コヤシダマー!ウテー!モンスターハンター系攻略所 相変わらずオフ専だけどな!!

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第二話「人を殺すことが出来る国」

~It is not admitted~


平原を一台のバイク(二輪でエンジンによって動く、飛ばないものだけを指す。)
が走っていた。
「キノォ…この平原何処まで続くのさ?」
「さぁ…。地図ではそろそろ国に着くはずなんだけど…もう着いていても
いいはずなんだけれど…」
大型のバイク(エルメス)と、それに乗った腰に二丁の拳銃を下げた旅人が話していると
大きな岩の向こう…前方に人が見えた。
「なぁ、アンタ!随分デケェバイクじゃねぇか。
あの国に行くんだろ?そうかい、なら少し持って行ってくれ」
「…嫌です。エルメスが嫌がるので」
背中に大きい荷物を背負った男はキノに話しかけ、直ぐに断られた。
「いいじゃねぇか少しぐらい」
「嫌、です。ボクも余り多い荷物を持ちたくはないので」
「ケッ、あの国に入ったら先ず殺してやるぞ」
「殺したら罪になるんじゃないのー」
男の脅しにエルメスが質問する。
「ハッ、知らねぇのかよ。どうせ死ぬから教えてやろう。
あの国ではな、人を殺しても罪に問われないんだ」
「罪に問われない?何故です?」
「人を殺す程の行動を起こすのならそれだけの大きな理由があるのだろう。
って考えがあるからだとよ。まぁ、せいぜい残り少ない余生を楽しむんだな」
「そうですか」
会話を終え、エルメスの速度を上げたキノは、すぐに国の城壁を見る事になった。

城壁を少し入ったところの広場で、入国したばかりの旅人とバイクが話していた。
「人を殺せる国かぁ。って言っても全然平和そうだけどねー」
「あぁ、とても殺人なんか起きそうな国じゃない」
「とりあえず、殺されないようにしないとね」
「あぁ、そうだな。でもその前に…」
「その前に?」
「食べよう。あそこにちょうど店がある。エルメスはここで待っていて」
「はいはい。はぁ…」

キノが食事を終え、広場に戻るとエルメスに止まっていた小鳥が数匹飛び去った。
「おまちどおさま、止まり木のエルメス」
「おかえり。食いしん坊のキノ」
「さて、後は機械工でも探して宿も探すか」
「そうだね。そろそろ限界」
「だろうね」
エルメスに跨った時
「そこの旅人さん、少しいいかな?」
後ろから黒く長い杖を突いた老人に声をかけられた。
「はい、なんでしょう?」
「旅の話を聞かせてほしい。いい食べ物があるからお茶でもしないかな?
当然こちら持ちだ」
「あぁ、もう少し早ければね」
「すいません、先ほど食事をしてしまったばかりですし、これから宿を探さなければならないので」
「そうか…。では明日にでもどうかな?」
「えぇ、是非ご一緒したいと思います」

広場に面した小さな宿にキノは泊まった。
「はぁ、結局機械工は見つからなかったな…。それ以前にいない可能性の方が高いな…」
「次の国まで持つかどうか」
「幸い、この国からそう遠くはないみたいだ。まぁ壊れたら直ぐに捨てて歩いて行くよ」
「絶対壊れない。うん」

「さて、昨日の件、大丈夫ですかな?」
「えぇ」
「では行きましょうか」
キノが昨日入った店の左隣、喫茶店と書いてある店に入った。
「甘いものは大丈夫ですかな?そうか、それはよろしい。では一つと小さいのを一つ頼もう」
暫く国の話をしていた頃
「来たようだ」
と、老人が"ニヤリ"と笑った。
「これは……すごいですね…」
運ばれてきた"甘いもの"は丸くて大きい…半径が大体十CMはあろうかという
円形のクレープとクリームの層が何重にも重なった、大きいものだった。
「大抵の旅人は残すよ。遠慮なくお食べなさい。
旅話が御代だよ」
「…頂きます…」

なんとか全て食べ終えた後――計六箇所程の国の話をした後―
「若いのに随分旅をしているね。いつまで続けるんだい?」
「分かりませんが…多分、行ける所まで行って、戻ると思います」
「そうか…。私も以前は旅をしていたんだがね。その頃は本当に犯罪を
犯し続けていた。そこで落ち着いたのがこの国なんだよ」
「例の…許可される…と言うやつですか」
「あぁ。でもね。私はこの国に入った瞬間から、一度も犯罪を犯していないんだよ」
「なんでさ?」
「いずれ分かるときが来る」
と、笑った。
「では、そろそろ出国しようかと思うので。ありがとうございました」
「いやいや。こっちも話を聞けて楽しかった。礼を言おう」
外へ出て、エルメスに近づこうとしたキノに
「おい!てめぇ!やっと見つけたぞ!この間の礼をしにきてやったぞ!」
「…なんですか?」
大声で喚き散らしながらキノに近づく男は国に入る前荷物持ちを断られた
男だった。
「なんですか?」
繰り返し聞く。
「旅荷物は重いだろうからな。俺が引き取って使えるものは売って生活費の
足しにしてやる」
「結構です。自分のゴミは自分で処理しますから」
男はキノの冷静な態度にむかついたのか、懐からナイフを取り出した。
「ならこの国で俺が殺す一人目にしてやろう。感謝しな!」
「それは困りますねぇ…。どうしたらいいと思う?エルメス」
「んー。お好きなように。流れ弾で人怪我させないようにねー」
キノが腰のリヴォルヴァーに手を伸ばす。
「ガッ…、な、なんだ?!」
男の足に矢が突き刺さっていた。
キノの左側にある工具店の屋上に、弓を持ち、矢をつがえた女性が立っていた。
「旅人さん。銃を仕舞っていいですよ」
「え?あ、はい」
キノが訳も分からず銃を仕舞う。
と、先ほど話していた老人が杖を持って歩いてきた。
そして持ち手をひねり、引くと―黒い刃が現れた。
「な、なんだよ…」
その杖を見て完全に意気消沈した男が聞く。
「認められないんだよ。この国で殺人、及び殺す恐れがある事をする人は
殺さなければならないんだ」
「なんだと…。人を殺してもいい国じゃねぇのかよ」
「殺してもいい、と殺すことが認められるとは意味が違うんだよ…。
仲間を失うのは惜しいが、こうするしかないんだ」
その杖は、男の左胸を貫いた。
「残念だ…。旅人さん。後は私達がやっておくから、準備を済ませたら
出国するといい。次の国はそう遠くはないはずだ」
「ありがとうございます」
男の死体を横目に見やりながら、エルメスに乗ったキノはもう一度礼を言い
そのまま出国した。








第二話終わりましたよ。
因みに英語タイトルはエキサイト翻訳とかで翻訳してください。
ただし
絶対に本編を読む前に翻訳しないように。
ネタバレですから。

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