コヤシダマー!ウテー!モンスターハンター系攻略所 相変わらずオフ専だけどな!!

コヤシダマー!ウテー!モンスターハンター系攻略所 相変わらずオフ専だけどな!!

何かをするために・b


恐らく円を描いているのだろう。
「あれ…だよね」
「あそこ以外にありえる?」
「…」
少し進むとその城壁は小さな木の柵で囲まれているのが分かった。
そしてキノ達の正面から少し右に行ったところに門と小さな家が建っている。
城門前に着いた。
「旅人さん…ですか?」
「あの…えっと…」
キノは思いついた様な表情をした後エルメスの後部に結び付けてあった
茶色いコートを門番に突き出した。
「これ!この国の誰かの物だと思います!」
「これは…この国の物ですね…。えっと…名前は…」
「キノ!」
「…キノさん…ですね。…あっています…」
門番のもう一人が確認をした。
「何処でこれを?」
「キノの親族の人に会わせてください!」
門番はその言葉以上に、涙を流している事に驚いた。
「…」
「いいんじゃないのか?入れて上げよう」
「し、しかし!」
再びキノへ目を向け、
「分かりました…。連絡しておくから、城門のすぐ傍で待っていてくれるかい?」
キノは一度頷いた。


城門を通され、暫くエルメスに乗っかって休んでいたキノの前に一人の
若い女性が歩いてきた。
「あの、これ―」
「あぁ、悪いね。私は代理で来ただけなんだ。ま、とりあえず涙を拭きなよ?
可愛い顔が台無しじゃないか」
そういって、ハンカチで顔を無遠慮に拭いた。
暫く歩き、一つの家の前で立ち止まった。
「ここ」
と言って、キノの腰にある銃を見、
「撃たないと良いわね」
と、笑って言った。

「あの…」
「聞いたわ。中で話しましょう」
促されるままに家に入り、椅子に腰掛ける。
「あの…これ、キノさんのだと思います…」
「…そうね。確かに息子の。どこで?」
「全部話します…全部話しますから…」
キノが全てを話し終わった時には、また涙が流れ出ていた。
「ありがとう。正直、覚悟はしてたのよ…。
もうこんな時間ね。今日はここに泊まっていきなさい」
暫くし、まだ涙を拭いているキノの前に紅茶が運ばれてきた。
勢い良く飲んでしまい
「あら、相当喉が渇いていたのね。あせらなくても」
「はい…」
直後、視界が揺れた。
「え…?」
椅子が床に叩きつけられ、大きな音を出した。
「からだが…」
視界に白くて長い物が自分に向かってくるのが見えた。
「…かっ!」
「あなたがいなければ…。あなたがいなければキノは帰ってきたのに…。
自分より先に子供を亡くした親の気持ちが分かる…?」
「くっ…!」
右手が腰の銃に当たった。
「あなたさえいなけれ――がっ!」
同じ言葉を繰り返し、キノを絞め殺そうとしている女性の口に、
長く黒いバレルが入った。
「今は…ボクがキノだ…。二度も殺されてたまるか…」
引き金が引かれた。

キノが目を覚ました頃、既に外が明るくなっていた。
いつもの癖で後ろ髪を掻き揚げようとし、そんな物がない事に気がついた。
「悪いね。大分血で汚れてたから勝手に切っちゃったよ。
気に入らないかい?」
「…いえ。大丈夫です…。あの人は…?」
「昨日のうちに全て済ましたよ」
「この国では人殺しはどんな罪になるんですか?」
「あの人も銃を持った人に手を出せばああなる事は分かってたはず。
この国では自殺の幇助は"国外退去処分"だね」
「え…?」
「皆お人よしなんだよ」

城壁で手続きを済ませて、出るときに
「あの、このコート…」
「あの人から、君に渡してくれ、と置手紙があったよ」
「はい。…長いですね…」
「うん。長いみたいだね。足に巻きつけたらどうかな?」
余った裾を腿に巻きつけ、エルメスに乗って来た道を戻って行った。


「お帰りなさい。キノ」
「ただいま。師匠」
「髪、切ったんですね」
「はい」
「似合ってると思いますよ」
「どうかーん」
夕暮れの森の中の家で二人の人間と、一台のバイクが話していた。
「これ、ありがとうございました」
キノは銃を老婆に返した。
老婆は五発装填されているのを確かめ、しまいこんだ。
「旅の話。また聞かせてください」
「本当に旅の話が好きですね。
長が逃げてしまった話はしましたっけ?」
「いえ、まだ」
「そうですか。では…」
「それもまだ。是非お願いします」
家に入り、鍵が閉められた。
「え、ちょっとー!いれてよー!」
一台のバイクが森に止まっていた。








bは見ないで書いたんですね。
って短いですが。

因みにこの長編は本編から外れた番外編として入れているので何話とか
ありませんですはい

© Rakuten Group, Inc.
X
Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: