動物とお天気


5.動物とお天気

昔から、その土地に伝えられている言葉(これを言い伝えや俚諺と呼んでいます)には、天気に基づいたことがたくさん残っています。だから、自分の町の言い伝えを調べると、ちょっとした、町のお天気博士になれることでしょう。

テレビに出てくるお天気キャスターのお兄さんやお姉さんたちも、色々と勉強しているのです。その土地のお天気には、それぞれ微妙な土地のクセを反映しているものです。だから、その土地のお天気ことなら、とても良く当たるという漁師やお百姓さんがいます。いわば、町のお天気おじさんです。皆さんも、近所のお天気おじさん達と仲良くなれば、お天気に関するおもしろい話が聞けたり、体験ができると思います。もっとも、しっかりと天気図なども読めるようにならないと、まぐれ当たりと言われるかも知れません。

さて、動物の鳴き声、しぐさや空を飛ぶ鳥たちの行動を調べてみると、面白い事がわかってきます。

その土地土地によって、独特の言いまわしや表現の違いが、微妙に異なるようだけど、共通していることも多くあります。決して、鵜呑みにしてはいけないけど、参考の情報として利用すると、我々の身の回りの動物達の習性のなぞなどがわかってくるし、お天気への関心もでてくると期待しています。

皆さんには、自然界の真理や物事の原理を追求し、自然科学が大好きな人になって、正しい判断ができるようになって欲しいと心から願っています。自然科学は、いつでもどこでも、友達同士と一緒の時でも、一人でぼんやりしている時でも、また遊びながらでもできるところが、何よりも素晴しいのです。無理に覚えるのではなく、「これって何だ?」という気持ちがわいたときに始まる楽しくて知的な、とても奥の深い学問の一つです。

最後に、動物とお天気のことわざのいくつかを教えてあげよう。(出典は、天気予知ことわざ辞典です。)

ことわざにある理由などは、もう少し、気象学の知識が必要なことと、その土地の地形や周囲の環境に左右されることも多いので、ここでは特に解説をいたしません。友達や先生などとテーマを絞って、総合学習などで勉強すると、とても楽しくてためになると思います。

最後に、皆さんにアドバイスを一つ。何かを見て不思議に感じたりしたことなどを、教科書や百科事典などで調べたり、先生や大人たちから聞いたことなどを、日記などにメモしておくと良いでしょう。そして、いつの日か一人でも多くの皆さんが、近所のお天気博士って呼ばれるようになることを楽しみにしています。

カラス
 朝、カラスが群れをなして東へ飛べば晴れ
 朝カラスは晴れ
 カラスが夕方早く巣に帰ると翌日は晴れ
 カラスが夜鳴けば翌日は晴れ
 カラスが高く飛ぶと天気になる

いぬと猫
 犬、青葉を食べれば晴れ
 猫が耳を洗うと晴れ
 猫が顔を洗えば晴れ
 猫が朝、露草を噛むは晴れ
 猫が上向きにころんで背中を地にする時は晴天
 猫がのどをならすと天気よくなる


クモ
 クモが網を張るのは晴天が長く続く兆し
 クモが雨中に巣を作れば間もなく晴れる
 クモが多く巣を張るときは晴れ
 クモが夕方巣を張れば翌日晴天
 クモの巣に朝露あれば晴れ


 馬が威勢良くいななくと晴れ
 馬が前脚で土をかく時は晴れ
 馬の敷草が乾くと晴れ

以上

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