PR
シフォンのなめらかさで
オーブンからの誘い
「あなたの好きそうな曲ね」
「それってどういう意味」
「ちょっと感傷な」
「マイナーな」
「うん」
「こないだのtubeの曲、著作権で消えてたよ」
「そうか、リンクとうしようかな」
「そのままでいいのかも」
「賞味期限みたいだね」
アップルタルトのシナモンの香り
「きみはケーキ職人だねえ」
「パテシエっていってよ」
「きみはいいパテシエだね」
見上げるとすこし涙ぐんでいる。
僕は驚いてアールグレーをこぼす。
「どうしたの」
「あなたの、その女心のわからないとこ、魅力だけど、ときどききついね」
「どうして?」
「わたしって飯炊き女?」
「どうしたの、専属のパテシエだよ」
「役にたっているのかしら」
「もちろんさ」
僕は天井を見あげた。
ことばにして、ちゃんと伝えようと、ランチョンマットを取り替えながら思った。
2,17,000のLOGS Mar 23, 2008 コメント(1)
ピアノ Mar 22, 2008
ジェラードキス Mar 22, 2008
Comments