徒然”腐”日記

徒然”腐”日記

Jan 8, 2010
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テーマ: 銀魂(1194)
はい~~~~~お待たせ致しております



土桂小説の第七夜です

昨年内に~~~~ってな事を豪語しちまってすんません


つか、続き書き始めたら、二人の距離の縮め方を書き込みたくなっちまいまして


行きつ戻りつ、ちょっとじれったい展開になってます。


・・・・なので、もうしばらく続きます。


今暫くお付き合いくださいませ。






これまでのお話はこちら



第一・二夜



第三・四夜


第五・六夜




では、第七夜です




土桂がお好きな方・・・・・・




どうぞ~~~~~





























僅かに掠れた桂の声で土方は、は・・・・と我に返る。

「手当をするのではなかったのか。」



「あ・・・・・あぁ・・・・・・そうだったな。」



俺は今・・・・何をしようとしていた・・・・?



頬に触れた手を引き、握りしめ

ふ・・・・・・・・・と小さく息を吐いて

土方はゆるゆると体を起こした。



「傷・・・・・・・・見せてみろ。」

色々聞きたい事はあるが、まずは傷の手当てが先決だ。

土方は桂の着物の裾に広がった黒い染みに手を伸ばした。



「良い。・・・・・・・・やはり自分でやる。」

身を引く桂。

「手錠さえなければ問題ない。」



「良いから、見せてみろ。」

だが土方は引こうとする細い肩を掴み、引き寄せた。

「その染みの場所から見て・・・・・後ろ側だろうが。」



「貴様には関係ない。」

引かれて体勢を崩しながら

桂はなおも土方の手から逃れようとする。



「煩ぇな。ここまで巻き込んでおいて、関係ないはねぇだろ。」

「好き好んで巻き込んだわけではない。

むしろ貴様に手錠などかけられなければ簡単に逃げおおせたものを。」



「・・・・・・・んだと?俺のせいだって言うのか。」

「・・・・・・・違うのか。この芋侍が。」

「・・・・てめ・・・・・・っ・・・。」



あぁ、まただ・・・・・・・・・。



土方は眉に皺を刻んで小さく嘆息した。



ああ言えばこう言う。

もともと饒舌でない自分にとってはかなり不利な相手なのだろう。

いや、むしろ端から警戒心を持っている間柄のこと。

会話そのものが成立しないと思った方が良いのかも知れない。



「あぁあぁ・・・・・・・分かった分かった。」

そう思うといっそ気が楽になる。



「あんたがそう思いてぇんなら、俺のせいでも何でも構わねぇよ。」

土方は懐から手拭いを取り出すと桂の膝もとへ放り投げた。

「良かったら使え。」



桂が瞬きしながら手を出すまでに数秒。

「・・・・・・・心配すんな、綺麗に洗濯はしてあるぜ。」

思わずそう付け加えて、土方は背中を向けた。



目の前に、ぽかりと大きい青い月。

猫の額の庭からは遠慮がちに

りりり・・・・・・・・と虫の声。



衣ずれの音を背中に聞きながら

土方はじっと月を仰ぎ見る。



『満月を見つめ過ぎると何やら心が病むらしいですぜィ』

そんな事をニヤつきながら言ったのは総悟だったか

『ま、土方さんの場合、年がら年中中二病を患ってるから関係ねィでしょうが。』



『ガキっぽい世迷い事を言ってるんじゃねぇよ。』

・・・・・・・その時は吐き捨てるように返したが



今夜の月を見ていると・・・・・・

冷やかなその光とは裏腹に、体の奥に再び熱が湧きおこる。



これは月のせいか・・・・・・・・それとも。



ふと振り返ると、桂が着物の裾を捲り

太腿も露わに手拭いを縛りつけているところ。



青い光に照らされた部屋

群青色と黒に彩られただけのそこに

青白くすんなりと伸びた脚が浮かび上がる。



「・・・・・・・・悪ぃ・・・・。」

思わず呟き、土方は慌てて視線を逸らした。



いや、別に謝るこたねぇだろーが!!

そう自分に突っ込んでみるものの



男にしては筋肉の薄い太腿も

細過ぎる踝も

青白い光の中では女性のそれを連想させるのだ。



「・・・・・・土方・・・・・。」

「・・・・な・・・・なんだ、桂。」

呼びかけられて一瞬心臓が跳ね上がる。



「・・・・・・・ちと・・・縛り直してくれぬか。」

さも不本意と言った風に視線を逸らし

桂は足を無造作に土方の方へ向けた。



「・・・・・・・・貴様が悪いのだ。

手錠をかけたまま無茶などするから手に力が入らん。」

見れば手錠をかけた右の手首が、僅かに腫れている。



「そ・・・・・・・・・・そうか。」

土方は出来るだけ桂を見ないように視線を外し

自分が放り投げた手拭いを手に取った。



「・・・・・こんなもんか?・・・・・きつくねぇか。」

縛り直して一言尋ねる。

「うむ、良いだろう。」

あくまで上からの桂の物言いには目を瞑り

土方は再び背を向けた。



「さっきの奴ら・・・・・・一体なんなんだ?」

桂が居住まいを正す気配に、土方は口を開く。

「攘夷浪士だと言ってたが・・・・・なんであんたの命を狙う。」



「・・・・・・・・さぁな。」

あっさりと返された言葉に、土方は呆れて眼を瞠った。

「・・・・・・さぁな・・・って身に覚えがねぇのか。」



桂小太郎といえば、攘夷浪士の首魁の一人だ。

そんな大物を狙うとなれば重大な事ではないか。



「覚えが有るといえばある。無いと言えばない。」

「・・・・・・・・なんだそりゃ。」

「俺が穏健派になったことを面白く思わぬ者が多いことは確かだがな。」



なるほど・・・・・・そういう事か。



「最近では、俺が真選組と慣れ合っていると噂する者もおってな。

全く・・・・・・・・・・・迷惑な話だ。」



「慣れ合ってるだと?・・・・・・ったく馬鹿なことを言う奴が・・・・・。」

土方は言いかけて

これも慣れ合いになるんだろうか・・・・・ふと思う。



「貴様もおかしな奴だ。」

桂は呆れを含んだ声で続けた。

「貴様らにとって俺は敵。

どういう形であれ消えてくれた方が良いのであろう?」



その言葉に土方はゆっくりと振り返る。

「あ奴らに俺を斬らせても良かったのではないか?」

桂は口元に僅かな笑みを浮かべ、真っ直ぐに土方を見据えていた。



「俺が怪我をして走れなくなった時点で手錠を外し

俺を捨て置けば・・・・・・・今頃俺はこの世におらぬだろう。

貴様らにとって都合が良い話しではないか。」



青い月に照らされた桂の姿を見返して

土方はゆっくりと体ごと向きなおった。



「・・・・なぜ・・・・・・俺を助けた、土方。」

月を宿した桂の瞳。

見つめれば見つめるほど心がざわめく。



「ただの気まぐれ・・・・・・それだけか。」

これ以上見つめ続ければ戻れなくなるような気さえする。

だがもう、引き返すことが出来ない。



「・・・・・・・いいや。」

土方は一息飲み込み口を開いた。

「気まぐれなんかじゃねぇよ。」



大きく溜息を一つ。

「あんたは俺たち真選組の獲物だ。

攘夷浪士の内輪揉めだか知らねぇが、誰にもくれてやるつもりはねぇ。」



そう言い切ったすぐ後に



自嘲気味に口元を歪め

眉を僅かに顰めて

土方はゆるゆると首を横に振った。



「ていうのは・・・・・・真選組の土方十四郎の気持ちだ。」



秋風がさぁぁぁと吹きわたり

一瞬・・・・・・・・・青い月が雲間に隠れる。



「俺は・・・・・・・ただ。」



群青色の闇に沈んだ桂の姿

目には見えぬその瞳を見据え土方は続けた。



「ただ・・・・・・・あんたを守りたかった。」



その言葉に、桂は小さく息を飲む。



雲間から再び月が顔を出したのだろう

青い光に照らされた桂の瞳に再び月が宿った時



土方は無意識と言えるほど躊躇なく

痩身を胸に引き寄せていた。



































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Last updated  Jan 24, 2010 08:57:21 AM
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待ってました  
沙綾 さん
あけましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いします。

読ませていただきました。
あぁ・・・じれったい!!
「行っ・ちゃえ・よ!!」と思わずツッこんでしまいました。思いが伝わるといいネ。土方さん。続きが楽しみです。 (Jan 8, 2010 09:54:18 PM)

Re:沙綾様  
てんぽ~  さん
>あけましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願いします。

明けましておめでとうございます。
こちらこそ、よろしくお願い致します。
って、松の内過ぎちゃいましたが~(笑)

>土桂小説・・・苦しんでお産みになったんですね。早速
>読ませていただきました。

ちょっとばかり出産に時間がかかりました。
お読み下さりありがとうございます。

>あぁ・・・じれったい!!
>「行っ・ちゃえ・よ!!」と思わずツッこんでしまいました。思いが伝わるといいネ。土方さん。続きが楽しみです。

あぁ・・・・・・確かに。
私も書きながら突っ込んでました(笑)
土方の幸運を祈ってやって下さい。
ありがとうございました! (Jan 9, 2010 06:35:58 AM)

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天方美月

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Avavek8737@ 「セクシーなビクセン 「かろうじて法的なニンフは罪を犯したい…
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