天使の図書館

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●夢(寝てる時に見る方)の話

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夢には意味があります。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ★なぎら健壱(シンガー・ソングライター)  剣豪になっている夢を見た。夢の中でアタシは、若い剣士から申し込まれた他流試合に挑む(木刀で)。一の太刀を交わし、相手が二の太刀のため振り被ったところに、アタシの袈裟斬りが決まるというものであった。  その後、アタシはその剣士にこう語る。  「お主は後世に名を残す剣の達人になろう。だが今のままだと、達人になる歳まで生き延びることはできぬ。十あるものを、十出すのではなく、七か八に留めてこそ、十の腕が生きるのである。十のものを十と考えれば、後がない」  そんな偉そうなことを言うんですよ、アタシが。自分が夢の中で言ったことに感心するというのもなんだが、その通りではなかろうかとうなってしまった。  そこで、果たして今の自分の中に、そうしたものがあるのだろうかと考えてみた。どうにも思いつかない。思案の揚げ句思いついたのが、ギターである。アタシは別にギターの名人ではないが、そこそこの腕は持っているつもりである。    そのギターであるが、アタシは十ある技量を十出すことはしない。十の力を完璧に出すことは難しい。余裕がないもので、間違えることもあるだろうし、第一、毎回そんなことをしていたら、心も体も磨り減ってしまう。  そこで十あるものを、六、七ぐらいの力でこなすことにしている。そうすると、十の力を出して「巧みだなー」と思わせるよりも、実際は巧みなものを見せることができるのである。これが余裕というものではないか。  要するに、なんの職業でもそうなのだろうが、この余裕がなければいいものは出ないのではなかろうか。もっともそれに気づくまでには、時間がかかることだと思う。若いころは、とにかくガムシャラに物事に取り組むことは、物事を育むことにおいて大切なことである。これを怠れば、技量はついてこない。ある年齢になって ガムシャラになったとしても、体がついていかないのだから。  というわけで、今回は自分の見た夢になんだか教わったような形になりました。 (中日新聞日曜版2004.2.22より)   天使の図書館・HOME へジャンプ♪

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