いところと厚いところ(大気の粗密といいます)があって、どこでも一様というわけではありません。
これも、地球が自転しながら太陽の周りを回っていることによります。偉大な太陽の熱によって、暖かくなっているところや、冷たいところなどの温度差が生まれていることで、風が吹くのです。この風が、地球の山や森や川を吹きわたる時に、目には見えない摩擦という力によって、そのエネルギーが増したり、失われたりして常に変化しています。そして、そのエネルギーがゼロになるということはありません。これをエネルギー不滅の法則と呼んでいます。

空気の中には、水蒸気が含まれています。
この水蒸気は、大気の温度(気温といいます)が高いほど、空気中に含まれる量が多くなります。低気圧の中心付近では、空気は上昇する(これを上昇気流と呼んでいます)につれて、どんどんふくらんで、徐々に冷えて行きます。

また、気温によって、その中に含まれる水蒸気の量(これを飽和水蒸気量といいます)は決まっています。
そして、上昇してきた冷えた空気は、ついには水蒸気をその中に、含みきれなくなります。その含みきれなくなった水蒸気を、ふたたび水分として大気中に出してしまいます。

大気の中には、多くの目に見えないチリが浮かんでいます。このチリ(核といいます)に、はきだされた水蒸気がくっついて、水のつぶや氷のつぶとなったかたまりが、やがて発達して雲となります。

雲は地上からの高さによって、低層にできる雲、中層にできる雲と高層にできる雲などに大きく分類されます。気象の専門家は、さらにこれらの雲を、雲の高さや形などから10種類に分類して、天気予報などに使っています。
雲の形や流れて行く方向、高さなどを詳しく観察する事で、漁師やお百姓さんたちは昔から天気を予想(観天望気といいます)していました。これは、温度計や気圧計などの気象測器が発明される前から、行われていて今でも充分に通用するので、山や海に出かける時などには、知っておくと、とても便利なお天気予報の方法です。

雲は、季節によって親しまれているものがあります。例えば、良く知られているのが夏によく見かける入道雲(正しくは積乱雲といいます)です。この入道雲は、雷をともなったり、その雲の中ではとても強い風が吹いていたり、風が上下に激しく運動しているので、飛行機のパイロットさんたちは大変警戒しています。
一旦、この雲の中に入ってしまったら、飛行機の翼や胴体がはげしく揺れたり、急上昇や急降下をするので、決して、近づかないようにしています。
また、集中豪雨や梅雨の頃のどしゃ降りは、この雲がもたらすことが多いのです。
入道雲を見かけたら、急いでお家に帰るようにいたしましょう。

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